夢の途中 ep6
「社長はやらせてみようとしたっぽいのよね。でも柿崎マネージャーが媚売るのは好かない。兼任させるなら退職しますって言って、退職届突き付けたらしいわよ。それ見て慌てて社長が土下座までして退職は無くなったんだけど。まだ慣れてない子達の場の回しをすることになっているのを見ると兼任してるようなものよね。」
そんなにやりたくなかったんだ。でも柿崎さんの仕切り回しやツッコミは結構すごいから見ているとためになるんだけど。それをそのまま新井さんき伝えると、笑いながら話してくれた。何でもネット配信していたらしい。その時に視聴者参加型の雑談をよくやっていたっぽい。それで言葉回しやツッコミのタイミングなどを覚えて言ったみたい。やめた理由が視聴者とディベートをしてボコボコにされたかららしい。
「でもそのおかげで、場の回しやトークスキルなどが役に立っているのだから人生何があるかわからないものよね。ずかちゃんも逃げずにやってね。」
本当にその通りだ。だからってそこにホラーゲームを繋げないでほしい。げんなりしているらと新井さんの苦笑が聞こえてる。
「後でパソコンにゲームを送るからインストールしておいてね。れいちゃんは今週、ゲーム配信するって言ってたけど。何の題材にするか聞いてる?」
「何にも聞いてないですよ。まあれいちゃんの事だからニッチなゲームかコアなファンがいるレトロゲームあたりだとは思いますね。」
私の言葉を聴いて、ああ〜と納得するような声をあげる。れいちゃんは昔からゲーム実況したくてネット配信を始めた口だからだ。人の見ているより自分ならこう実況するとか考えていたらしい。ゲームに対して雑色で何にでも手を出していた。その合間に歌とか歌いながら実況していたのを見た時、すごいなと思うとともに私より歌が上手くて嫉妬してた時があった。でも一緒に居るようになって練習にカラオケ行ったり楽しく過ごすうちに、そんな気持ちはなくなっていた。
「まあ、れいちゃんはあれで自己管理できているから問題はないでしょうね。何であんなに卒なくこなすことができるのに料理やダンスが壊滅的なのかしら?不思議でならないわ。」
一度ダンスレッスンを受けてきたことがあるんだけど、帰って来て泣いているのを見た時人生で2番目に驚いた。実際に練習の題材で踊ったダンスを見せてもらったら何をしているのか理解が出来なかった。動きが堅く変な動きが所々にあり、指導してくれていた先生がハッキリ向いてないと面と向かって言われたらしい。自然体に動くことはできるのに決まった動きになるとできないで憤慨している姿が可愛いな〜と思った。それ以来歌う時は精々ステップを踏む程度に心掛けていると本人が言っていた。ダンスに集中すると歌がおざなりになり、歌に集中すると今度はダンスがだめになる両極端で1人悔しそうに泣いていたれいちゃんを鈴花は励ましていた。