夢の折り返し ep1
2人の話し合いは深夜に差し掛かるまで続いたが、現状やれる事を全力でやること以外に出来ることが見当たらず、新井に会って会社の方針指針聞くのが無難なのではと行き着いて、翌日には新井に会いに行き相談をした。
が、返ってきた答えが基本現状維持をするようにと言われた。会社での配信をするにあたってタレントのメンタルや生活に不安が出るようでは今後オフでの配信ができなくなる可能性があるのでは、と社長は危惧していたからだ。
そのため、タレント優先に考えて1人配信がやりたい人は1人でやらせるという教育方針で行くとの事を新井から聞かされた。オフでの集まりでの配信の数は減らせるが現状、オフでの配信を心待ちにしている6人には要らん心配であった。
そのため、今後増えた場合を見越して一度一人一人に面談をしたいと社長は思っているみたいだった。ただまだ会社での配信を行っていないから、これから配信を増やした場合だとも聞かされた。
なので個別での配信をしつつ、空いた穴に会社での配信に充てるようにするつもりで入ると聞いた。いきなり数を増やしても企画や立案などのディレクションが動き出したばかりでは、練れる案もなかなかないため今は個別での事に心血を注いで欲しい。
ただ、鈴花や礼奈にシスターズの面々がこういう企画をやりたいという案があれば教えて欲しいと言われた。審査はするが厳しいものではなく、案自体を欲しているとも言われた。
出来るできないことは、配信ガイドラインを見つつ可能かどうかの審議が必要だが企画物は何でも欲している。そう言われ、どのような企画物があるか聞きたかったが新井と社長はテレビならある程度分かるが畑が違うネットだとどの程度まで広げて良いかは、やってみないと分からないと言われてしまった。
だから企画を欲しているんだなと2人は思った。新井に別れを告げて、今出来ることをとりあえず頑張りながら2人で案を出して企画物を作ってみようと決めていた。
そんな日々が過ぎ、秋口になる頃に会社のチャンネルを立ち上げてライブ配信を行おうと言う段階になったが、進行役を誰にするかが問題になっていた。
柿崎マネージャーに進行役をやってもらおうとしたが断られたため、ピンチヒッターとして鈴花が抜擢されることになったが、当の本人は緊張してしまっていた。
いくら腹は括ってはいるものの、緊張するものはしてしまうのでフォロー役として礼奈がサブとして付くことになり、会社の初配信に挑むこととなった。
控え室では進行の書類とにらめっこしている鈴花と、それを見て不安に思っている礼奈の姿があった。
「最初はこうして・・・・でここはこうなのね。・・・・で次はこうと」
「ずかちゃん、肩に力がはいりすぎ。気負いすぎると失敗するからあまり進行の紙見ないほうが良いよ。」
書類から目を離さない鈴花に近づいて、両頬を軽くたたき顔を上げさせる。
「不安なのは分かるけど、気にしないことだよ。大丈夫、あたしも隣にいるし。全力でフォローするから。」
鈴花が礼奈の顔を見ると、にっと笑顔を見せる礼奈に少し肩肘を下げる鈴花。お礼を言うといつも色々してもらってるしたまには返さないとねと、言われた。
2人で笑い合っていると、新井が呼びに来て2人は急いで準備を済ませる。書類を持って2人で控え室を後にして、撮影場所に入って行った。




