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夢への階段 ep27

まだ社長の話が続きます。

急いで病院に駆けつけ、通された霊安室には綺麗な顔で寝息をかいてるように見える雅信さんと、子供3人を連れて彼の側で静かに泣いている穂乃果さんが居た。


それから葬儀が終わり火葬され、墓地に入れられるまで私はこれが現実なのか分からなくなっていた。家に帰ったらポッカリと穴が空いたような虚無感が襲った。


ふと携帯を見ると一通のメールが来ているのに気がついた。そのメールは雅信さんからだった。中身を確認すると「いつもありがとう」という、当たり障りのない文面だけだったが私はそれを見て感情が抑えられず、年甲斐もなく喚き散らすように泣いていた。


でも私ばかりが寂しいだけじゃない。雅信さんには家族がいる。その家族のことが気がかりになり、気づけば雅信さんの自宅に来ていた。インターホンを押して出てきたの瞳に何も映していない穂乃果さんが出てきた。


そんな穂乃果さんをソファーに座らせて、部屋を見れば雅信さんの書斎の方から歌が聴こえてきた。そちらの方に赴くと、次男の子が妹に向けて歌を歌っていた。その歌は雅信さんがメジャーデビューした曲だった。


それを聴いた時、私にはまだやることを思い出した。雅信さんが常々言っていた「もし私に何かあった時に家族の事が気がかりなんだ。君にお願いできれば私も安心だよ。」その言葉に背きたくなかった私は、事務所の社長に無理を言って定時帰りにさせてもらいながら、穂乃果さんをサポートし続けた。


だが私のサポートの穴を抜いて長男が雅信さんの遺産を持ち逃げして雲隠れをしてしまった。穂乃果さんと次男は途方に暮れる姿に私は自分が持てる全ての現金を引き落とし、それを穂乃果さんに渡した。


最初は受け取ってくれなかったが、私が頑なに雅信さんとの馴れ初めを話し恩を返したいと言い続けたのが功を奏したのか、最終的にはお金を受け取ってくれた。


それからは次男が高校に言って、早朝バイトをしながら二人三脚で切り盛りをしていたらしい。らしいと言うのはその頃の私は独立に向けて動いていたからだ。


だがそれが良くなかった。穂乃果さんの身体はもう限界に達していた。私が火急の知らせを聴いた時には、穂乃果さんも帰らぬ人となっていた。


それからは次男の動向を私的に探していたが行方がつかめなかった。雅信さんの家は売却され、次男と妹の存在は始めからなかったかのように消えていたからだ。


またしても私の大切な人達が亡くなるのを見ると私自身が疫病神なのではないかと思ってしまう。個人資産で興信所にお願いしても、山本という姓は多すぎて対象が絞れないと言われ、一応雅信さんと穂乃果さんの名前も教えたが途中から辿れなくなっていたと言われた。


その頃には私はある夢のために動いていた。雅信さんのような引きつける何かを感じる人材を見つけたからだ、2人いたがどちらからも才能の塊のような原石で歌を聴いた時一気に惹きつけられた。


特に鈴花ちゃんという名前の子からは、雅信さんに勝るとも劣らないほどの物を感じた。これほど惹きつけられるものがあるのに、誰からも引っかからないのは何故かわからなかった。


そしてネット配信でVirtualキャラクターに歌を歌わせてアイドルの偶像のようなものを作った。それは私がアイドルという偶像に儚くも輝ける場所を提供したいと思っていたからだ。


だが良い人材がいても鳴かず飛ばずな状況が数年続いたがそれでも、少しずつ登録者数を獲得していった。だがそこで一つの壁がせり立っていた。


楽曲提供者が見つからなかったことだ。どこに言っても歌い手の方の歌を聴かせたて提供された曲には、私に響くものがなく今一つのものしか無かった。悩んでいた時に、2人より登録者が100倍以上は居るカメレオンの方から楽曲提供の提案が来たからだ。

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