夢への階段 ep25
「どうしてあんたが・・・」
「ああ、れいさんごめんね。もう少しだけ待ってくれるかい。そろそろシスターズの面々も此処に来ることになっているから。」
礼奈は訳を聞こうとしたが社長が待ったをかけた。全員来てから話をすることになり、少し不貞腐れた顔をしている礼奈を除いて新井と鈴花だけはただ困惑していた。
数分するとシスターズと柿崎マネージャーが入室して来て、社長の後ろにいる人物に全員驚いていたが佳穂は何故兄が此処にいるのか、イマイチ分かっていなかった。
「全員揃ったってことで、まず今回の引っ越しには多大なお金がかかっているのは皆もわかっている所。そしてそのお金を融資してくれたのが他でもないカメレオンからなんだ。」
「え?お兄ちゃん、私今回の事聞いてないけど?」
「前の事務所に記者団が押し寄せているとの報告があったからね。なるべく秘密裏に移転して体制を整えなければならなかった。そこで今回私が融資して場所を提供したのがこのビルなんだ。」
佳穂の言葉に説明していく兄に、前の事務所の事を話していた佳穂から状況を精査して社長に直談判して移転を決行させた。それに伴い鈴花と礼奈の2人にも転居をお願いしていた。
「今回カメレオンが融資の他に、私の会社と契約する運びになったんだ。所属とは違うけど、協力関係になったから融資の話しを受けて移転をしたんだよ。」
次に出た社長の言葉に驚きで言葉を失う面々にカメレオンが言葉を投げかける。
「今回協力関係になった事で、楽曲の提供も円滑に行えるようになる。私の楽曲にずかさんとれいさんがもっとも適しているので今回の融資と協力をしようと社長にお願いをした。」
そもそもの問題何故そのような事をすることになったのか、それが理解できていない面々の中で相手のやり口を熟知している礼奈が口を開いた。
「随分と直接的な事をするじゃない。いつもなら迂回するのに。」
「今回効率を取ったまでだよ。その方向性ならいらない誤解を生むよりかは建設的じゃないかな。ただまだオフレコでお願いするよ。私が自分のチャンネルで告知をするからそれまでは口外厳禁でお願いする。」
そう口にして頭を下げるカメレオンに状況が理解出来ずに困惑する一同。配信部屋で試しに体験してみてはと社長から言われ、社長とカメレオンは細かい打ち合わせがまだ残っているので視聴したいが社長室に残ることとなった。
残された2人、いや1人だけ重々しいため息をして立っている人物に顔を向ける。仮面を被っていて表情は読めないけれど、明らか笑っている雰囲気がしているのを社長は感じていた。
「本当にこれでよかったのかい?れいちゃんは多分あの感じだと怒ってるよ。それにまだ時期尚早な気がするんだけど。」
「いえ、今までしてきた仕込みである程度は機能するので問題ないです。れいちゃんに至っても問題ないです。ストレス過多になれば罵詈雑言の嵐が来るので、分かりきってる結末ならやりようはありますし。それよりもこのような形で協力してくださり、ありがとうございます。町田社長。」




