夢への階段 ep22
視点は鈴花に戻ります。
6人でわいわいとゲームを楽しんだ翌日、新井さんに呼ばれて自宅の方に言ってみると子供二人がお出迎えしてくれた。今日土曜日なので小学校がお休みで朝から女の子なのに元気がいっぱいで少しほっこりしてしまう。
「ごめんね、こんな時間にまだ事務所の内装に時間がかかってるのよ。職員のフロアは良いんだけど、配信部屋がなかなかうまくいってないみたいなの。」
「いえ、大丈夫ですよ。コラボ配信とかしてますし、楽しんでやってますから。そんなに難しい問題なんですか?」
聞けば、2Dで動く表面的な動きではなく。体をトレースして自由に動くことのできる3Dのモデリングに2Dのキャラクターを合わせたものを出そうとしているらしい。正直、どういうものかは分からないが難しそうな話をされても良くわからなかった鈴花だった。
「まあ、言葉だけだと良くわからないわよね。良く動画でキャラクターをソフトで動かすのではなく、人と連動させて動かすシステムなのよ。モデリングは私もわからないし、もう少しだけ時間がかかると思ってもらってくれるとありがたいわ。」
「それはまあ、はい。わかりましたけど、今日の用事は他に何かあるんですか?」
「一応オフレコでね。近い内に他社とのコラボが有るって社長から言われた。れいちゃんには言っても良いけど、他の人には言わないようにね。」
新井から聞いた言葉に少なからず驚いた。今まで他社とのコラボは一度もなかったからどういう仕様になるのか。少し楽しみにしている鈴花だった。
今週のスケジュールもあまり変わらないように調整をして、帰り際にこの間のお礼と言われお菓子を貰い新井宅を後にし自宅に帰った。自宅の玄関を開けると靴が明らか増えてるのがわかり、リビングに行くとシスターズの4人が椅子に座っていて対面の席には頬杖を付きながら礼奈が座っていた。何か異様な光景に見えた鈴花は礼奈に声をかけた。
「どういう状況なの?何かあったの?」
「別に何もないよ。ずかちゃん外行ってきたんだ。買い物にしては軽装だし。それ何?」
新井宅に居たこととこの間のお礼にお菓子を貰ったことを報告すると、1人納得するような感じで頷いていた。ただ、なんだかシスターズ面々は居心地が悪そうに下を向いているのが気になる。
「佳穂ちゃん達どうしたの?昨日楽しかったね。またああいう実況配信はやってみたいって思ったよ。」
「あ、はい。そのまた出来たらしたいです。」
何故かよそよそしい感じがするのだが気のせいかなと考えていると、礼奈からお腹が空いたと言われた。シスターズの面々にご飯食べてきたかを聞くとまだと答えたので、冷凍庫に眠っている餃子を出すのに良いかなと思い皆に告げていく。
今日シスターズの4人が来たのは謝罪のためであったが、事前に礼奈が応対したことでするなと言われたからだ。それでも4人は食い下がったのは過去にいじめられていた事を佳穂から3人は聞き、今日訪れたが礼奈は首を縦には振らなかった。
謝罪すれば許されたと思うのは本人だけで、相手にはそれが伝わるかは別だと言われた。本人が終始楽しそうにゲームをしていたならそのままにしておいた方が無難で、わざわざ理由を話して関係悪化するケースがある以上、鈴花が楽しんでいたならそれで良い。
やった事は消えないけど、言わなくて良いこともある。そう礼奈に言われてしまうと何も言えなかった4人が意気消沈しているタイミングで鈴花が帰宅した。
取り繕う事も出来なかったが鈴花は礼奈に相談事かなと思っている程度の認識でしかなかった。




