夢への階段 ep14
話しは少し遡ります。
視点は佳穂になります。
パーティー会場に鈴花達と別れた後、シスターズの4人は固まって行動していた。理由を上げるならまだ未成年である4人は酒乱に巻き込まれないように柿崎マネージャーから行動を指示されていたからだ。
酔っ払いの相手は本当に面倒くさいのを知ってるニコから聞いていたため、近づかないように行動をしていた。
「立ったまま、食べるのってちょっと落ち着かないね。」
「そうね、腰を据えて落ち着いて食べたいものね。」
「立食はどちらかというと、交流を主体としてるからね。こればっかりはしゃーないって。」
「まあ、渚の言葉通りではあるけど。いつも座って食べてると行儀が悪く思うよね。それよりさ、今度4人でずか先輩とれい先輩の家に凸しない?オンラインのコラボ配信やったけど、オフコラボはまだじゃん。会社が移る前にやりたいんだよね。」
ニコの言葉を聞いて3人もやりたいと思うも、1人ニコだけは礼奈の方に行くだろうと考えていた。筋肉談議を3時間ついていけている人はかなり稀であり、3人は早々にリタイアしたからだ。
3人は申し訳なく思うも礼奈に人柱になって下さいと心の中で思っていた。
4人で、和気あいあい話しているとふと横目に映った人物に目線を向ける。スーツ姿に何故か仮面をつけていたからだ。他の3人も佳穂の目線を追うと見た人物に不審者かな?と話しているのが耳に入った佳穂は、その人物の手を強引に掴んで会場から一度退室して、エントランスフロアに出ていた。
「どういう事?今日用事が有るって言ったのお兄ちゃんだよね。変な仮面までつけてさ。それにそのウィッグも似合ってないよ。」
「・・・・はあ、やっぱりバレるよな。そんな気はしてたけど、一瞬で看破されるとは思わなかったよ。」
まさか自分の兄がこの場にいて、コスプレをしているとは夢にも思わなかった。
「なめないでよね。歩き方や仕草や佇まいで会ったことある人物なら忘れないもん。」
「お前は目端が利きすぎるからな。まあ、バレたなら良いや。悪いけど、れいちゃんは・・・・多分殴られるかな?ずかちゃんには僕の事言わないでおいてね。バレると色々問題があるから。」
言われた言葉がよく理解できずに首をかしげる佳穂に兄は仮面越しに苦笑する声が漏れ聞こえた。何故兄が、2人をちゃん付けで呼んでるのかが気になり聞くと、高校からの知り合いで腐れ縁と教えてもらった事に佳穂は驚いていた。
「え?そんな前から知り合いなの?もしかして私も会ったことある?」
「まあ、ずかちゃんの方は会ったことはあるよ。でも会った場所が場所だからお前は覚えていないかもしれないね。」
大抵一度会ったことのある人物なら覚えているほど、記憶力の良い佳穂が忘れるほど、他にインパクトが有る場面でもあったのだろうかと考え始める。
そんな唸って考えている佳穂に流石に母の死亡した時に居たとは言いづらい。その時の記憶が少々おぼろげな佳穂は、もしかしたら負担になっていて思い出さないようにしているかもと診断されている。そのため、基本親の事を口にしないように兄は気遣っていた。
「そろそろ戻ろう。お前もあの3人と居ないことに不審がる人物が出てきてもおかしくないからね。」
「うーん、会ったこと〜。わからないな〜。まあ、わからないならわからないで良いや。ずか先輩にはバレたくないんでしょ?わかった、その方向で行くね。でもれい先輩に何で殴られないといけないの?」
「ほらほら、戻るよ。話しは家に帰ったら教えてあげるから、今は質問を受け付けません。」
兄に背中を押され、パーティー会場に戻るもその間根掘り葉掘り聞こうとする妹を華麗にスルーする兄だった。




