夢への階段 ep13
フロアのパーティー会場では、社長自ら音頭を取って場を盛り上げていた。社員が手に酒を持っているのが分かるが鈴花と礼奈2人は、基本お酒を飲まない。喉をなるべく枯らすことがないようにしているためだが、味があまり気に入っていないからでもある。
「無理して飲まなくていいわよ。あまり好きじゃないでしょ。ただご飯を食べに来たくらいに思ってればいいのよ。」
「でも、折角の祝いですから。飲みやすいのがあれば良いんですけど、どれがそれなのかも分からないですし。」
「ずかちゃん、気にしすぎよ。あたしも酒は何か後味が悪いからいらないし。ビュッフェでも見て食べることにするわ。選びに行こ。」
頑張って酒を飲もうとしていた鈴花に新井が止めに入る。そんな鈴花の横で礼奈が新井と目線を合わせて、わかったように鈴花の手に持っていたグラスを取りテーブルに置いて、礼奈は鈴花を促し料理のコーナーの方へ行ってしまった。
2人が、少し遠くに行くと小さくため息をつく。鈴花は酒が入ると眠くなるのかその場で寝ようとする。流石に立食での場所で、床に寝ようとするのは阻止しないといけない。2人の子供も同じ様に料理を選び、壁側に設置されている椅子に座って食べている方へ足を運んだ。
新井から離れた、鈴花と礼奈は料理を選び終えてどこで食べょうか話しているとシスターズの面々が近づいてきた。何でもさっき、仮面をつけた変な人物が居たらしく誰か呼んだほうが良いのではと思っていたがその人物を佳穂が何処かに連れて行ってしまったらしい。
「佳穂ちゃんはその人物と知り合いだったのかな?」
「さあ、わかりません。顔に仮面被っていますし、社長が部外の方を招いたという可能性がありましたから。流石に大事には出来なくて・・・」
「でも佳穂はなんか知り合いみたいな感じがしたんですよ。」
峰子と渚の話しを聞きながら考えていると、遠くの方からこっちに手を振ってる佳穂がいた。その横には仮面を付けた長髪の男性が立っていた。鈴花はその時、何とも言えない感覚に襲われていた。既視感にも似た感じがその人物から首を傾けながら、最近似た感覚を何処かで感じていたと考えてる横で礼奈は聞こえないように「あんの馬鹿、バレてんじゃない。」と小さく呟いていた。
「佳穂、その人と知り合いなん?」
「知り合いも何もお兄ちゃんだし。流石に自分の兄を間違えないよ。」
「え?さっき用事あるって言ってなかった?」
渚とニコが佳穂に質問をぶつけている。そんな反面、礼奈は男に近づいて行くと腹に一発殴った。苦悶が男の口から漏れるが、耐えているようにも見える。いきなりの行動に流石に鈴花が止めに入る。
「れいちゃん、いきなり殴るなんてどうしたの?大丈夫ですか?すみませんれいちゃんが・・」
「いや、気にしないで良い。こういう反応をされるのは分かっていた事だから、それに私も2人に会おうと思って今日は社長に無理を言って来たんだ。」
「良かったわね、ずかちゃん。あたし達の作詞作曲をしてくれたカメレオンが来てくれて。作詞の感想でも言ってあげれば?」
礼奈の言葉に一同は硬直した。




