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夢への階段 ep1

社長に提案された新居の候補地も無事2週間ほどで審査通過と聞かされていたので荷造りに励んでいた。引っ越し業者を雇っているので自分で運ぶものはごく少数だが、それでも少しずつ綺麗になっていくのを見てるとここから始まって、今の自分達があるんだなと、思うと胸にこみ上げてくる想いがある。


「ずかちゃん、寂しい?」


片付いた部屋を見ていた私にれいちゃんが声をかけてきた。少し心配そうに見つめる瞳がこちらを見てくるが私は頭を振った。


「大丈夫だよ、心配しないでれいちゃん。寂しいよりも楽しかった思い出のほうが多いから。それに私達はまだまだだし、これからだよね。」


私が笑いかけるとれいちゃんも笑顔を見せてくれる。今更1人暮らしになったら多分寂しいと思う。喧嘩らしい喧嘩もしたことない私達だけど、相性が良いのだろうと思ってる。れいちゃんが察してくれているかもしれないけれど。不意に鈴花が礼奈の手を取り、その手を両手で包む。


「至らない所があると思うけど、またよろしくね。」


「なあにそれ?熟年夫婦みたいなセリフよ。でも・・・うん、こちらこそよろしく!」


2人で笑い合って今まで居た家に別れを告げ、部屋から出て外で待っている業者にお願いをして一足早く新居に向かった。


新居に待機している新井に電話をかけると「搬入指示はこちらでやっておくから昼食を摂ってきなさい。」とありがたい言葉をいただき、2人で談笑しながら昼食を食べた。


食べ終えた2人が新居に着いた時には、1時間は過ぎていた。新居の正門のゲートを潜りエレベーターに乗って、3階のボタンを押してゆっくりとエレベーターが上がり、3階に着いてすぐの部屋に入ると中に居たのはマネージャーの新井とシスターズの4人がいた。


「え?新井さんだけじゃなかったんですか?」


「私もそのつもりだったのだけど、柿崎マネージャーから今日のことを聞いて手伝いに来てくれたみたいよ。」


ありがとうと2人で4人に言うと照れくさそうに笑っていた。その反応が初々しいと思った。


「本当はお兄ちゃんにも手伝ってと声をかけたんですけど、何か取引先との面談だからと断られてすみません。男手は欲しいと思ったんですけど。」


「大丈夫よ。うん、大丈夫!気にしないで!」


佳穂の言葉に礼奈が反応して、気にしないでアピールをしていた内心では若干冷や汗をかいていた。今来られても邪魔にしかならず、来ないでくれるならありがたいとさえ思っていた。


「じゃあ、ぱっぱとやっちゃいましょう。ずかちゃんとれいちゃんは部屋に段ボール持って行って、残りのは仕分けね。さあ、動いた動いた。」


号令に近い声で皆に発破をかけ、動いていく。大部分は終わってるの鈴花と礼奈は段ボールを持って自室になる部屋へと入り、服を仕分けパソコンをセッティングしていく。新井とシスターズの4人は他の部屋に置く小物や日用品を並べていった。


全ての作業が終わる頃には夕陽が沈みかけていた。新井に子供達は大丈夫か聞くと、階は違うが同じマンションないに入居しているらしく、2人を迎えに行って何か食べに行きましょうと新井が言うとシスターズの4人は思いの外喜んでいるのを見て、鈴花と礼奈も釣られて笑い新居を後にした。

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