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夢の途中 ep26

で、今日事務所に呼ばれた理由が新しい場所に事務所を移転しようかと、社長が考えているみたいです。今の事務所だと表の現状のような状態になりやすく、業務が滞りがちなり作業の停滞が起こってしまう。それはスケジュール管理してるマネージャーを始め、外回りを主な仕事としている従業員にも被害が出ている。


「そのために、ある程度目的に合った事務所を探そうと社長が今リサーチしてるみたいよ。」


「まあ、仕方ないよね。CDやDL販売でかなり売り上げが上がったみたいですし、いつまでも小さい事務所のままってタレントからの給料を着服してるのかもと疑われる可能性もありますし。」


「私としてはこの事務所のアットホーム感があって好きだったんですけど」


「そう言ってくれるのは嬉しいんだけど。こんなことになっちゃうと。被害が出ている現状考えないといけないからね。」


社長室に向かいながら歩いていると社長室の扉が開いて社長自ら扉を開けて出迎えてくれた。いつもの応対席に2人で座り、対面に社長が座った。新井さんがお茶を3人分のお茶を出してくれたのだが、社長のだけ湯飲みではなくプラスチックのコップだった。それを見た礼奈が言葉をかけた。


「あれ?社長の湯飲みだけプラなのは何でですか?」


「社長がぶち壊しやがったからだよ。」


途中で気づいた鈴花が礼奈のパーカーの裾を引っ張ってアピールしたが気づいてもらえず、新井の怒気を感じる声で礼奈は気づいた。やばいと顔を出ているし社長も萎縮している。社長の後ろで腕組んで仁王立ちをしている姿は、完全に圧迫面接のような気持ちになった。


「あれは限定50点でそれを仕事の合間に間に合って1つだけ買えた1点物なのに!!」


どんどんと声色に怒りが滲んできている。礼奈が思い出したように私のカバンからある物を取り出して新井に見せる。


「新井さん新井さん、あたしとずかちゃんが買い物した時に可愛いマグカップがあったからこれ使って!」


新井さんがふくれっ面で箱を開けると中から猫のマグカップが出てきた。ちょっと日用品を買いに出かけたデパートで見て2人で新井さんのために購入したやつで猫の顔で耳がついてて尻尾が取っ手になっていて、ミケとぶちとミシャの3種類が有り、家族に行き渡るように購入した。


「あら可愛いわね。しかも3つも、そんなの気にしなくていいのに〜。」


「残り2つは子ども用で使って下さい。いつもお世話になってるんですから、私達からのプレゼントです。」


さっきまで怒っていたのが嘘のように箱にマグカップを戻して3つを嬉しそうに自分のロッカーに持ってって社長室を出たのを見て3人は深い溜息を吐いた。


「すまないね。気を使わせちゃって。」


「いえ、元はあたしが気付かず地雷を踏み抜いたので。あのままだと話しも出来ない上に空気悪いんで。」

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