夢の途中 ep16
視点が鈴花に戻ります
週末に貰った曲と歌詞と、にらめっこしていた鈴花は何とか叩き込んで歌の練習をこなしていた。貰った歌詞からは歌っていても楽しい曲調で、終始明るく元気に歌うことができたのだが鈴花はずっと既視感が消えなかった
翌週のレコーディング収録をし終わってもそれが消えることはなかった。この既視感が何なのか礼奈に聞こうかと思考を巡らませるが、タイミングよく礼奈からメールが来て中身を見ると「こっちは収録終えたが、鬱憤が溜まってしょうがないから暴れてきます!!」と文面だけ見ると何とも物騒だが、礼奈は基本イライラが溜まるとたまに1人でカラオケに行って発散してくる。
一度着いて行こうとしたんだけど。ストレスを吐き出したい時の歌は聴かせたくないとのことで、一体何を歌っているのかがわからない。夕ご飯は何がいいかを尋ねると、ガッツリしたもをご所望だった。
ガッツリしたものとなるとやはり揚げ物だなと、1人で考えながら道を歩いて最寄りのスーパーに向かっていると2人組の女性が男性に詰め寄られていた。近くまで近づくと2人組の女性は同じ事務所所属の東堂渚ちゃんと、西音峰子ちゃんだった。どうしたのか伺うと、涙目でこちらを見てきた。相手の男性の方方に目を向けると2人に向かって話しかけていたが韓国の方のようで日本語が喋れないので身振り手振りで聞こうとしていた。
『どうしましたか?この子達は私の知り合いです。多分韓国語は話せないので代わりに私がお伺いします。』
『ありがたい。家族と旅行に来たは良いが道に迷ってしまっていて、手当たり次第に声をかけたんだが誰も話せなくて途方に暮れていたんだよ。』
話を聞いて後方の方に女性と手をつないでる子供が見えた。後輩に大丈夫だからと、不安そうに見つめる2人に微笑みかけて男性と会話を続け。駅の方面に向かいたいらしく携帯端末を持っていたため、ルートの道案内を設定してお礼を言われ『気をつけて、旅行楽しんで下さいね。』と韓国語でいうと深々と夫婦が頭を下げ、子供がバイバイと手を振っていたのを見てこちらも笑顔で手振り返した。
「何とかなって良かったね。2人とも大丈夫だった?いきなり違う言語で来られちゃうとテンパっちゃうよね。」
「ありがとうございます、ずか先輩。本当に、助かりました。」
「私達も身振り手振りで頑張ろうとしたんですけど。言語壁を突破することが出来ずに困っていたところなんです。先輩は韓国語が随分話せるんですね。驚きました。」
不安そうな表情が和らいで安心したのかため息をついていた。気持ちはわかるし、他の言語だとちょっと厳しいものがあったため韓国語で良かったとは口が裂けても言えないけど。
どうして2人がこんな場所にいるのかと言うと、ぶらぶらと買い物をしていただけらしい。で、困っていた男性に声をかけたが言語が分からず2人でどうしようか悩んでいる所に私が出くわし、助けられたということらしい。
タイミングが良かったようだ。
この後2人はどうするかを聞いたが、逆に聞き返され夕ご飯の用意をするためにスーパーに行くと言うとご一緒しますと言っていた。まあいいかと思い、鈴花かと後輩の2人は談笑しながらスーパーに向かうことになった。




