夢の途中 ep14
視点が山本佳穂に変わります。
今日は待ちに待ったメンバーでのお食事会だ。本当はずか先輩とれい先輩にも来てほしかったんだけど、急遽決まったシングルデビューで、曲と歌詞を読み込んで来ないといけなくなり何度も誘って貰ってごめんね、必ず埋め合わせするね。と、ずか先輩から丁寧メールを頂いた。
家の近場にある公園の入り口で待っていると3人の人影が見え、目を向けると最近一緒にいる人達が居た。1人は身長が155cmある茶色のショートカットな髪型の活発でボーイッシュな見た目の女の子で東堂渚通称なぎちゃんと皆で呼んでいる。
もう1人は145cmほどで胸ぐらいまでの長さがある黒髪のストレートで人形のように儚げな様子をしている。家が呉服屋で着物を着ているが外に出ると目立つためあまり着ないと言っていた。口を開けば棘のある言葉が出るが寂しい時は様子を伺ってくる姿が何とも可愛いらしい。名前は西音峰子通称みこちゃんと呼んでいる。みこちゃんになったきっかけは、名前の最初の二文字と最後の二文字だけだと本人が嫌がったため、そう呼ぶようにしている。
最後の1人は身長が157cmある肩まで金髪で顔立ちは日本人と違い話によるとハーフらしい。キックボクシングをしていたせいか、華奢に見えて筋肉が凄い子だ。筋肉が好き過ぎで、休日には開催してたらボディビルダーの大会を見に行くほどドップリとハマっている。名前は南道ニコでフルネームが長すぎて短くして登録したからニコになったと本人が言っていた。通称はそのままニコちゃん。全員が同じ19歳で今年ネット配信デビューしたばかりの新人だ。
「待った?」
「そんなことないよ。先輩とメールしてたから。先輩に声かけたけど、曲と歌詞覚えないといけないみたいで来れないって。」
「まあ、仕方がないわよ。急遽決まった話ってマネージャーが言っていたし。収録までも時間が短いって話よ。」
「それにしても佳穂はずか先輩の事好きだよな。あの歌聞いた時はしびれたけどさ。れい先輩も悪くないんだけど、力強さが足らないかな〜」
「えへへ〜。だって先輩の歌を聴いてネット配信しようって思ったんだもん。私の憧れなんだから。まさか同じ事務所に入れるなんて夢にも思わなかったんだもん。」
嬉しそうに話す佳穂の姿に呆れる3人。1人だけ熱量が違いすぎて暴走する。その結果、機材を壊した事がある事は記憶に新しい3人は苦笑するしかない。
「それより佳穂ちゃん家ってどこら変なの?ここらに着たことなかったから知らないけどさ。物価高そうだよね。」
「ここらは高級住宅街ですよ。去年出来た高層マンションなんかも群を抜いて高いと親から聞いています。」
「佳穂、どこにあるの?こっから遠いの?」
「遠くないよ。1番近い公園に来たんだもん。家はあのマンションだよ。一応最上階だね。」
佳穂が指さした先を追っていき見ると高層なマンション。それも高級に分類されるだろう建物に3人は唖然とした。歩き出した佳穂の後を追うように3人は続いて玄関ホールに消えていった。




