夢の途中 ep11
3カ月ぶりぐらいに社長を見たが44歳を超えてるようには見えない若々しく身長も180後半(本人の自己申告)でガタイが良くて少し顔が強面だが髭を綺麗に剃ってスーツに身を包んでいる姿は、敏腕な感じに見える。蓋を開けると酷い事が度々あるけど。
「久しぶりだね。どう?最近変わらない・・・・いや、それはないか。今私たちの現状がガラリと変わりつつあるからね。」
社長の言葉に頷く私達には、聞かなければいけないことがある。
「社長、何でカメレオンさんから楽曲提供があったんですか?なにより接点がないですよね?確かカメレオンさんって仕事の合間に曲の制作をしているって昔の配信で話していたんですけど。」
「そもそもね、僕の考えではあるんだけど。最初は2人のデュエット曲をと思っていたんだ。ずかちゃんの力強い張りのある歌声に、透明感のある声色つかいこなすれいちゃんの歌。ハモると綺麗に聞こえ臨場感ある歌に仕上がる。いつだったかの配信で交互にキー曲をぶっつけで変えてたでしょ?あのくらいのインパクトが欲しいと思っていたんだ、そうすれば土台は今よりは盤石になるしね」
社長が言っているのは1年前くらいに配信した歌枠で、リスナーに歌い方を募集した所、交互に高低差変えて歌ってみてと言われたのが始まりでやってるうちに楽しくなってノリノリで歌った所、今ソプラノがどちらかが分からないと言われた事がある。あの時は知ってる曲で何度も2人で練習したから出来ただけなのだけど。
「社長の言ってる言葉はわかりますが、まずはシングルを出してからでも遅くはないと思いますよ。」
「現状、泣かず飛ばずの雛鳥だけどね〜。」
れいちゃんの言葉に新井さんは叱責するも社長がそれを止めた。自分の自己満足のせいで曲デビューが長引いてしまったのは否めない。本当に申し訳なかったと頭を下げて謝ってれいちゃんも気にしてないので「大丈夫です。」と言っている。
「それで社長は私達をデュエットではなくまずはシングルで売り出そうと決断したんですか?」
私の言葉を聴いて社長は嬉しそうに話し始めた。何でもデュエットで奮闘していたが提供された楽曲にピンとくるものがなかった。悩んでいた時に1年前ぐらいにカメレオンさんから連絡をもらってやりとりをしていたが煮え切らない社長の態度に、カメレオンさんが急遽凸をしてきたらしい。
「バレない変装で向かいますと言われて、いざ会ってみると清掃作業員に扮して来るとは夢にも思わなかったよ。」
社長の言葉を聴いて驚愕した。まさかカメレオンさんに会っていたなんて感激していると新井さんが「何か失礼な事していませんよね?」と社長に問い質すと明らかに目が泳いだ。絶対何かしたなこれ。
「先方に何をしたんですか!?」
「えっと〜、その〜・・・お茶を提供しようとして先方の顔面にこぼしました。」
「ぶっふぉあ!!」
社長の話しを聞きながらお茶を飲んでいたれいちゃんが盛大にお茶を噴出した。




