夢の途中 ep1
パソコンのあるテーブルの前に1人の女性が椅子に座りながら、ゲームのコントローラー持って画面に向かって1人語りかけていた。
「今日の配信はここまでになりますね。次やる時にはもう少しプレイヤースキルを磨いてきますね。ではでは、次回の配信を行う日は告知しますね~~。ばいば~い」
画面の向こうにはこちらに向かってばいばいとコメントが流れているのを見ながら配信を終了しゲーム音を聴いていたヘッドホンをテーブルに置いてあるスタンドに置き、マイクの電源を切ってコントローラーをテーブルの上に置いた。
「ふう~」
一息つき、髪を束ねていたゴムを取り腰まである髪をすいていく。肩を回しパソコンの電源切って椅子から立ち上がり両手を天井に伸ばし、腰をひねりながら今日の配信の内容を考えていた。見た目は二重でくっきりな目が目立ち、身長は165㎝はあるかと思われるほど身長が高く出るとこは出ていて引っ込んでいる所は引き締まった身体をしていた。
「んん~~~っと、今日の配信終了。明日はボイトレとミーティングか~。」
明日の予定を思い出しながら私、大美鈴花は床に座りながらストレッチをしていた。ここ最近歌の投稿が中々出来なくなってきていたから明日のボイトレで鬱憤を発散しよっと。そんなことを考えているとドアをたたく音が聞こえ、返事をすると入ってきたのは身長が150㎝しかない少女と間違えそうな見た目の女性だった。
「ずかちゃん、今日の配信おわたん?」
「終わったよ~れいちゃん。でもあのゲームなに?凄く難しかったんだけど!」
今日のゲームはおすすめと言ってどや顔で出してきた張本人。菊池礼奈通称れいちゃんに抗議の意味で睨むと本人はどこ吹く風のごとくそっぽ向いた。
「だってずかちゃんがホラーはあまりやりたくないって言うから、比較的難しくても内容が濃い題材の物を出したじゃない。あたしがホラーやっても悲鳴上げないからつまらないってこの間配信で言われるんだもん」
クリっとした目に頬を膨らませる姿は同じ27歳には到底見えない礼奈に少し鈴花は羨ましくも、ホラーゲームが大の苦手な鈴花にとっては勧めてくれたゲームをありがたく思っていた。礼奈とは高校の頃からの友達で二人でネット配信を始めてから試行錯誤しながらここまで来れた。弱小ではあるものの企業所属し少量ではあるがお金も入り何とか食いつないで今まで来れた。
「それよりさ、ずかちゃんお腹すいたよ~。何か作ってよ~。」
「え?スコーン作って置いてあったでしょ。」
「そんなのもうないよ~。それにそろそろ夕ご飯じゃん、何か作ってよ~~。」