*Twitter*【#140字小説】No.261~270
No.261【#最期の最後まで】
私…いい加減、手放さなきゃいけなかったのね。「ねぇ!彼氏めっちゃイケメンじゃん!?」優越感を感じた日々。「他の女の子と一緒にいるの見たよ。」劣等感を感じた日々。そのどちらも失くした日を私の心は拒絶した。君が灰になるのを逃げずに拾い上げ見届けてたら、こんなに引きずらなかったのかな…
No.262【#なぜ歯車は狂った】
同居の弟嫁が臨月で帰省し、朝起きてきねぇ弟を起こすよう母親に言われ「なんで俺が?」文句言いつつ弟の部屋へ。まだ寝てやがる。「おい起きろ!」揺すった身体が冷たい。花粉症と思ったらインフルで、薬の飲み間違えが全身に回り死に至った。おまえ父親になるんだろ。俺が身代わりになってやりたい…
No.263【#誰のせいでもない】
昔は線路に入るなんて簡単だったんだよ。ガキの頃は、それも遊びの1つで「ついてくんな」言っても弟がつきまとってた。あの日、俺の目の前で弟は電車に溶けた。一瞬だったよ。親に散々責められた。そんなん、俺が1番悔やんでるよ…今でも。俺のせいで。お兄ちゃんなのに…守ってやれなくて、ごめんな…
No.264【#はい】
私の婆ちゃんは凄く強い人でした。そして「後悔ばっかり。」悩んでウジウジな孫の私に、共感して本気で話してくれる人でした。「明日死ぬと思って生きろ。」丹田を掴まれるような迫力だった。「そして、大切な人がいるなら、明日この人は死ぬと思って気持ちを伝えるの。後悔ほどバカなことはないよ。」
No.265【#しっかり】
仕事が、はかどらない。私のパソコンの時計、壊れてる?一分が永遠に感じる。仕事が進まない…私のパソコンマウス、壊れてる?矢印がフリーズ。私の思考もフリーズ。動いてるのは…温泉まんじゅう持つ右手だけ。…そりゃパソコンも反応しないわな!こりゃ、疲れてるわ。お土産、丁度良い糖分補給です。
No.266【#欲】
「10代の頃は、とにかくガムシャラに。20代は、選ぶようにしてた。そして30代の今、ヤリたいのは君だけだ。俺と付き合ってくれ!」そう口説いたら「却下。」即答で断られた。「ついに俺も40代になり、もはや性欲も制欲できるようになったわけだが、今夜どう?」「却下。」末永くよろしくな、俺の奥様。
No.267【#めでたい日】
「10代の頃は、子供扱いするなと思ってた。ハタチになり、ますます大人な気分でいた。20代は5歳ごとに曲がり角と言うけど本当だった。そして30代、社会人やめたいと思い、40歳になりました。今は、そうだな…人間やめたいと願う。そんな、誕生日です。」ふぅ。「娘さん、私は…母親やめたい。」なぬ?
No.268【#スクリームソーダ】
「キャー!イヤー!」いつもの絶叫。ドアノブの手が躊躇うが、真顔の隙に侵入だ。震える指先に連動し、グラスの氷がカラコオリンと音をたてる。ドアを出た途端「うわぁー!」再開の叫びを背中に浴び、今日もクリームソーダを運び終えました。歌わず叫ぶ客とか危なすぎるし出禁にしましょう、ね?店長。
No.269【#スタイル】
身体のケアは大切。眼球を傷つけないよう、なるべくコンタクトよりメガネ。肌に触れるのも気を使って綿の下着やシャツ。内蔵を冷やさないよう温かい茶を飲んで腹巻き。メガネ、ババシャツ、腹巻き…なるほど、昭和のお父さんは利にかなっていたね。茶は熱いに限る、令和の干物です。ちゃぶ台買うかな。
No.270【#悪阻】
吐き気、食欲不振、倦怠感、脱水状態…全部当てはまる。ついでにお腹の膨らみも目立つようになってきた。「米が炊ける匂いって、本当にウッてなるのよ。」嫁が辛そうだ。「逆流性食道炎て、おっさんがなるものだと思ってた。」「性格も生活もおっさんやん。」「女だよ!」「だから性別は関係ねぇよ。」