星月夜
秋のはじめに書きかけて放っておいた詩を、今頃、仕上げてしまいました。少し、季節感が違いますが、ご容赦ください。
星が綺麗な夜だから そぞろ歩きに行きましょう
月が遅れるこの頃は 星を追うのにちょうど良く
明かりを持たぬ夜道でも
星を見上げてゆく限り 空には道が続きます
夕べの雲の名残さえ すぐに、ほどけてゆくでしょう
悩みを雲にあずけたら もしや、消えてもゆくでしょう
だから、あなたと二人して
あなたのこころ聴きながら 夜道をそっと行きましょう
林を抜けて、川沿いの 水の流れは静かでも
時折、岩を落ちるから 不思議に旋律刻みます
合わせるように、手をつなぎ
踊るようにも軽やかに 星の夜道をゆきましょう
芒の原は、虫たちの 音色に満ちているでしょう
渡る風さえ、優しくて 消し去ることはないでしょう
石に腰かけ、虫たちの 詩のまにまに ふたりして
遠い未来を語りましょう
互いの肌のぬくもりを 分け与えては、いつまでも
星を見上げて 過ごしましょう
田舎あるあるで、林が左右に迫った道などは、外灯はないし、光は差し込まないしで、夜になるとすごく暗いのですが、目はそれなりに慣れますし、空を見上げると林の間から道なりに空が見えます。「空には道が」や「星の夜道」とは、そういうイメージです。