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ゆきの中のあかり②  作者: 汪海妹
7/18

生き残った意味

(塔子)

お腹が大きくなる前にと言って、ハイスピードで準備が進められ、12月に清一となっちゃんが結婚した。新婚旅行へ行って、帰って来て、どのぐらい経った頃だろう?たしか、まだ桜には早い季節。千夏ちゃんが生まれる前だったから。清一が結婚式のときに借りたお金を返すと言って家へ来た。

「ああ、あれは返さないでいいわよ。」

「どうして?」

ラッキーが清一の足元へ行って体を擦り付けている。息子のことは覚えているらしい。

「もともとそのつもりだったのよ。」

「でも、老後資金なんじゃないの?」

「返せと言って貸さないとあなたなんだかんだ言って断るでしょ。」

ある程度清一に愛想をふったあとで、ラッキーがわたしのところへ戻ってくる。片手で頭をなでてやる。

「そして、指輪も式も新婚旅行も後回しにして、籍だけ入れて済ませると思ったのよ。それじゃ、なっちゃんがかわいそうよ。何事もはじめが肝心だからね。」

「前から思ってたけど、母さんってなつに優しいね。」

う~ん、まぁ、たしかに。

「鈍感な息子の横で何年もがんばっているの見てたからね。」

「鈍感って……」

わたしも鈍感って言われるけどさ。あんたも結構なものだったわよ、と思う。

「なんか、けなげな子って結構好きなの。あなたに合ってると思うわよ。ああいうまっすぐに一生懸命な子って。」

自分が褒められてるみたいに照れてた。清一。

「なかなか暖かくならないわね。」

外をそっと覗いた。清一はソファーに座ったままで、黙ってじっとわたしを見ていた。真面目な顔をして、そして、困ったような顔をして。どうしたのだろう?と思う。いつもと様子が違った。

「清一、何かほかに話があるから、来たんでしょう?」

そう言った。

「顔見てたらわかるわ。」

清一は顔をあげてじっとわたしを見た。


「今、心療内科の治療受けてるんだ。愛着障害って診断された。」


その言葉を聞くまでわたしは、息子が心の問題を抱えていることに気が付いていなかった。これっぽっちも。

そばにいたのに。自分自身も以前、心療内科に通っていたのに。

自分がしたことが長い時間をめぐって、清一の中に残っている。

表面上は幸せそうに見える、この子の中にわたしは傷跡を残していたのか。


「わたしをどなりつけたり、なぐったりしてもいいわよ。」

「そういうことがしたくて来たんじゃないよ。それに生まれ変わりでもしなきゃ僕は人をどなりつけたり、なぐったりできないと思うよ。」

いつもの清一だった。穏やかな。

「何があって母さんは僕を、生まれたばかりの僕の世話ができなかったのか、自分の耳で母さんの口から聞きたかったんだよ。」


初めて聞かれた。少しずつ少しずつ古くなった記憶。

でも、ずっと心の中にしこりのように残っていたこと。

この子に直接聞かれたのは、初めてだった。

ちょっと前に拓也さんと話したことを思い出す。

清一は変わった。前向きになった。

そう、強くなった。

ふいに大地君のことを思い出す。そう、あの子ももがいている。お兄さんに会える自分になろうと。

ああ、自分はなんて馬鹿なんだろう。

自分のそれこそ息子が、やはり、もがいていたのに。自分のそばで。

そして、今、わたしに向き合っている。


「それは、今まで聞きたがったことないのにそれをきくのは、近くあなたが父親になることと関係してるの?」

息子は頷いた。

「自分が親になる前に心を整理しておきたくて。」

どこまで、話すべきか。

ふと外を見る。

雪子さんと拓也さんがしてくれたことを、きちんと教えたい。

それだけぽつんと思った。

「あなたには聞く権利がある。ただ、言っとくけど、1ミリも面白い話じゃないわよ。」

「うん。」

時間が経っているけれど、それでも、当時のことを思い出すのは、辛い。あの、2度目に一人ぼっちになったとき。絶望した。どん底に落ちたとき。

最愛の人を失ったとき。

「わたしの話を聞いて、もっとひどくなることはないの?あなたのその……」

「愛着障害?」

頷いて見せる。

「わからないけど、お医者さんには、母さんと直接話すことを勧められてる。」

わたしは深く息を吸った。軽く目を閉じて、昔に自分の意識を飛ばす。今となっては20年以上にもなった昔。ところどころ抜け落ちる記憶。

「母さんが、父さんの前に別の人と結婚していて、その人を亡くしてる話は聞いたことがあるの?」

「それは、父さんに聞いたけど。」

「その人が亡くなった瞬間にね、わたしも一緒にいたのよ。」

つらくて、直接思い出すことができず、だけど忘れずにいたあの瞬間のこと。

「あの人が運転した車で一緒に事故にあって、彼は死んでわたしだけが生き残ったの。」

なぜだろう?今日はあの日の朝にあの人がわたしに声をかける様子すら思い浮かんだ。いつもみたいににこにこしながら。最近忙しかったから久しぶりのおでかけだねって。嬉しそうにわたしの手をひっぱって、助手席にのせて。あの頃、柊二君、笑顔以外の表情を忘れてしまったんじゃないかってくらい、毎日にこにこしてた。きっとその横にいたわたしも、同じくらいにこにこしてた。2人とも馬鹿みたいに。幸せで。毎日。信じられないくらいに。

「海沿いのきりたった崖に沿った曲がりくねった道で、前方から居眠りのトラックが突然とびでてきて、警察の人の話によると普通は人間はとっさに自分が避けるようにハンドルをきるんだそうで、あの場面では右にきるのが普通なんだって。」

事務的にたんたんと仕事をこなしていった刑事の様子をぼんやりと思い浮かべる。

「でも、トラックは大きかったからそれだと助手席にいたわたしは避けきれずに即死だったろうって。彼はその場面でハンドルを左へきったのよ。」

奥様のことを守られたんでしょうね、なんて、無神経なことを言われた。喜ぶとでも思ってたのか。

「トラックがぶつかって、二人一緒に崖から海へ落ちた。ただ、もうすごい衝撃で、しばらくして気づいたら、水がどんどん車に入って来てて、無我夢中でシートベルトはずして、ドアあけて、彼の方をみたら血を流して気絶していて」

映像が、浮かんでしまった。大好きな柊二君がすぐ近くで頭から血を流して気絶してて、もし、意識があれば、あの時柊二君に意識があれば、なんとか車外に出られれば、助かったのかもしれない。それなのに、わたしは自分だけ車外に出てしまった。

「彼のベルトをはずしてひきずりだそうとしたんだけど、すごい勢いで水が流れ込んできて、なにがなんだかわからないうちに母さんだけが外に押し出されてた。彼をのせた車が沈んでいくのを見た気がした。」


どうしてあそこで一緒に死んでしまわなかったのか?

わたしが生き残った意味ってなに?

何度も思った。


「そこらへんからもう、記憶は曖昧でね。それから、次、気が付いたときはもう病院のベッドの上でね。一週間ぐらい昏睡状態だったのかしらね。彼のお葬式やお通夜は終わっちゃってたのよ。彼、もう、灰になってしまってた。」

退院してから、少し落ち着いてから、拓也さんに連れられてお焼香に行った。柊二君のご実家に。いつもは温かく迎えてくれたお義母さんに、どうしてあの時、助けてくれなかったのかと言われた。お義母さん、人が変わってしまったみたいになっていて、そこでも言われた。わたしと結婚したせいで、柊二君が死んだって。拓也さんが血相変えて、おばさんそれは違うと言って、お義母さんに続けて何か言おうとするのを止めた。それから一度も会ってない。今は元気にしているのだろうか。

柊二君の血を分けた子供がいるということは言えてなかった。

そのことが誰を喜ばし、誰を傷つけるのかわからない。ただ、周りからいろいろと予想のつかない言葉をかけられることに、あの頃、正直、拓也さんもわたしも参っていて。結果からいって、これでよかったのだと思う。

だってわたしたちが守りたかったのは、柊二君のご家族じゃない。

清一だったから。

「その後いろいろあって、わたし、手首を切ってしまったの。一回目の自殺未遂。父さんが見つけて助けてくれて、そのときに言われたのよ。『柊二が死んだのは塔子さんのせいじゃない。でも、あなたが自殺をしてお腹の子が死んだら、それはあなたのせいだし、あなたは人を殺したことになる。よく考えてよ。その子は柊二の子なんだよ。柊二がそんなことを望むと思う?あなたに生きてほしくてハンドルを左にきったのに。そのあなたとお腹の子に死んでほしいなんて、あいつが思うわけないじゃないか。』って。」

清一がぽかんとした。ぽかんとした顔でわたしを見ている。ああ、やっぱりこの子、全然しらなかったんだなぁ。気づいてもいなかったのね。

「母さん、今、なんて言ったの?」

「清一、あなた、父さんの実子じゃないの。」

「え?」

「事故で死んだ彼と母さんの子供なのよ。」

「冗談でしょ?」

ちょっとあきれる。

「こんなことで冗談いうわけないでしょ。」

「だって、誰も一度も……。」

「かたく口止めされてたからね。父さんに。」

大人になって清一がきちんと事実を受け止められるようになるまでは、言わないでおこうと言われてた。

「清一、あなた自分の顔とか体とかどこか父さんに似ているって思うところある?」

「でも、それは僕が母さんに似たからじゃ。」

「どんなにどっちかに偏って似ていてもね、やっぱりちょっとした部分がもう片方にも似ているものよ。足とか指の形とか耳とかね。」

しばらく何も言えずにいた。清一。

「知らなかった。」

「教えてこなかったからね。」

手持無沙汰に思えて、かばんの中からライターとたばこを取り出した。一本くわえて吸い込むと、煙を吐き出した。

「こんなこと聞いたら、あなたほんとにもっとひどくなっちゃうんじゃないの?」

「……どうだろう?でも、ここまで聞いちゃって最後まで聞かないってありえない気がするけど。」

ため息が出た。

「わたしを生かすために彼が死んだっていうのが、わたしが彼を殺したっていうふうに思えて、ただそれがもうつらくてしかたなかった。ただもう、彼のところへ行きたかったのよ。でも、あなたがお腹にいたから、やっぱりすぐにはね、死ねなかったわ。父さんが言ってたことは正しいわよ。あなたは、関係ないものね。」

「僕のこと恨んだ?いなければ死ねたのにって。」

わたしは清一を見た。

「清一そうじゃないの。あなたがいたからじゃないのよ。ほんとは母さん死にたくなんてちっともなかった。ずっとそうだった。」

死ななければならないと思ってた。柊二君のとこへ行かなければならないと。でも、ほんとのほんとのところでは、わたしは死にたくはなかったんだと思う。

「あなたがいたから理由ができただけ。それを認めるのにただ時間がかかってしまっただけ。自分が彼が死んでも生きたがっていることが認められなかったのよ。死んでしまった彼に申し訳なくってそれで何もできなくなってた。あなたを抱っこしたりとかそういう母親としての普通のこともね。」

「おばあちゃんも知っていたのかな?僕が父さんの子じゃないってこと。」

「直接聞いたことないけど、知ってたんじゃないかしら。自分の手で父さんのこと育てたんだから、ちっとも似たとこがないってあなたの世話してたら気が付くと思うのよね。」

「それでもあんなに僕によくしてくれたんだ。」

「父さんはね、自分の血を分けた子は要らないって言ったわ。何度か話し合ったけど。清一の下に自分の血を分けた子供ができたら、どうしたってその子のほうがかわいく思えるに違いないからって。そうしたら清一がかわいそうだからって言ったのよ。まぁ、ずいぶん遅くなってやっと自分の子を持ったけどね。」

「そうだったの?」

「そうよ。あなた、愛されて育ってるのよ。すごく。」

母親はともかく、おばあちゃんとお父さんに。

「父さんは、どうしてそんなことできたんだろう?他の男の子供を育てるなんて。」

「父さんは、柊二さんといい友達だったのよ。大事な友達の残したものを守る気持ちもあったんだと思うわ。」

「僕にはできない、そんなこと。」

「しなくてもいいわよ。」

責任のための結婚なんて、しなくていい。ずいぶん長くしばりつけてしまった。

「女ってね。嫌いじゃない男とは結婚できるのよ。でも、好きな男と嫌いじゃない男の間には大きな差があるの。」

柊二君の面影を抱きながら、拓也さんに甘えた。これもわたしの罪だ。

「父さんがいないとわたしもあなたも生きていけなかったから、すごく感謝している。だけど、だから好きになるわけじゃない。結構罪悪感があったのよ、ずっと。だからね。正直、父さんに他に女の人がいて、子供が生まれるって聞いてほんとほっとしたのよ。やっとこの人は報われないことから自由になって自分の幸せを探し始めてくれたってね。」

そう言って笑った。

ずいぶん長い間、わたしは贅沢に片手で柊二君の手を取りながら、もう片手で拓也さんの手を取っていたのだと思う。それが幸せだった。だけど、つきあわせてしまってた。

最後に拓也さんがその手を離して、それで、よかったんだ。

わたしにとっての柊二君が拓也さんに見つかったのだから。

「肩の荷が下りたわ。あなたも結婚したしね。」

「それで、また死ぬなんて言わないよね?」

清一がそういってわたしを見た。その顔は、あれだった。わたしが二度目の自殺未遂をして退院して戻ってきたときに見せた子供の頃と同じあの心配そうな顔をしていた。

驚いた。

この子はまだ、そんな心配をする。やっぱりそんなに怖い思いをさせたんだって。こんなに時間が経って、そして、わたしはこんなに元気になった、でも、清一の胸の中には、わたしが死のうとした姿が鮮明に焼き付いてしまっていたのかもしれない。

「やあね、母さんは生きてきて今がいちばん楽しいんだから、勝手に殺さないでよ。」

そう言って笑って見せた。

死ぬわけがない。

清一となっちゃんの子が生まれるのに、顔を見ないで。

大地君とお兄さんが仲直りするかどうかを見ずに。

タケコさんやスミレちゃんと働いてて楽しいのに。

やっと心の重荷から解放され始めたのに。

柊二君のことを胸を痛ませずに思い出せるようになってきたのに。

またこりずに周りを傷つけるようなことするか?いやしない。

する意味がない。


「本当にもう、男作らないの?」

この子は、ほんとに。暇さえあればこんなこという、

「母親に向かってなんて口きくの?前も言ったでしょ。くどい子ね。わたしはラッキーがいればいいの。」

「ラッキーはめすだけどね。」

「さあ、もうぐずぐずしないで帰んなさい。なっちゃん、一人で寂しがってるわよ。」

ラッキーの散歩に出ると、清一もついてくる。2人と一匹で土手沿いを歩く。

「なんでラッキーって名前にしたの?」

「なんか昔アニメでそんな名前の犬が出てくるの、あったじゃない?真似したのよ。それに幸運ってなんかいいじゃない?」

わたしの人生と真逆なんだけどね。ま、でも、これから近くなる。きっと。

「母さんの人生って映画やドラマみたい。」

何を思ってか息子がそんなことを言う。

「馬鹿ね。映画みたいな人生なんてろくな人生じゃないわよ。映画やドラマなんて見るものであって、中に入り込むものじゃない。本気でタイムマシンがあればいいのにと狂ったように思う人生なんて最低よ。」

息子には味わってほしくない。最愛の人を亡くすなんて経験。

平凡に二人で年を取ってほしい。今の二人の笑顔のままでちょっとずつ皺を増やして。

「人生は平凡が一番。大切なのはその平凡な幸せがたくさんの奇跡の上に成り立っていると感じながら生きることなのよ。」


柊二君が死なないで、自分のそばにいて、二人で年を取る。それはわたしにとっては奇跡。わたしだから分かる。きっと失ったことのない人にはわからない。


「奇跡の上に成り立つ平凡な幸せ?」

「そういうのが実感できない人が、ばかげたあやまちをおかすものよ。」

「例えば奥さんがいるのに浮気をしちゃうとか?」

「あなたも十分気をつけなさいよ。」


なっちゃんが生きていて、そばにいて、一緒に年を取る。

そのことがどれだけありがたいことか、感謝しながら生きていってほしい。


ラッキーの首から紐を外す。ラッキーははしゃぎながら川べりの草地を走り回る。土手の上の草の上に直に腰をおろして二人でそれを見守る。

「俺とその人って似てるの?」

息子の顔をじっと見た。わたしに似た顔。

「顔は似てないけど、背格好はそっくりよ。後ろ姿を見たら本人かと思うくらい。」

「ほんと?」

息子は立ち上がってわたしに背中を見せた。

「どう?やっぱり似ている?」

ふいに、そのとき、柊二君が帰ってきた気がした。

塔子さんと振り向いてわたしに笑いかける気がした。


ひとりにしちゃってごめんなさい。

僕たちの子をちゃんと育ててくれてありがとう。

拓也にもちゃんとお礼を言わないとね。


どうしてだろう?こんなに長い時間会ってなくて、声も聴いてなくて、わたしはあの人の記憶をどんどん失って、それなのに、今日はこんなに身近に感じる。あの人が死んだときのことをくっきりと思い出して語ったせいだろうか?

それとも、この子に初めて柊二君がお父さんだって言った日だから、柊二君もわたしのそばにいて、今日わたしたちの話を聞いていたのだろうか。

柊二君に会いたい。

幽霊でもいいから、顔を見たい。話したい。


清一が振り向いて驚いた顔をした。

「ごめん。ちょっとふざけちゃったかな。」

「大丈夫よ。」

「こんなに時間たっても……」

「忘れられないわね。」

こんなにまだ強く自分の胸の中に想いが残っていたことに驚かされた。

「おかしいなぁって思うわよ、自分でも。世の中にはたくさん男の人がいるし、もうこんなに何年も経ってるのにどうして忘れられないのか、頭でいっぱい考えたけど、その理由はわからない。だから、理屈じゃないのよね。こういうのって。」

柊二君ほどにわたしを幸せにする人は、やっぱりいないのだと思う。

「母さん……」

「なに?」

「俺、今日なんかすごいいろいろ聞いてびっくりしたけど。」

「うん。」

「その、俺にとってはやっぱり父さんは父さんだから、今日聞いたことは聞かなかったふりをして今まで通り暮らしていってもいいかな?」

「好きにしなさい。」

じゃあ、わたしも言わなかったふりをしよう。

「母さんが、ずっと秘密にしてきたことを今日話したかったのは、ただ、父さんがどれだけあなたを大切に思ってきたかを教えたかっただけだから、新しい子供が生まれたけど、今まで通り、というか、今までしてもらったことを感謝して、彼が死ぬまで彼の子供として親孝行してくれない?わたしが言うのもなんだけど。」

「……うん。約束するよ。」


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