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第一章 4

「教祖沢上が、第一庁舎に用件があり伺いました」

「よろしければ、担当者の方に連絡しておきましょうか?」

「いえ、私用になりますので、お気遣いは結構です」

「かしこまりました、第一庁舎の駐車場は、ここから2つ目の交差点を右に曲がった第一庁舎前になります」

「分かりました」

「その他に、なにか疑問点などはございますか?」

「空港の方にも立ち寄りたいと思うのですが、そのまま行っても大丈夫ですか?」

「まだ、空港の方は政府より緊急防衛令が出されていますので、あっそうだ! いま、空港の方にも行けるように入港証を作成いたしますので、空港に行かれる際に恐れ入りますが、またこちらに立ち寄っていただければと思います。空港には徒歩のほうが便利ですので、駐車場から歩いてこちらまで立ち寄りの方お願い致します」

「分かりました」


正検問所を無事通過して、車を転がして、駐車場につける。


「教祖。到着いたしました」

「ありがとう。私は今から府政部の方に行ってくるから、もし何かあれば、そこの方に連絡をしてね」

「大体何時頃に戻って来られますか?」

「2時間後ぐらいかな? 会議にはそれぐらいで間に合うかな?」

「大丈夫です」

「分かった。では、行ってくるね。君も羽を伸ばすといいよ、来週は色々忙しいと思うしね」

「お気遣いありがとうございます。では、2時間後にこちらでお待ちしています」


教祖は、そのまま第一庁舎の中に一人で入っていった。


「さてと……空港で飯でも食べてくるか。朝飯も食べてなかったからなぁ」


車で来た道を歩いて戻り、正検問所へ戻る。


「あっ! お待ちしていました。空港に行かれるのですか?」

「はい。私だけなので、一枚だけお願いします」

「かしこまりました。……どうぞ!」


正検問所の職員から、入港証をもらう。入港証にはきれいな日の丸が薄っすらと描かれている。


「時に、先程車の後ろに乗られていた方は、沢上様でしょうか?」

「まぁ……そうですが」

「本当ですか! 私、帰一教会の厚木中央支部に加盟しておりまして、いやぁ、こんなところで沢上様を間近で見られとは、夢のようです」

「それはそれは」

「今は、沢上様は第一庁舎の中におられるのですか?」

「そうですね」

「分かりました! しっかりと警備しておりますので、沢上様のことはお任せ下さい!」

「ははっ、よろしくおねがいしますね」


元気な人だ。


空港はここから5分とかからずに着くことができ、詰所に出向き、入港証を見せて、入ることができた。


「ここが厚木空港か……」


元々、軍用基地だった面影がなく、戦前の民間空港のような出で立ちをしている。しかし、厚木空港の看板碑には国営厚木国際空港と書かれており、民間ではないことがしっかりと分かる。


ターミナルの中に入ると、なんともまぁ広々とした空間がどこまでも広がっており、今まで私が赴いたことがあるどんな場所よりも、通路、空間が広がっていた。ターミナルの構造は地上6階、地下3街建てであり、レストラン街というのが、最上階の6階にあり、とりあえずはそこを目指すことにした。


エスカレーターというものは初めて乗ったが、慣れてしまえば非常に便利なものだ。


6階に着き、レストラン街の店一覧を眺めてみる。


「洋食、和食、中華……ただ、あっさりしたものも食べたいなぁ……おっ、うどんもある。うーん、どれにしようか……」


一覧の前で、長考をしていると、なんだか叫び声が聞こえた


「……!」「……!」「……!」


何度も何度も聞こえてきて、流石にその叫び声の方向に顔を向けると、何やら走ってくる人物がいた


「せんぱーい! おひさしぶりでーす!」


なんとも不吉な声で、なんとも不吉な顔をして走ってくる。この姿を見るのは一年ぶりだろうか?


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