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プロローグ 2

そこで政府は、計画を順調に進めるべく、帰一教会の支配力を弱めることを考えた。だが、無政府状態であるこの国に、政府の指示通りに動くような人間は国家公務員以外存在しない。

 だからこそ、帰一教会内部から支配力を削り、帰一教会の支配層を政府へと移行させようとしたのだ。

 日本には現在、政府の支配下に外務協議省、中央国務省、防務省、法務省、政務調査省、陸運省の6つの省が存在する。外務協議省は諸外国との交渉及び連携を政府レベルで行い、中央国務省は形だけの都道府県自治台に対しての交渉、連携を行い、防務省は軍事的な計画を行う。ただし、防務省は正式な軍を持っておらず、日本国に現在存在するいくつかの私設軍隊に対して、計画遂行のための要請や、指示、また私設軍隊同士の緩衝役を担っている。

 法務省は、臨時憲法に乗っ取り法案を国会へと提案し、形だけの国家の平定を務めている。陸運省は、現存する鉄道などの交通機関の管理、郵便や宅配、流通等に対して運営を行っている。

 そして、政務調査省は、日本国及び諸外国の内政調査を行う機関として存在する。

 政務調査省の中には外局としていくつかの機関が存在するが、その中でも国務捜査局は国内の情報を収集する機関として知られている。

 そして、私が、国務捜査局に所属している平田修である。役職は第一捜査官である。


 国務捜査局は今はもっぱら、帰一協会に関して調べている。 


 国務捜査局は、内閣の首長である内閣総理大臣の命令を受け、捜査を行う。つまり、政府は帰一教会に対しての情報に関して強い関心を寄せているのだ。

 そして、私に対して特命で命じられたのが帰一教会への侵入、そして帰一教会の長である

沢上英雄に対しての調査及び支配構造の調査分析である。

 3年前、私が27の時に特命が下り、私は初めて帰一教会へと足へ踏み入れた。当初は命令の通り、調査等を行うとともに、沢上英雄へと接近するために、いわゆる修行というものに挑戦をしていた。

 

 今現在、私は沢上英雄に対して敬語や世話を焼く、内務班というものに所属している。

 階級も当初のものよりも遥かに上のものである。

 そして私は気づいたのだ。

 帰一教会の考えというのは、政府の考える計画よりも素晴らしく、正当なもので、私が行おうとしていたことがどれ程お粗末であったのかを。

 しかし、私は何も国務捜査局での任を忘れたわけではない。しっかりと、調査をした情報を報告をしている。


 虚偽を交えて。


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