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プロローグ

書きたくなったから書きました。

勉強とかマジ無理。


後悔は……あんまりしてない。


どうぞ宜しくお願いします。

【GREEDY WORLD ONLINE】


それはたった20年で世界最大の売上を叩き出した企業【Aroma Candle Night】が売り出す新型VRMMOだ。


この企業は日本の現役高校生達が主体となって興したものだ。その高校生は全員モデルや俳優と言った芸能業もしており、そのギャラで自分達の芸能事務所を立ち上げ、同年代の逸材を探し出して同事務所に加え、中高生による芸能界の黄金時代をもたらした。


そして高校卒業後新たにハーブや果樹を主体とした自然派食品の会社を立ち上げた。

この会社は彼らの趣味であったそうだ。そして彼らが成人する頃には自然派のワインを大々的に売り出した。

これが大きな波を呼んだ。

美男美女の人気芸能人達が造るワインとしてメディアが取り上げたのは勿論だとしても、趣味で食品会社を興す彼らは収入の殆どを事務所経営と食事に当てていた。そんな彼らの舌は確かだった。

製造者の容姿の話題性もあったが、それ以上に素晴らしいワインの出来に日本の食通達は息を飲んだ。 同時に会社の知名度は急上昇して果樹やハーブ関連の元々の製品も飛ぶように売れた。 そして勢いそのままに海外に進出を果たした。元から品質は高くやや上流階級向けの高級食品、嗜好品の代名詞となるまで時間はかからなかった。


その後も趣味という名目で服飾ブランドやジュエリー等を売り出し、その全てで成功を収めている。さらには大規模な孤児院を建設して、国籍も年齢すら曖昧な子供も受け入れたりと慈善事業にも意欲的に取り組んでいる。

様々な業種に手を出し、そのすべてを成功させる、これはもちろん各方面の優秀な人材を確保しているためであるし、孤児院で高度な教育を施し、その中でも優秀な子供が会社に就職しているという噂話もある。

しかしながら芸能事務所と食品会社をツートップとする親子関連会社の総正社員数は5000人にも満たない。これは別に非正規雇用者が多いとかいう訳では無い。 個人個人が多才でいくつかの専門業務をこなせる。

そして何より最初の事務所を立ち上げた最古参のメンバーが正に何でもできる人間達だったからだ。


これ程話題性に富んだ会社だが、そのあ内情はあまり知られていない。

数年前に世界一の売上をあげる企業にまで急速に上り詰めたことや、社員が綺麗所ばかりなことは知られているが、トップが元々芸名だったり、孤児がいたりするため、ワークネームと言って社員が好きな名前を名乗っていたりする。それほどイレギュラーな会社だ。そのせいで度々悪質な噂が流れることがあったが、それでも業績は失速することなく急成長を遂げている。


そんな会社がまたもや社長や幹部の趣味と称して新たに売り出したのが上記の

FD型VRMMORPG【GREEDY WORLD ONLINE】

である。

βテストもなにも無しに突発的に去年の秋に発売告知がされ今年3月初めに専用機器毎売り出された。今迄ゲームを売り出したことなんて無かったがあのACNなら外れることはありえないという風潮があった。

そもそもIT関連の技能は提供されていないだけで相当に高いものがあるのは明白だった。そうでなければ世界一の売上を叩き出せる訳が無いだろうと。

そして何より体験版を日本の本社に設置して幾つかの国内大手メディアに各1人の条件で体験版を5時間だけ使用させた。体験した全員が短い時間だったが既存のVRとの違いに酷く驚愕したらしい。

曰く、既存VRでは再現が微妙だった嗅覚、味覚が完全に再現されているらしい。そしてそのほかの五感の再現度もあまりに高く本当に自分が異世界にいるかのようだった、これまでのVRとは別の次元との事だ。

とある有名な超辛口コメンテーターがこのように絶賛し更に話題を呼び各種メディアも大々的に取り上げた。


それでも会社からのゲームの内容についての情報提供はあまりに少なく様々な憶測が飛んだ。

そして新たなゲーム専用のVR機器は第1弾はたったの一万台のみの販売であった。1台38万円ちょいとかなりいや、他社の既存のものと比較すると半端なく高額だったが当然予約は殺到し予約抽選倍率は6408.9061倍というこれまた非常識な数字であった。

会社が後続、第2弾を第1弾の1ヶ月後程に5万台販売予定、更にもう2ヶ月後も発売予定と発表したがその勢いは未だ収まる所を知らない。




そんなVR機器が今、俺の目の前にある。

俺はとある田舎にある私立の小中高大一貫(予定)の超マンモス校の高等部の1年だ。

あと1週間足らずで4月になり直ぐ2年になるけどね。俺はこの学園の第1期生であり今はまだ高2以上は施設やシステムの用意がされてるだけで使われていないんだがな。

そんなことより俺はゲームはかなり好きな方で38万するが気にせず予約したのだがあの巫山戯た倍率で見事落選したのだ。自分自身まず無理だと思っていたが実際に落選した時はかなりへこんだものだ。

しかしサービス開始1ヶ月前に中高校生枠で新たに百台追加でしかも無料プレゼントという企画が発表された。

先着100名様いらっしゃいってな。

俺はこの会社ACNのツイッ○ーをフォローしていて通知オンになっていたため、すぐさまこの企画に応募出来た。

その結果なんとか98番目でVR機器をGETしたのだ。

あまりにギリギリだった。まだ応募開始から20秒経っていなかったのにだ。

ちなみにこれもまた反響を呼び、かなり荒れていたが会社からは特に何のリアクションもなかった。


その2週間後学校に神が参られた。この機器が渡される時必ず本人が高校生か確認するということで発売会社の人が直接俺に手渡してくれた。

あの時のカンドーはやばかった。あれ程嬉しいことは生まれて初めてだった。外れたゲームが当たって38万がタダだぞ。

素晴らしい。

届けてくれた社員の方を拝みたくなったものだ。

嗚呼、神よ。

ハレルヤ!



この神は実は顔見知りだったりもするが…



そして受け取ってからもう1週間が経つ。サービス開始までは後1時間だ。

待ち遠しい。

もちろんセッティングはもう終わっている。日付が変わった深夜が開始なのでもうがっつり夜食も済ましてある。この開始時間もちょっとした話題になっていたが、俺は特に気にならない生活リズムをここ最近送っているので大丈夫だ。

とことんやり尽くす為に準備は万端だ。あ、USA産のエナドレも飲んでおこうか。さぁさぁどっからでもかかってこいや。

明日なんか予定あったけどスルーだ。


ふっかふかの専用に購入した椅子に深く腰掛け、専用ヘッドギア…と言うより近未来的フルフェイスヘルメットに電源を入れ装着する。

目の前が暗くなって文字が浮かぶ。


〈サービス開始まで暫くお待ちください〉


下には赤字のカウントダウンがコンマ1秒単位で表されておりなんだか緊張してきた。手汗をズボンにごしごしと擦り付けて落としながら待つ。



……ついにカウントダウンがおわった。


ピロロン!


〈大変長らくお待たせ致しました〉


〈AromaCandleNightが新たにお送りするVRMMORPG【GREEDY WORLD ONLINE】STARTです!〉


その言葉が見えたら意識がぐっとなにかに引っ張られるような、絶叫マシンで浮遊感を感じた直後に急下降するような変な感覚がして視界に光が満ちる。

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