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チャロのふしぎな大冒険〜ジェントとまほうの樹〜

作者: ふくちゃろ

*この物語はTwitterでふくちゃろともうひとりのかたでリレー形式で執筆したものを再構成したものです。


ボク チャロ!ふくちゃろといっしょに住んでる

かいじゅうの子どもなんだ!

美味しいものを食べるのと、じまんの乗り物で

走るのがだいすき!!

オレンジ色のからだに翼があるんだ!


最近

ふくちゃろが家でゴロゴロしてて

遊んでくれないから

ボクはぼうけんにでることにしたんだ!!!

家を出てしばらくは

ふくちゃろと一緒に出かけたことがある

いつもの風景だ!


ボクはスピードに乗って町のはずれまできた!

そこには大きな大きな木がたっていた!

見上げてもてっぺんなんか見えやしない。

ふくちゃろが読んでくれた絵本の中に出てくる

魔法の樹にそっくりだ。


雲を突き抜け空まで一直線。僕の羽でいくら飛びたくても、枝一つない巨大な木は高すぎる。んーと首をひねったとき、僕が通れるくらいの小さなアーチが目に入った。

小さいっていっても僕の体が通れるくらいには大きい。向こう側が見えているけど、なんでこんなところにアーチがあるのかわからない。ふくちゃろとも来たことがない場所だ。試しに通り抜けてみた。ん?おかしいぞ?不思議な光景に僕はアーチの下で体をいったりきたりさせた。


何度か行ったりきたりしてわかったけど

どうやらこのアーチをくぐると身体が縮んでしまうのだ!もともとそんなにふくちゃろと変わらない大きさのボクでも

人間の3歳くらいの大きさになってしまう…

考えても仕方ないので、アーチの奥に進んだボクは『誰だ!』と声をかけられた。


ばっと声のする方向に振り向いたボクだけど、声を発したであろうお爺さんが、誰かはわからない。どこかで見た気はするんだけどな…


『おい!そこの獣の童〈わっぱ〉こんなところでなにをしておる!まぁここは心がよこしまなものは入り口を見つけられんはずじゃから、言うなれば神獣か…』

お爺さんがたくさんしゃべる。

おじいさんがなにを言ってるのか

よくわかんなかったけど、

おじいさんを見ていると思い出した

ことがあった。


着ている葉っぱの服と持ってるヤリみたいな武器は

見たことがある。

ふくちゃろに前読んでもらった絵本

ジェントとまほうの樹に出てきた

ジェントかもしれない、

絵本じゃおじいさんじゃなかったけど。

ボクはおじいさんに聞いたんだ。

『ねえねえおじいさんってジェントって名前?』

『いかにも!ワシの名はジェント

この国の勇者ジェントじゃ!

まぁ国を救ったのは、500年ほど前じゃがな。』

ボクは驚いた!


『おじいさんいまいくつなの?』

おじいさんが言う。

『童よこの国の者にとって歳など些細な

もんじゃ。人々に忘れられぬ限りな。』

それからボクはジェントに案内をされて、

国のあちこちを見てまわったんだ。

はちみつの噴水やお菓子のなる木

世界と繋がってる井戸なんかもある。

全部あの絵本でみたのと一緒だった。


ジェントが突然あの丘の上で話そうって言った。

丘の上に行く途中

ボクが行列バチの巣にぶつかったけど、

ジェントが刺される前に全部やっつけたりした。

終わったら息がきれてたけどね。

やっとのことで丘に登ってボクはおじいさんに言った。

『からだが小さくなったから歩くのも大変だね。』

『童 ワシのことはジェントと呼べ!

それからワシに協力しろ』

『どういうこと?』

ジェントに聞くと

『国にワシ以外のものが居ないのに気がついたか?

じつは…

ワシ以外の者は

樹のてっぺんにおる怪物に拐われた!』


『さらわれたって?』

ボクがたずねるとジェントは

『500年に一度

この樹になる果物を

全部食べてしまう怪物がおる。

果物は国のみんなの大好物じゃし、

外にも心待ちにしておる者がいる

根こそぎ奪われるわけにいかん!

怪物は国民と果物全部とを

交換だと言う。

昔のワシは勝てたが今回は

そうもいかんかった…』


怪物…そういえば絵本でみた!

トカゲみたいな怪物でジェントと対決してた。

その時は国のお姫様を人質にして

ジェントにやっつけられたんだ!

『聞け童 おまえが国に入ったときに背が縮んだと思うが、あれは背が縮んだ

だけではない。

あれはな…背だけではなく、

その者のいままでの可能性を減らしておるのじゃ。

生きることは可能性を得ること

どんなに平凡に暮らしておろうとも

1日、1日可能性に囲まれていきておる

良いことにしろ悪いことにしろな。

経験に似ておるが少し違うか…

童よ怪物は樹のてっぺんで

ワシ1人じゃ倒せんがお前が居れば…』


ボクは言った。

『ジェント…ボクも一緒に戦いたいけど

この小さいからだじゃ…

それに話もよくわかんないし。』

『大丈夫じゃ!理屈などわからんでも

あのトビラをくぐりさえすればええ!』

ジェントの指差す方を見ると小さな

トビラがあった。

ちょうどボクが入れるくらいの…

『さぁ童このトビラをくぐるんじゃ!』

『わかった!!』


中にはいると真っ暗だ

先に少しだけ明かりが見えてる

あそこが出口かな…

左右のレンガの

カベに手をついてゆっくりゆっくり進む。

(ジェントのいうとおり中に入ったけど

ほんとにこんなので怪物を倒せるようになるのかなぁ

昔のジェントでもすごく苦労したのに…)

考えても仕方ないな!

ボクは明かりにとびこむ!


『思った通りじゃ…!』

(明るいから

きっととびらは抜けたけど…これは!)

『落ちる〜〜』

まわりの景色がぐるぐるまわる。

『大丈夫じゃ!落ち着け

いまのおまえなら翔べる

前よりずっと高く!』

いわれたゆっくり翼を動かす

バサッバサッ

今まで聞いたことないようなおもい音

丘やジェントが小さく見える。


『ここへ降りておいで!』

呼ばれてジェントの近くに降りた。

ドスーン!

すごい音がする!

やっぱりボクは大きくなったみたいだ!!

『あのトビラをくぐると

10年分の可能性が手に入る

年寄りが入っても影響はないが、

子どもは可能性のかたまりじゃからな。

さあ!童

いやチャロ!

怪物退治にゆくぞ!』


ボクは、クルっと空で一回転すると

ジェントを乗せて、てっぺんにむかって一直線

いきなり全力で飛ぶと危ないって注意

されたけど、ボクは乗り物に乗ってる

ときもスピードを出すのが好きなんだ!

風をきって空を飛んでるみたいだから。

今はホントに飛んでるんだけどね!


すると、

すぐにてっぺんが見えてきた!

怪物は樹のてっぺんでお昼寝をしていた

ジェントがボクに『しっぽで叩き起こしてやれ!』

って言ったから

樹の地面をパシーンとやると

怪物が

『な!なんだぁ〜⁈ビックリしたぁ〜!

あ、テメエはジェント!

こんなとこまで来やがって!

それにこんなやつまで連れてきてどういうつもりだ!

どんなことしたってジジイのお前には負けねぇ!』と偉そうだ!


怪物はボクらにむかってベロベロバーをしてる。

ボクは腹がたったけどジェントは

『そんなやつは放っておいて

果物が生っている森を飛び越えるぞ』って言うんだ。

樹のてっぺんは平べったくなっていて、

まわりに果物が生っている森がある。


『チャロよおまえ炎が吐けるじゃろ?』

『吐けるけどそんなことしたら…』

『大丈夫じゃ

この樹も果物もあつさにはめっぽう強い

逆にあつければ

あついほど美味い実がなると言われとる。

それでこんなに高くまで樹が伸びるんじゃ。

太陽の光が届くように』

『そうか!それなら安心だ!』


ボクは思いっきり息を吸い込んで

勢いよく吐き出した!

ゴオォォォ!!

すごい炎が樹のてっぺんをつつむ

『あちちちゃちゃ〜!!』

.怪物はあまりのあつさに飛び跳ねた!

お尻には火がついてる!

『ちくしょー!覚えてろー

絶対また果物をいただきに来るからな〜〜!!』

そういうと怪物は樹から

ぴょんぴょん跳ねてどこかへ

いっちゃった…

『アイツはどんなに倒してもまたやってくる

そういうやつじゃ』

ジェントは少し笑って

逃げる怪物に向かって1つ果物を投げた.。

(ジェント優しいな)

ボクはなんとなくほんとは

怪物となかよしなんじゃないかな

と思ったけど、ジェントには言わなかった。


国の人たちはおりに閉じ込められて

樹の枝にかけられていた。

あんまり勢いよく飛びすぎて最初は、

気づかなかったみたいだ。

ボクの炎からも森に守られて無事だった。

ボクは檻を背中に乗せて

ジェントといっしょに下に降りた。

そういえば、

怪物はどうやって檻を枝にかけたんだろう?

まっいっか。


檻を開けて、みんなを出してあげたら

お礼を言ってもらえた!

『チャロくんありがとう!』

『ご恩は一生忘れないよー』

みんなにお別れを言って帰ろうとすると.

お姫様だったジェントの奥さんがいないことに

気づいた。

『ジェント奥さんはどこ?』

『レディなら国の外で絵本を書いておるよ

ワシらは忘れられると消えてしまう

からのぅ』

(やっぱりここはあの絵本の…!)

ボクが考えていると

『これは後で食え!

太陽の実じゃ』

ジェントはあの樹になっていた果物をくれた!


『そしてよく聞けチャロよ

お前が大人になったあの姿は

あくまでもお前の可能性にすぎん

これからどの道を通ればあのように成長できるか

わからんが

お前ならきっと道を間違えず大きくなれる

と信じておる

縁があればまた会おう!』

もときた道を歩いてアーチをくぐると

からだの大きさがもとに戻った!

せっかくかっこよかったのにざんねんだな…

いつかまたあの姿になれるように頑張ろう!


いつのまにか夕日が登ってる。

ボクは急いで乗り物に乗って

おうちに帰った。

おうちではふくちゃろがのんきに

ツイッターとかいうのをして

みんなに遊んでもらってた。

ボクが太陽の実を半分あげても

むしゃむしゃしながら

スマホをいじってる。

(なんだよせっかくボクが大冒険してもらったのに!)


ボクも太陽の実を食べた!

すっごく甘くて

ほんの少しだけしょっぱかった。

『そうだ!』

本箱のジェントとまほうの樹を

ひっばりだしてみた。

最後のページ

ジェントとお姫様が並んで笑っている

ところをひらくと

『またいつか

遊びにおいで』

って声が聞こえた

気がした。


おしまい

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