何でも欲しがるヨクバリ君。
僕は大金持ちの息子で、僕がパパに頼んで言えば何でも買ってくれる。
そう言えば、、、1度ね?
パパにこんな事を言った事がある!
『パパ! 僕ね1つの国が欲しい!』
...僕がそう言うとパパは、何も言わずに僕に国をくれた。
【僕はその国の王様になったんだ! 凄いだろう!】
▽
僕のパパは、なんだって僕に買ってくれる。
世界で1台しかない高級車があると聞けば、、、僕に買って
プレゼントしてくれた。
『ヨクバリ! お前にプレゼントしたいものがある! 着いておいで~!』
『パパ! なーに?』
『世界に1台しかない車らしいよ! これをお前に、、、!』
『パパ! ありがとう! 大切に乗るね!』
僕はパパの前だとそう言うのだけど、、、?
実際は、ほとんど乗っていない!
僕は車に興味があるわけじゃないから、、、。
だから、僕の付き人に貸してあげているよ! 【無期限でね!】
▼
何でもかんでも、欲しいモノはパパに言えば買ってもらえる。
そんな僕が、ふらっと自家用ジェット機である国に行った時のこと...。
僕は初めて【一目惚れと初恋を同時】にする素晴らしい女性に巡り合った。
スラッとした体型に綺麗な長い黒髪をなびかせて可愛らしいえくぼに
笑った時のキラキラした彼女の表情に僕は胸がときめいた、、、。
『僕は、あの子が欲しい! パパに頼もう!』
そして、僕はお家に帰ると今日会った、あの彼女のことをパパに話した。
『そりゃ~パパが何とかしてやろう! ヨクバリの方からパパにお願いする
なんて滅多になかった事だしな! パパに任せろ!』
『ううん。』
▽
次の日、その子は僕のお家に招かれた...。
そして、パパが彼女にこんな事を言う。
『今日からここがキミのお家だよ! ジュエン! いいね!』
『どうしてですか、、、? 私を家に帰してください!』
『ダメだ! 息子が珍しく私にお願いしてきた事なんだ! ジュエン君には済ま
ないが言う事を聞きなさい!』
『クリオットさん? 貴方が何を言っているのか私には全く理解できません!』
『わかりやすく言えば、、、息子の彼女になってくれ! これはお願いじゃない!
【命令だ!】ジュエンいいね!』
『...そんな、私には結婚を考えている人がいるんですよ!』
『そんなやつとは別れなさい!』
『こんなの横暴ではありませんか、、、?』
『世の中、金がある奴が1番偉いんだよ! 覚えておきなさい!』
『......』
▼
僕はこの後、、、パパに呼ばれた。
『ヨクバリが欲しかったモノをパパは手に入れたよ! 隣の部屋に居る!
さあ! 行ってごらん!』
『わーい! ありがとうパパ!』
僕は喜んで隣の部屋に行くと、、、?
そこには、昨日の彼女がいた。
『やったー! キミに会えたよ。』
『どうしてこんな酷いことをするんですか、、、?』
『酷い? キミは今日からこんなに立派なところで僕たちと一緒に住めるんだよ!
それの何が酷いの、、、?』
『私には、ずっとずっと好きな人がいます! その人と近いうちに結婚する予定
だったのよ!』
『じゃ~良かったね! まだ結婚してなくて! 今日からキミは僕の彼女だ!』
『あなたは、自分の力で何かしようとは思わないの? 世の中はお金が全てでは
ないのよ!【変わらないモノ】もあると言う事!』
『変わらないモノ? それって何だい? 今までお金で買えないモノなんて何
1つなかったよ!』
『あなたが知らないだけよ! そう言うモノがあるの!!! 何時かあなたに
もわかるわ!』
『ふーん?』
▽
彼女が僕の家に来てから1年が経とうとしている...。
ジュエンに僕は毎日聞くことがある!
『ジュエン! キミは何が欲しいの、、、?』
『何もいらないわ!』
『ここには何でもあるんだよ! パパに言えば何だって買ってくれるよ!』
『要らない!』
僕は必死だった!
ジュエンの気持ちを僕に少しでも向いてほしい一心で、ジュエンが欲しいと言って
もないのに、、、ジュエンの為に何でもやった!
それでも、ジュエンは僕の方を向かない!
『ジュエン、本当にジュエンの欲しいモノを何でも買ってあげるからいいなよ!』
『お家に帰りたい! 愛する彼に会いたい!』
『わかった! 彼もこの家に呼ぼう!』
『ダメよ! そうじゃないのよヨクバリ! 何度も言っているけど、、、?
お金じゃ買えないモノもあるのよ! 貴方は【私の心を買う】事なんてどんな事が
あっても出来ないのよ! 何故なら、私の心はすでに彼にあるから、、、!!!』
『...お金じゃ買えない、、、?』
『そうよ! 世の中にはお金じゃ買えないこともある! 自分の力ですべきことを
探して、一生懸命に打ち込めるモノや心から大切に想えるモノを自分で見つけなく
ちゃいけないわ! ヨクバリ、、、。 あなたなら絶対に出来るわ!』
『ジュエン! わかったよ、キミをお家に帰すよ...。』
『私の言った事を理解してくれてありがとう! ヨクバリ!』
『僕こそ! ごめんねジュエン!』
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ジュエンは直ぐにヨクバリの自家用ジェット機で、お家に帰してもらえました。
彼女はその後、愛する人と結婚して幸せな生活を送っています。
子宝にも恵まれ、ジュエンのお腹の中には新しい生命が今宿っています。
その頃、、、ヨクバリは、パパから自立して自分を見つける旅をはじめました。
『世の中には、お金で買えないモノがあります。誰かを想う心や愛情、人の心も
どんな事があっても買えないモノなのです! ヨクバリはそれがわかっただけで
も、大きな進歩なのかもしれません...。』
最後までお読みいただきありがとうございます。