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序章1話 『逃走、目覚め』

7月24日


1話と2話が両方短かったので

ひとまとめにして再投稿させていただきました。


指摘を頂いたので修正しました。


地の文が少なくいまいち状況が解りずらかったので

大幅に追加いたしました。

……ザザ……ザザザ……

……ピー……ザザ……

生態情報をスキャンします……。

DNA情報を解析中……ピー……解析完了。

解析の結果99.9%……ので……ある事を確認しました。


お待ちしておりました。


Lumiereリュミエール Systemシステム』のスリープを解除いたします。


プシュー



「小さい……女の子……?」





----

     『ユーラシア王国 魔の森』

ザーザー

ゴロゴロ

ドゴーン!


ビチャ……ビチャ……ビチャ


嵐吹き荒れる夜の森

フードを被った男達が走り回っていた。


「まだ見つからないのか!?」

「はい……団長……。」



突如として、1人の男がさけぶ。


……その声は荒々しく、怒りに満ちた声であった。

どうやら男達は何かを探しているようだ。


「グズグズするな!まだ遠くへは行ってないはずだ!探し出せ!!」


フードの男達のうちの1人

団長と呼ばれた男は、再び声を荒げ

兵士達へと命令を下す。


「ハッ!必ずや!!!」


命令を受け、兵士達は散開して行く


嵐吹き荒れる夜の森へ

兵士達は、その姿を消していく……。



----


「ハァ……ハァ……ハァ……」


ビチャ……ビチャ……ビチャ


「ハァ……ハァ……ハァ……」


ビチャ……ビチャ……ビチャ



嵐の森の中、1人の男と1人の少女が走っていた。


男はこの雨の中、フードも被っておらず

全身ずぶ濡れになりながら走っている。


男の容姿は

黒い髪で

高身長

体格の良い男は

右のほほに、古い傷跡が大きく付いている。


少女はフードを頭から深く被っているので

顔を伺うことは出来ないが背丈から察するに……

年齢は6歳ぐらいだろうか。



「ハァ……ハァ……ハァ……あっ……」


少女は泥濘ぬかるみに足を取られ、大きく転ける。

その幼い顔や着ている服は泥を被り

汚れてしまっていた。



「大丈夫か?どれ。」


傷の男は立ち止まり、少女の前で屈むと

服の袖を使って少女の顔を拭っていく。


「よし綺麗になったな、さあ、行くぞ。」


傷の男は少女の手をとり、再び走り出す。

二人の姿は夜の森へと消えてゆく。


----


「ハァ……ハァ……ハァ……」

「もう少しの辛抱だ、頑張れ。」


傷の男と少女はひたすら走っていた。

小柄な少女の体力はもう限界に近かった。

だがそれでも休むことは出来なかった……。


立ち止れば"奴等"に追い付かれてしまうのだから。


「くそ!行き止まりか!!」



傷の男は立ち止まる

開けた場所に出たはずだった……。

しかし、そこに道は無く切り立った崖が

目の前に立ちはだかる。


「……仕方ない、引き返すぞ!」


選択肢は引き返すしか無かった、だが

傷の男は一瞬だけ躊躇ちゅうちょしてしまった。

戻れば奴等に出くわすかも知れないからだ。

そして、その躊躇が間違いであった……。


「見付けたぞ、手間を掛けさせてくれたな……。」


"奴等"が木々の間から姿を表した。

先程のフードの男達がそこには居た

傷の男の周りは瞬く間に取り囲まれる。


「くそ!ダグラス!!」


傷の男は先程の団長と呼ばれた

男に対してダグラスと呼んだ。


腰に据えた鞘から剣を抜き放ち

ダグラスへと剣を構える。


疲労のせいで有ろうか?

その手は震えている。


「さぁ、いい加減"ソレ"を返して貰おうか、"ソレ"が無ければ私の研究は完成しないのだよ。」

「嫌だね、---っ!!」


ザシュ!

傷の男が魔法を詠唱しようとした……

次の瞬間、横腹に鈍い痛みが走り詠唱が中断される。

ダグラスのが放った風魔法により

横腹を抉られていた。

横腹からは大量の血が流れ出している……。


「君の魔法は厄介なのでね、君の"魔臓"は潰させてもらったよ。」


魔臓 が潰された……。

魔臓 は魔力を体内に貯め

そこから魔力を引き出し魔法を使うため

魔法を使うには無くてはならない臓器だ……。

魔臓 が傷ついてしまっては……

魔法を使用することができない……。



「くそ……」

「もう1度言うぞ、"ソレ"を返して貰おうか?"ソレ"が有れば私の研究は完成し『いにしえの力』は私の物になるのだ!!」


古の力が一体何の事かは知らんが

この変態にこの子を渡すわけにはいかない。


「ふっ……嫌だね、ロリコン野郎。」

「……ヤレ。」


ドスッ!

ドスッ!

ドスッ!

ドスッ!


「ガハッ!!」


傷の男の体に無数の矢が放たれる……。


両肩

太股


奇跡的に矢は全て致命傷を外しているが

……出血量が多すぎた。

傷の男は意識を失い、崖の下へと転落していく……。



「いやぁぁぁ!!」


……と、次の瞬間、少女が後を追い

……崖下へと飛び込んだ。


捕まる位なら死んだ方がまし……

とでも思ったのだろうか……?


「……。」


……と、次の瞬間崖の下から"ソレ"が出現した。

"ソレ"は大きな体に、角が生え

大きな翼が生えている、大きな生物であった。

そう、その姿はまさしく"龍"であった……。

古い伝承にある"龍"が目の前に突然現れた……。


そして、龍の背中には先程落下したはずの

傷の男が、横たわって乗っている。


……意識は依然として無い……。



「化け物……。」

「龍がなぜ……。」

「終わりだ……。」

「神様……。」


突然現れた大きな龍に

兵士達は絶望し、戦意を喪失させる。


しかし、ただ1人を覗いて……。


「怯むな!!撃ち落とせ!!」


兵士達が恐怖する中、ダグラスが叫んだ。

ダグラスの声を受け、兵士達は、弓を構える。


しかし、放たれた矢は、その厚い鱗に

全て阻まれてしまい、下へ落ちてゆく。



グオォォォ!!

龍が突然雄叫びをあげる。


その強烈な龍の雄叫びに圧倒され

兵士達は恐怖し、攻撃の手を止める……。


そして、龍はその隙に

遥彼方へと飛び去っていった。


……龍が飛び去り、残された兵士達は安堵する。


しかし、ただ1人は……

怒りでその身を身を震わせていた……。


「……何処に逃げても必ず見つけ出してやるぞ、アスラ!!」


いつの間にか雨の上がっていた、森の中に

ダグラスの怒りの声が木霊する……。



----


チュンチュン

チュンチュン

コケコッコー!


「---?」


ザッ

ザッ

ザッ


「---!?」


ズリ

ズリ

ズリ

バタン



----


……


……


ハァ……ハァ……

……なんで……なんで……こんな所に魔物が……!!


ハァ……ハァ……

……エラント……


ハァ……ハァ……

……エリオット……


ハァ……ハァ……

……レシアさん……


ハァ……ハァ……

……母さん……


ハァ……ハァ……


くそ……

やめろ……

やめてくれ……

……リ……シア……


……逃げろ……っ!!



「アリシア!!!」



ガバッ!

ハァ……ハァ……


「また……あの時の夢か……」


俺は、悪夢で飛び起きた……。

もう何度見たか解らないあの時の夢……。


(寝汗びっちょりだな……。)

(……ここは何処だ?)


俺は、辺りを見渡す。

ごく普通の民家のごく普通の布団に寝かされている。

確か俺は無数の矢に射たれて崖から落ちたはず……。

その後はどうなった……?


(……ダメだ思い出せない。)



「ッツ!」


突然全身に激しい痛みが走った。

体を見れば全身に包帯が巻かれている。


(……まるでミイラ男だな。)


まるで物語の中に登場するモンスター

ミイラ男みたいだ、そう思った。

このまま仮装パーティーに出られそうだ。


……ちょっと完成度高すぎるけどな。


「……そうだあの子は!?」


ガバッ!

俺は、布団から飛び起き、隣へと目をやる。

……居た……隣で呑気に寝息をたてている。


「……よかった。」


俺は、安心してベットに座り込み

そのまま横になる。


(正直立ってるの、めっちゃしんどい……。)


「……知らない天井だ。」


天井を見上げつい、そうつぶやく。


何かの物語のセリフだっけな?忘れた。

こういう時のお約束らしい。


ガチャ

突然、扉が開く音がした。

俺は、首だけを起こし、扉の方に目をやる



……すると、そこには


髭を長く伸ばし

しかし無造作ではなく

よく手入れされた綺麗な髭をしている

まるで仙人のような見た目をした

70~75ぐらいの老人が立っていた。


(この家の主だろうか?)


「目が覚めたようじゃな。具合はどうじゃ?」

「ああ、あんたは?」


「ワシはこの家に住んどるスミスというものじゃ。今朝、日課の散歩に出掛けようとしたら、家の前で倒れてるお主を見つけての、酷い怪我じゃったから、ワシの家まで運んでな、軽い治療だけしておいたのじゃよ。」



……なるほど、だから包帯でぐるぐる巻きな訳か。


「ありがとう、スミスさん、助かった。」


(しかし、何故そんなとこに倒れていたんだ……?

確かに崖から落ちたはずだが……?)



スミス「いや、いいんじゃよ……所でお主名前は?」


俺の自己紹介がまだだったな。

だが、本名を名乗って大丈夫だろうか……?

……まあ、いいか。


「すまない、俺の名前はアスラ。アスラ・アルスタイドだ。」

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