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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

もっかいだけ異世界転移させてくれ!

作者: あさはごはん

頭を空っぽにしてお読みください。

馬鹿なお話です。

 異世界に行って世界を救ったことがある。

 16歳だった俺、高橋一輝は聖トータリル王国に勇者として召喚された。俺より10歳年上だと言う白髪が目立ち始めた窶れ気味な枯れたおっさんとともに。

 きっと奴さえいなければ俺の異世界ライフは最高だったのだろう。後の展開を予期しているかのような動きをするヤツ、高畑一誠によって俺の活躍は奪われ、挙句俺に気があったであろう聖女でエルフのシータまで取られてしまったのだ。

 結局魔王も高畑一誠が倒し、巨万の富と名誉を得たヤツのみがトータリル王国に残り、俺はいらないものを廃品業者に回収させるみたいに元の世界に送り返された。戻ってくる前の高畑一誠の『生きてればいいことあるよ、必ず』と言う言葉と俺をあざ笑うみたいな表情を未だに忘れていない。

 しかし帰って来ればおかしいことだらけだったのだ。例えば高畑一誠の勤めていたと言う会社。帰ってから調べるとその会社は存在しなかったのだ。それだけなら嘘をついていたで済まされるだろう。だが、警察の発表している行方不明者のリストの中にも彼はいないし彼を探していると言う人間もいない。

 高畑一誠は一体何者だったのかと言うしこりのみが自分には残っていた。




 あれから10年、高校と大学を難なく卒業し、俺はあの忌まわしき高畑一誠と同い年のブラック会社に勤める社畜になっていた。五連勤から解放された俺はフラフラとした足取りでタクシー乗り場へと向かう。電車?終電なら小一時間前に出発したんじゃないですか?

 ついでに言うと、明日は明日で朝七時には会社にいないとクビだそうだ。


(あーあ、あの時あのクソジジイに邪魔さえされなきゃ今頃でれでれのシータたんに勇者と崇められながら幸せに暮らしてたのかねー)


 後悔したって後の祭り。

 今頃はきっと成熟したグラマラスな女性になっているであろう銀髪赤目の華奢なエルフを思い浮かべた瞬間。

 地面がパチパチと小さな音と火花を立て、崩れ去った。ぽっかりと空いた暗闇に体が落ちていく。それをまるでウサギとともに穴に落ちるアリスのようだと人事のように思った。おちていくと暗闇に飲まれ、やがて見え始めた光に包まれたかと思うとドンッとものが二つ、地面に落ちる音がした。

 その音の主の1人である俺はついた尻をさすりながらゆっくりと立ち上がって周りを見渡したが周りには白煙が立ち込めている。


「痛っ!

 んだよここ、せっかく夏目さんが俺に声かけてくれたのに」


 夏目さん、夏目由乃さんは俺の通っていた高校のマドンナで、異世界転移する直前に一度だけ声をかけてくれた。帰った時には心はシータ一色、と言うかあちらの世界の人が美人すぎて夏目さんがブスに見えてしまい淡い恋心は冷めてしまったわけだが。


 隣からしてきた自分のによく似ているが若干高いめの声を俺は知っている。

 白煙が開けて、目の前に映り込んだのは仰々しい内装で作られた懐かしの王宮。たっぷりとした白髭を蓄えたトータリル王国現国王、その隣に聖女の印である大きな杖に持たれているように見える小柄なエルフ、シータ。

 そして隣には長い黒髪で右目を隠し、チャラチャラした鎖やシルバーアクセサリーを全身につけまくった、10年前の、高校生の俺。


「勇者様、お二人を魔王を倒していただくため召喚いたしました」


 お名前をお伺いしてもいいですか。こてんと頭を傾げて微笑んだシータに全てを悟った。


 この瞬間、2回目の勇者生活が始まったのだと。



 ______


 召喚されたからすぐ、俺は案内されて王城内の豪奢な部屋にいた。これもまた10年以来の懐かしい風景だ。キングサイズのベッドに腰掛けて考える。


 高畑一誠は高橋一輝だったのだ。

 謎が解けた。勇者召喚に応じれるのは召喚者の望みを叶えられる人物。それが断定された1人だけでないのと同じでつまり、違う年齢の同一人物が召喚されることもあり得るのだ。

 よって、16歳と26歳の高橋一輝がややこしいが2人召喚された。実際は1人なのか、ここに存在しているのは2人なのだから2人なのかは考えると難しいので割愛。


 それよりも考えるべくは今の俺が今後の展開、敵、身につける力、本来予測できないものを全て知っていることにある。つまり俺は二週目の世界を好き放題しつつ自身の好きな展開を築くことができるのだ。


 最終目的はシータと結ばれること。


 16歳の時叶えられなかった夢がやっと実現する。


 コンコン。ドアをノックする音がしてから返事する前に扉が開いた。誰がこんな不躾なことを、と思ったがそこにいたのは自分自身(16歳)で、そういえば律儀に挨拶しにきたっけ、となんとなく思い出す。


「俺は高橋一輝。○○高校に通ってる高校生。あんたは?」

「俺はたかはし……じゃなくて高畑一誠。平凡な社会人だよ」

「ふーん、まあせいぜい足引っ張らない程度に頑張れよ、オジサン」


 ポケットに手を突っ込んでモデルウォークもどきで歩く若い自分に背筋が凍る。俺、あれただの中二病じゃねえか、恥ずかしい。だいたい、足引っ張るのはお前だからな!

 魔法も剣術もある程度覚えてるし、この世界についてより詳しいのも俺。魔王を倒してシータを嫁にするのも俺だ。


「失礼します、勇者様」


 今度、扉をノックして入ってきたのは銀髪赤目のシータちゃん。やけにビクビクと怯えているのでどうしたのかと思えば記憶通りであればシータはもう一人の方の部屋に行っている。確かその時俺は中二病的対応『俺に近づくな。勇者だともてはやされても本当の俺は…』みたいなことを言ってしまったのだ。わあ、てきせつに心を抉ってくる。すっごーい!


「俺はイッセイ。君はえっと……」

「し、シータと申します。良かった。イッセイ様には近づくなと言われませんでしたぁ〜」


 ふにゃあ。気の抜けた笑顔を見せる彼女もまたキュート。


 シータはトータリル王国の祭り事の最高責任者『聖女』であり、実際は旅の途中で判明することなのだが俺が倒すべき魔王の娘でもある。そのため、国内ではいつもビクビクと様々なことに震えて生きていた。

 しかし冒険の最中に父親である魔王について区切りをつけ、新しい人生を生きるために父を、魔王を倒すことを決意する。


 みたいな感じだったと思う。

 典型的な悲劇のヒロインである彼女はまだ子供俺(16歳の自分を区別するためにこう呼ぶ)より年上程度だらしい。俺と結婚すれば10歳ほど年が離れてしまうが彼女は構わないのだろうか?

 改めて体を見ると玉体をさらけ出すような際どい衣装からチラリと見える白い肌が生々しい。胸のわずかに膨らみはこれはこれで艶やかさを感じる。もっと大きい方が自分の好みだが、シータのものならなんでもいい。


「あのぅ、体に何かついてますか?」

「いや、ごめん。俺、君みたいに可愛い女の子見たことなかったからつい見惚れちゃって…」

「え!?

 あ、ありがとうございます。その、嬉しいです」


 湯気が出そうなほど真っ赤になった顔を両手で抑えるシータ。そう、彼女は一般的に言われる『チョロイン』なのだ。まあその理由も普段から教会に入り浸りで神に祈りを捧げているせいで外の世界を知らないことに起因するのだが。

 そんな可愛いシータは俺に挨拶しにきただけで早く戻らないといけないことに気づいたらしく、部屋から飛び出す。

 腰掛けていたベッドに仰向けに倒れ、先ほどの照れ顔シータを思い浮かべる。

 こんな白髪が目立ってきた窶れおっさんがあんなに可愛い女の子を娶っていいものだろうか。いや、いいのだ。なにせそうなると運命は決まっているのだから!


 ______


 召喚されてから数日経って衝撃の新事実が判明した。子供俺、予想以上に使い物にならない。

 魔法は初めてだから仕方ないとしても筋力がないので剣を持ち上げることはできてもうまく使いこなせず挙句鍛錬を投げ出して『俺のすべきことは情報を集めることだろう』と言いつつ街へ繰り出していった。

 覚えているぞ、繰り出した街で勇者ということを言いふらし、女の子にちやほやされて調子に乗った挙句、帰ってきてすぐシータに壁ドンと顎クイをノリでしてしまったこと。そして何やってんだこいつみたいな目で見られたこと。

 あー、恥ずかしい。思い出しただけで死にたくなる。


「すごいです、初めてでこれだけ魔法が使えるならばすぐ上級魔法も使えるでしょう!」


 うん。初めてじゃないからね。

 シータに心の中でひっそり謝っておいて30センチほどの短い棒を振った。覚えている魔法は五大魔法、火、水、風、土、光のそれぞれ初歩的な杖から射出するだとか、その程度だが今はそれだけでいいらしい。


「あのさ、シータちゃん。

 高橋一輝に魔法の才能はあると思う?」

「どうでしょうか。努力すれば輝く、とは思います」


 本人にその気があれば。

 と付け足しそうだが口にしないシータは偉い。そしてとても可愛い。

 それはともかく、子供俺に磨けば輝く才能があるなら俺だって同じなはずだ。今後の展開でもシータを守れるように頑張ろう。また杖に宙を切らせて、今度は風と火魔法を同時に発動して大きな炎の渦を巻き起こす。簡単な魔法なのだが、これのみが俺ができる唯一の大技だった。つまり、俺はそれだけ努力してこなかったわけだ。


 今度こそ、強くてニューゲーム。

 ていうか努力して強くならなきゃ子供俺じゃきっと魔王までたどり着けないから、頑張るしかないのだ。幸いにか隣には努力を認めて励ましてくれる可愛いエルフもいるわけだし





 _____


 ラスボスである魔王を倒すまで、勇者は五人の中ボスを倒した。

 今日、王に呼び出され告げられたのはその一人であるクラーケンを退治してほしいということ。早速武器がたくさん入った馬車に押し込まれてトータリル王国の海まで連れて行かれる。もちろん隣には子供俺。


 クラーケンの弱点は確か左から9番目の一番奥の足。太古の昔、五感のほとんどを神に封印されたクラーケンはそこに触感の全てを集中したことによって、目や耳で受け取るべき情報以上を仕入れることができるようになった。

 こちらとしては、シータの輝かしいビキニにときめいたのと、その、クラーケンの触手と体液でめちゃくちゃにされ(かけ)て涙目になったシータに少し股間が膨れた気がした記憶がおおよそを占めていた。


 というわけで海。

 とかなんとか言われつつ季節は『夏真っ盛り』ではないので水着を着るとなると肌寒く感じる。よくシータはビキニなんて着れたもんだと感心した。よくよく考えれば普段の服があれだけスケスケなんだから慣れているだけかもしれない。


「うっ……。雰囲気が大事だと王に言われたので着てみましたがやっぱり寒い!

 あの王様、何考えているのでしょうかぁ」


 王様の提案かよ、超ナイス!

 子供俺が遠く彼方で俺の隣に立つシータに見とれて動きがとれなくなっている。確か子供と大人、二人の俺がシータたんのビキニについて意気投合している最中に悲鳴が聞こえたかと思えばそこには触手と粘液まみれ、エロハプニングにあっているシータがいて、固まって動かないでいると隣にいた俺が、ええい本当にややこしいな。ともかく、クラーケンに一直線……。あれも二週目だからできたんだろうな。


 あれをできる気がしない。

 よくあんなに一直線に飛び込めたな、俺。

 ため息をついてしゃがみこむと子供俺が近づいて肩に手を置き『怖気付いたか? 情けないおっさんだな。大丈夫、俺が守ってやるよ』とはを輝かせてカッコつけた。怖いくせに。

 結局10年前の俺の行動は全部虚栄なのだ。それが功を指すことままあったので深くは注意しないが。


「にしてもシータたんのビキニ、どう思う?」

「んー、百点満点中五億点かな」

「俺も思うぞ。主にあの控えめな胸が最高」

「いや、後ろ姿を見てみろ。あの柔らかいヒップのライン、ほどほどに肉づく足もなかなかだ」


 海の水をお付きの人間の中でもが特に仲がいい巨乳シスターと掛け合うシータがしびび、と二人のいかがわしい目線によって悪寒を感じていることに気づかず語り合う。すると、巨乳シスターの被っていた帽子が岩場に飛んでいく。優しいシータはそれを取りに行くと走って岩場に消えていった。


「きゃあァァァァァッ!」


 悲鳴が聞こえて、クラーケンだと悟る。一度馬車まで戻って適当な剣を引っ掴んで岩場まで全力疾走すると、そこにはシータが記憶通りの姿で触手に絡め取られていた。子供俺は例によってその側にへたりこんでいる。しかし、以前とは違う目線で見たので分かったがシータに絡んでいる触手の一つはギリギリと首を締め付けている。


 このクソイカは俺のシータを殺そうとしている……!


 そう思ってからは早かった。

 全体的に茶色いクラーケンに突進し、たくさんある触手をすり抜ける。触手の上に乗ってしまえば触覚を一つに集中させているクラーケンは中々自身の動きを感じ取りづらくなる。

 そのうちに弱点である左から3番目の触手を探し出す。が、自身の位置を特定したのか他の触手が3番目を守るように俺を引き剥がそうとする。

 しかし、俺の方が一手早かった。


「やっと見つけた!」


 一つだけ色が全く違う触手を剣で斬りつけると激しい痛みに襲われたであろうクラーケンは仰け反り、触手の力も弱くなる。直後に下の方でドシャ、と砂上に何かが落ちる音と咳が聞こえ、シータが解放されたのだと分かった。


(イカなんだし心臓は三つあるよな。締めるのって神経を切ることだし切っちまえば動けなくなる…?)


 あいにくイカを締めたことどころか釣りさえもしたことがない俺にはよくわからないが、一か八か賭けて白濁りした目と目の間めがけて剣を突き刺す。

 ブツリ、と何かが切れる音がするとイカの頭部分が一気に白くなる。そのままなんども同じ場所を刺し続けると何回目かでイカは完全に体を白くして動かなくなった。


 ______


 その日の夜。

 倒したクラーケンは確実に食べることを想定してついてきた調理師によってさばかれ、俺は軍人の男どもとともに近くの村にそれを届けるついでに酒盛りをしていた。イカ自体は多分そこまで美味しくないのだろうがさすが王様が選んだ調理師と言うべきか、手を加えられたイカはとても美味で酒が進んだ。

 俺は酒に強い人間なのだがそれでもやはり飲み過ぎてしまったのか床に寝転び、酒に潰れた男どもの間をなって夜風に当たりに行くことにした。子供俺は何もしなかったことにふてくされて、酒盛りの声の届かない場所で一人寝に行ったはずだ。散々だと思うだろうがそんな過去があるから2回目ではチートできるんだぜ、俺。


「ありぇ〜、イッセイしゃま? こんなところでどうしたんですかー?」


 ふらふらしながら近づいてきたシータの手は握っているコップから溢れた水でしとどに濡れていた。思わず支えに近づくと自分にも劣らず酒臭く、顔は真っ赤で笑顔も普段より情けないものだった。シータは葡萄酒一杯で酔うほど酒に弱い。だから子供俺は三ヶ月後、シータにファーストキッスを奪われて『俺に気があるんじゃね?』とか勘違いしてしまうわけで。

 

 とにかく今はシータが悪い雄狼に捕まらないよう安全な場所まで届かなければならない。シータをなんとか借りている宿の部屋まで連れて行く。ランプをつけて部屋を照らす。するとベッドに仰向けになって寝ているシータの赤くほでった顔や、体のラインがありありと現れる服が心を揺らした。

 10歳も年下の子にこんなにドキドキしてしまうなんて俺はもしかしてロリコンなのだろうか。少し心配になりつつ宿の主人に水をもらいに行こうとした。


「待ってくださいッ〜!」


 しかし袖を引かれて俺はベッドの上に倒れる。いや、ベッドの上のシータの上に倒れてしまった。よって今、おっさんがシータ(少女)を押し倒していると言う犯罪的な絵柄が出来上がってしまった。


「シータちゃん、おじさん重いでしょ? だから早く離して……」

「イッセイさまはおじさんじゃないですよぉ〜!

 ねえ、襲ってもいいんですよ? してもいいんですよー、男女のあつぅいマジリアイ……? みたいなこと〜?」

「ダメに決まってるだろっ、そういうのは大切な人と」

「わたしはイッセイ様が大事でだぁいすきです。クラーケンからわたしを助けてくれたイッセイ様、かっこよかったれすから」


 それでもダメなんですか?

  泣きそうな顔をされると困る。10年前からその顔に弱いのだ。だから子供俺は魔王を倒す戦いで情けないことになっても我慢してきたのだ。シータに泣かれると困るから。

 勘弁してくれよ、マジで。10年間片思いしていた相手にこんな風に誘われると断れない。理性が働かないじゃないか、馬鹿野郎!

 この日、俺は26年守り続けた童貞を捨てた。



 ______


 あれから2日。

 俺は城へと向かう馬車に揺られつつウトウト首を上下させていた。あれからシータと会話ができない。彼女の顔を見ると事情中のアレヤコレヤを思い出してしまうのだ。なんて初心な俺なんだろう。誰得だよ。ていうわけで我儘を言って今は馬車をシータとは別々にしてもらっている。あっちには当然のような顔をした子供俺がドヤ顔で乗り込んでいた。そういやあ10年前にクラーケン退治の後に悲しむシータを分けわからないまま慰めた記憶があったような。元気になったシータはそのまま何処かに行っちゃって……って、まさかこのことで?


「イッセイ様、わたし、その」

「うわ!?」


 後ろからした鈴のような声に驚き、体勢を崩すと同じタイミングで馬車もガタンと大きく揺れた。シータは普段着の上から濃い藍色の大きなローブを羽織っていた。声色から察するにきっと被っているフードで隠れて見えないとんがったエルフ耳や頬は真っ赤だろう。


「嫌いになりましたよね………きっと元の世界に大事な人もいるでしょうに、無理やり。

 ごめんなさい」

「いや、それで言うなら俺だって酔ってるシータちゃんを……。

 嫌ったわけじゃないんだよ、むしろ俺が嫌われちゃようって」

「私はイッセイ様が大好きですっ!


 ……あ」


 赤い顔をさらに赤くして熱い頬を抑えるシータのしおらしい態度にまた心が高鳴った。16歳の時とは違い、彼女と俺は結ばれる運命にある。あの時体験した苦い経験の裏でシータと俺がこんな甘い展開にになっていたとはやっぱりけしからん。

 とはいえ、今の俺は10年前の俺ではな、シータと結ばれるべき運命にある。今こそ秘めたる思いを伝える時だ!


「俺も、ずっとシータちゃんが好きだったよ」

「嬉しいです。

 私、精一杯イッセイ様をサポートします!」


 にこりと微笑んで嬉し涙を流すシータ。そんな彼女を守るためなら魔王どころか神様も倒せる気がした。



読みにくい小説ですが、最後読んでくださりありがとうございました。


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