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陸山物語《りくやまものがたり》  作者: 牛乳珈琲
第弐章田仲家奪還編
18/22

肆…夏期長期休業其ノ始

新たな章の始まりです。文章など至らない点がありますがよろしくお願いします。

夏休みが始まった!と言っても僕の場合、終業式の後ちょっとしたことに巻き込まれて三日間病院のベットの上に意識無しの状態で眠っていたので三日ロスしている。でもその三日間は、夏季補習という名の全員参加の補習があったので別に損した気もしない。しかし、後一週間病院にいるのは退屈すぎる。退屈すぎて夏休みの課題を殆ど終わらせてしまった。因みに今は、夏休みが始まってから六日が過ぎている。山の皆さんには、僕が火憐に刺されたことを話し(別々にだが…)、気を付けるよう注意をした。

 「分かったそうするよ。忠告ありがとう。でも、お前も本当に弱くなったな。それとも優しくなったのか?」

 「別に弱くなったんだよ。お前のせいと言うと怒られてしまうが…弱くなったんだよ…優しくなんて…」

 「あゝ悪かった。じゃあ速く直せよ。」

 「いや、もう直した、だけど様子見だってさ。」

 「そうか、じゃあ。」

 悠河は、そう言うと帰っていった。

 ひとりぼっち…特にすることもないので課題を黙々とやる。今は昼前午前中。テレビだってこの時間は何もやっていない。アニメや、映画を見ようとしたけれど生憎買っていないし…高いので断念した。本も殆ど読み終えてしまったのでもう課題しかない。こんなに暇だとは思わなかった。お見舞いに来てくれることがどんなに嬉しいことか…。そうそう、僕の親父とおふくろも僕が気を失っている時に来たらしい。僕が気がついたらさぞかし会いたいと思うだろうけれどそれを多分…我慢していると思う…。久しぶりに子供の顔が見れて満足したのかな?親心は、分からない。窓から外を見る…。僕が住んでいる街からは少し電車、バス、車で移動しなければならないところにある病院だ。なので海が見えない。それはそれで寂しい感じがあるけれど…、やっぱりこっちのほうが少しだけ落ち着く。

 そういえば実質的に僕の夏休みって一週間病院で過ごすんだよな?残り二週間しかなくね?東京とかは八月いっぱい休みなのに僕たちは全く違う…。何この差…。同じ日本だよね?先生だって大変じゃん。もっと休みふやそうよー!こんな事言っても無理なのは重々承知なのだけれど言わずにはいられない。なんだか使命感と言うか…まあ変な感じがする。操られているような…。

 また目線を外に戻す。蜃気楼が起こっている。院内はエアコンがあり快適な気温なのだけれど外はとても暑そう…。二十度後半、暑い。絶対暑い…。日本の夏は日本の気候…温帯湿潤気候の影響で蒸し暑い。アラビア半島にある砂漠やアフリカ大陸にあるサハラ砂漠などは暑いけれど湿度が高くないので長袖を着ているが…。蒸し暑いのは勘弁してほしい。肌がベタベタする…。気持ち悪い。

 日本の夏の悪口はここまでにしよう。じゃないとこの物語自体、愚痴物語になってしまう。それで終わるのは遠慮したい。よし!話題を変えよう。

 結局と言っていいのかは微妙だが…僕を刺した張本人、田仲火憐は、未だに見舞いに来てくれていない。そりゃあ誰だって当たり前だと思うし、来る方も馬鹿だと思う。刺した側は殺すために刺したのであって、お見舞いするために刺した訳ではない。よって見舞いに来ること自体が間違っているし、場違いな行動だと僕は思っている。僕だって『コロシテヤル』と言ってしまったので警戒しているはずだ。止めを刺しに来るなら場合は、別だと思うけれど。警戒されてては、同しようもない。飛んで火にいる夏の虫と言ったところであろうか。しかし未だに来ていないので、『夏の虫』では無いらしい。でも実際に話したほうが良さそうだし…。彼女の家だって気になる。五月のあの時以来から『奴』に奪われてしまっている。多分『奴』は、陸の人間ではないと思うし、海でも山でもそらでも火でも無い…。一番言いたくないがこの中で言っていなかった地域が一つだけある…。地下…黄泉国よみのくにの住人たち…。そうあの伊邪那岐命イザナギノミコトが妻の伊邪那美命イザナミノミコトに会いに行き、変わり果てた伊邪那美命に会い命からがら逃げてきた…。の黄泉国である。因みにその後伊邪那岐命は、みそぎを行い左目から天照大御神アマテラスオオミカミ、右目から月読尊ツクヨミミコトをそして鼻から須佐之男命スサノオノミコトと言う三貴神を生み出した。

 もし、僕の考えが正しく『奴』がそこの住人だった場合。『悪霊』の事が殆どわかるような気がする。『悪霊』自体そこの住人。だとするとあの禍々しさは、説明ができる。但しただの仮説なのでなんとも言えないし…。実際に黄泉国は、あるのかどうなのか…という問題だし、あったとして皆信じないし、認めたくないと思うので無駄だと思う…。一か八かで説明してみるのも悪くないかもしれないがそれも退院してからでいいや…。ちょっと古事記などが入ってきて壮大な話になってしまったかもしれないが死後の世界の住人という事で間違っていないと思う。

 お〜すごい…。一人でいて、他の人に合わないとここまで考えることができるんだなと改めて思った。しかしそれは正しいという確証を示してくれないので自分の考えが間違っていたときの歯止めが無いということになる。だから捗るからこそその分のリスクがある。だからやっぱり周りには人が多い必要なのだと改めて思った。

 お昼ごはん…病院のご飯は、味が薄い…しょうがない事なのだけれど残念な気持ちになる。心を込めて作ってくれたのに…だから残すわけにはいかない。と決心して食す。食べ終わったら眠くなってきた…。寝ようかな?よし、寝る。

 ………時間経過………

 午後五時…睡眠時間約五時間…寝すぎました。半日無駄にしました。虚しい…でもしょうがない。まずは、火憐とどうやって接触するかだ…絶対彼女は僕を避けると思う。やっぱり時間を掛けるしかないのかなあ?

 ん?ベットの横の棚に何か置いてある…。鉢植えの花は佑がからかいに持ってきたものだけれど、その横に紙が置いてあった。差出人は…火憐だと!?何やってんだあいつ!ここに来たのか?馬鹿なのか?物凄く丁寧に書かれているが、簡単に言うと

 『この前のことは誠に申し訳ありませんでした。私の自分勝手な行動で貴方を傷つけてしまいました。何卒お許しください。そして助けて』

 という内容だった。何かのトラブルに巻き込まれていると見た。しかし僕だって入院中なので山の皆に協力してもらうことにした。病院の携帯電話使用可の部屋に行きとある有名なSNSのグループで呼び出した。午後六時全員集合。手紙のことをざっくり話した。後、黄泉国の事も。

 「分かった。協力しよう。まずは火憐ちゃんを保護する。黄泉国の件は後でも何とかなるだろう。」

 「…協力する」

 「黄泉国か(笑)あり得るかもな!よし!退院するまで任せな!」

 「ありがとう!」

 仲間がいて本当にに良かったと改めて感じた…。

 

少し古事記関係の事が出てきますが、この物語の地域の一つだと思ってくけれて良いです。なので深く考えすぎないでかる〜く読んでいただければ…と思います。さて、これから田仲家は、どうなってしまうのでしょうか?これからもよろしくお願いします。

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