参…一学期其ノ六
其ノ六です。今回は親睦会です。至らない点がありますがよろしくお願いします。
朝と言っていいかわからないが僕は太陽の光で目が覚めた。自室の真っ白な天井が目見入る。今日は珍しく雨が降っていない。布団から抜け出し自室の様子を見る…今日も畳の良い匂いがするな等と思う隙もなく、僕の部屋の様子を見た。僕が金曜日寝たときと色々と言うほど物は無いが…ゴミ箱、タンスの閉まり具合、使ってはいないけれど置いてあるギター等々…物の位置が一致していると思う。よって今日は土曜日!!布団のすぐ横に置いてある電波時計も土曜日と表記してあり、日日も一日しか経っていない。之はとても喜ばしいことだ‼いつも土曜日は、記憶に残らない位寝ているので起きられるか不安だったけどこの日はちゃんと起きれたらしい…今週の中間、悠河にアドバイスを貰った辺りから物造りを自重して余り物を造らなかったことが幸いしていたのか、でも昼…正午までは寝ていた。親睦会は、午後六時からなので間に合う。場所は、近くのバイキングレストランになった。火憐にしては良い選択だ。酷い時にはカラオケや、大人数で行くと迷惑を掛けそうなファミレスを選ぶ事があるのでホッとしている。なぜカラオケが駄目かだって?そりゃあ歌が歌えないからでしょう?実際今流行っている歌も知らないしアーティストだって知らない。そんな世間知らずが行ったら恥をかくに決まっている。後、僕自身実際に一回カラオケに行ったことがあるがあんな狭い部屋に四十人入れるわけがない。
こんなくだらない事を語っているうちに時間が立ってしまったらしい。無理矢理にでも起こそうとしてたのか火憐が重武装で入ってきた。右手にはバールのような物、左手には鍋の蓋、顔にはどこで手に入れたのか十字軍みたいな兜、体は剣道の胴と垂れ…でも長い髪の毛と、休日はいつもジャージなので火憐と辛うじて判断できた。
「火憐ちゃん…一体全体何をしているんだい?」
「あ〜!!起きてるじゃん!!いつも暁人君は土曜日に起きないから何が何でも起こそうとしていたけれど…無駄だったみたいだね。土曜日に予定してしまった私が惡いけれど…」
「おい、それ字体が違う…『惡』じゃなくて『悪』だ。しかも起こそうとしていたらそのバールのような物を右手で持ってくることないのだけれど…もしかして何処かに戦いに行くのか?」
「字体はどうだっていいじゃない。暁人だって『違う字体ってかっこいいよな!!』とか言ってたでしょう?アレ…結構引いたよ。で、戦いに行く予定だったのよ…貴方を起こすという。」
「一体どんな戦いだよ…僕が一方的に殺られるよ!!ある意味起きられないよ!後、人の恥ずかしところ出さないでくれるかな?でもかっこよくね?」
「そうとは思えないけれど…どう?まだ壱時だけれど病院行ってみる?何か悪い病気かもしれないわよ?『自分を造っちゃった病』とか。」
「『壱』なんて使ってんじゃねぇ〜よ。何?からかってんの?怒るよ?」
「もう怒こってるじゃん…」
「ん?なんか言った?」
「すいませんすいません。調子乗りました!」
「ならばよし!(笑)」
「え?今怒ったのって演技?」
「あえて伏せておきます。」
「ヒック…」
ちょっとまて!今泣かれると僕が困るけど?まだ兜してるんだよ?僕皆になんて目で見られると思う?変態か、馬鹿だよ?
「だいじょーぶ…なか…ない…」
良かった良かった…いい加減兜とれよ。どこまで気に入っているんだよ。
今は一時三十分、親睦会まで後…四時間三十分長いようで短い時間…時間なんて大体そんなものだ。長い時間だって楽しくしていればすぐに過ぎてしまうのに、面白くないと全然過ぎていかない。今ここであった時間はすぐに過ぎてしまうほどでは無かったが…楽しい方の部類に入ると思う。つまらなかったら怒るフリもしない。ささっと朝食だか昼食だが知らないが(但しメニュ!は、完璧な昼食メニューだった)食堂でそんなものを食べてまた自室に戻る。火憐も付いてきた。しかも、右手にはバールのような物、左手には鍋の蓋、顔にはどこで手に入れたのか十字軍みたいな兜、体は剣道の胴と垂れ…の格好で…無理矢理追い出すこともできるのだけれど、それをしてしまうと今度はこっちが火憐している…右手にはバールのような物、左手には鍋の蓋、顔にはどこで手に入れたのか十字軍みたいな兜、体は剣道の胴と垂れ…な格好をしなくてはならなくなってしまう。後、僕のこのマンションでの立場が危うくなる…
大体火憐の家はいいのか!!となるかもしれないが…今は周りに『悪霊』がうじゃうじゃいたので近づけないし、火憐自身そこまでして取り返そうと思っていないらしい。今更ながら語ってみた…
「暁人君?変な事語ってないで今日着て行くものを選んだら?休日は、いつもパジャマだし…黒い…かと言うと制服、学ランを着て行くから、なんか洒落たものないの?」
「生憎無いんですよ…これくらいしか…」
と言って…パーカー赤、黒が強いジーンズ、穴がいっぱい開いているベルト(ボロボロではなくてキラキラと言うか…高校生がしていそうなもの)、白か灰色のシャツ…を出した。
「うん…今日は、これくらいで何とかなりそうだね!」
「火憐はどうするの?まさかその格好で行くのか?」
「そんなわけ無いじゃない…大丈夫です!暁人よりも服持っている自信がある!」
変な事で対抗意識向けなくても…
「また、変な事思わなかった?」
「まじで…火憐ちゃん、分かるの?」
「だってそこに文字があるじゃない。」
「はぁ?どこに文字なんてあるんだ?」
「今で二千百六十七文字めだよ。この部だけれど。」
なんだこれ?この物語に出て来る長と副は、変だぞ。やっぱり天才と馬鹿は紙一重と言うししょうがないのかな?
変な格好からジャージにクラスチェンジしながら…「また変な事を言ってる…まぁいいわ。まだ二時位なのだけれども…行ってみる?バイキングレストランに。」と問うてきた。
「早くねぇか?いくら時間に遅れることを嫌う僕だって四時間も前に着いてずっと待っていると言うのは耐えがい物があるけれど…なんで行くんだい?だったら悠河や、陰人、陰娘にも知らせないと。」
「ならいいわ…五時まで待ちましょう…」
なんか機嫌が悪くなった?と思ったけれど何ともなさそうだったので放っておいた。ここから後は…会話が今までとは嘘のように無くなってしまった…よくよく考えてみると…自分の部屋に女子が一人で来てってとんでもないなこれ…火憐は女子として抵抗が無かったのか気になる。やばい、この状況マジでやばい、せめて後もう一人来てくれればこの状況から脱出できるのに……However…もう一人来たのはそれから三時間三十分後出発予定時間であった。一人でグダグダ考えている間に三十分経過していた事については驚いだ…。
「おい(笑)英語なんか使ってないで行くぞお前ら(笑)!今日だけは火憐ちゃんの頼みだからしょうがなく行ってやるよ(笑)。」
「そう…折角だから…楽しむよ…」
「と言う訳で出発だ!」
「了解」
「…了解」
「了解(笑)」
「了解」
という事で出発した。
「ねぇ…火憐ちゃん、僕は一体三時間三十分何をしていたんだい?」
「え〜とね…多分ずっと考え事をしてたと思うよ。だって私が話し掛けたって反応しなかったんだよ、何考えてたの?」
確かに女の子と二人きりのことだけで三時間三十分も持つはずが無い…一体何を考えていたのだろう?疲労回復だったら寝ている筈だし…駄目だどうしたって思い出せない。思い出そうとすると頭が痛くなる事は無いけれど…気分は惡くなる。
「分からない。思い出せないんだ…返事が無かったと言う事は寝ていた…と言う事はかな?」
「『悪』の字違うし…寝てはいないと思うよ…だって…目を開けてしかもブツブツ呟いていたんだよ。正直引きそうになったけれど…真剣そうだったから私もそこから出なかった。」
「ごめん。僕は三時間三十分時間がすっ飛ぶような経験をしたのが初めてだったから動揺しちゃった…」
「多分それも疲労回復じゃないかな?」
「悠河なんで?」
「今日は、土曜日なのにお前は起きたんだろ?だったら不思議じゃ無いよ。」
「そうか…いつもは、寝て回復をしていたけれど、今回は起きている時にそれをしていた。という事か…」
「多分ね…」
色々心残りがあるけれど…バイキングレストランに着いた。こうなったらとことん楽しんでやる。ここまで来て楽しくなかったら折角の時間が台無しになってしまう。店内に入る前に皆で集合して人数確認と参加費の回収を行った。面倒臭いが大事な事なので気にしない。
「写真撮ろうよ!」
と橋爪奏が提案してきた。僕達山(奥)は、関係が無いし、面倒臭いので端に避けようとしたところを誰かに止められた。
「駄目だよ!山の人も撮らなきゃ。」
しょうがないのでちゃんと従うことにした。因みに僕達を写真の中に入れようと止めたのが奏だった。実に意外である。女子となんて火憐としかほとんどつるんだことがなかったのにいきなり来るからびっくりしてしまった。どうやら、僕が心配していた事にはならなかったらしいので良かった…
しかし、この親睦会には、日差、佑は来なかった。やっぱり陸以外とは話したくも関わりたくも無いらしい…海斗等、海の人達も来ていたのでホッとした。
「じゃ入るよ〜」
此処ばかりは譲らないと鶴河が大声で言い店内へと入った。
……………時間経過……………
料理はとても美味しかった。それ以上でも以下でもない。途中、山の事とか陸の人達に聞かれたので話したく無いところ以外は大体分かるように説明した。結構分かってくれたので差別も和らいでくると思う。陸に嫌気が指していたけれどそこまで嫌な連中では無かった。一部馬鹿共が目立ちすぎたのかも知れない…海の人達も中々うまくやっていそうだった。めでたしめでたし。
…………親睦会終了…………
親睦会がこんなに短くて良いのか…と思うかもしれないけれどこんなくらいしか収穫が無かったから仕方が無い。でも、ピザ美味しかったなぁ〜。
そんな感想を抱いているとき、また何処からか突然現れたあの黒い物『悪霊』がこっちに向かってきた。
「悪霊だ!逃げろ!」
「キャーーー」
「嘘だろ…」
「死にたくない!」
等と悲鳴が上がっている。しょうがないので久しぶりに本気を出すことにした。
「『烈火』」
唱え、抜刀…で払った。パニックもすぐに収まった。その瞬間大歓声が起こった。結構嬉しかったです!之で少しは陸上と理解し合えたかな?そんな事を思い。鶴河の
「お疲れ様!皆で理解し合えて良かったね!皆同じ世界に住んでいるのだから同じダヨ〜!じゃまた学校で!」
と言う合図で親睦会は、終わった。僕の記憶もここで限界だった。今夜は良く眠れそうだ…
世の中にはバレンタインデーと言うものがあるらしく、もう終わったのらしいですが…なんでそんなもの有るんでしょうね…?絶対貰えない人の方が多いと思いますよ…多分…希望…
差別撤廃編も大詰め?を迎えてきました。でもまだまだ不安要素もあるし、火憐の家本当どうするんだろう?でもこれらの物語もだんだんと書いていきたいと思いますのでよろしくお願いします!




