日本武尊
(前回の卑弥呼同様。
……私も
実在する人物なのでありましょうか……)
こんにちは。
『偽志倭人伝-我が人生を語る-』
今回は私。
日本武尊が自らの人生を振り返ってみようと思います。
古事記や日本書紀を見る限りではありますが
どうやら私。独りの手により、
関東から九州を平定していく話になっているのでありますが
たぶんでありますが
(……そのようなことは無かったことが想像されます。)
もし仮に
王様でも無い私が
独りでこれだけのエリアを征服したのでありましたら
それは
英雄の話では無く、
今の日本に例えますと
本社の出世コースから外され、
地方の支社長の肩書きを付けられての出向したのち、
縁も無ければゆかりも無い。
更には勝算も無い地域の新規開拓に独り放り出される。
もしくは
グループ会社と称される
下請け企業の社長に転籍させられた挙げ句
その会社を整理すると共に
解雇の憂き目に遭う
幹部候補生の末路のような人生に見えてしまうのは
(……私の心が汚れてしまったからなのでありましょうか……)
整理しますと
本社の営業一課配属。
順調に実績を上げ、いよいよ取締役も見えて来たか?
のところで突如。
最近成績の芳しく無い九州支社の支社長就任を命じられる。
九州を立て直すと今度は
出雲支社長に転勤。
数年後。
これまで全くと言って良いほど
市場を持っていない
関東地方の新規開拓を命じられ、
身を粉にして働き続けるも
長年の過労が祟り倒れ、
この世と別れを告げることになる。
(……そんな人生だったんだな……私。)
仮に今のように
三権分立が確立している世の中でありましたら
私の死後。
過労死が認定され、
多額のお金が支払われることになったとは思われるのでありますが
仮にそうなったとしましても
(……死者は戻って来ませんからね。)
と言うことは
(……そのお金を本人が使うことは出来ないのでありますからね……)
次に
わたくし。ヤマトタケルが
如何にして相手を倒したのか?
に出て来ます話題にしましても
いかにも英雄の出来事として記されていますと
格好の良い話に聞こえるかもしれませんが
これを今のサラリーマン社会に置き換えてみますと
取引先を接待する際、
どのようなことをすれば
相手が喜んでくれるのかを事前にリサーチし、
その取引先がたまたま女装をした男性が好みの場合は女装をし、
ライバル企業とのつばぜり合いの際には
あらかじめ相手側に罠を仕掛けましたりするなど
(……お父さんは、こう言うことをして君たちを養っているのだよ)
職場には子供を連れて行かないほうが良い。
ような事柄をして、会社にしがみついているのが
実状なのかもしれませんね……。
これがまだ
元々土地勘のある場所
(大和朝廷から見た場合西日本)
であれば
まだ良いのでありますが
その西側を治め直したあと
待っていましたのが
これまで全くと言ってよい程
予備知識の無い東日本への派遣。
その結果。
疲れたのでありましょうか……。
それとも土地勘のある
都の近くまで辿り着いたことから来る
油断からなのでありましょうか……。
最期。私。ヤマトタケルは
ほぼ丸腰の状態で伊吹山へ挑み……。
(……出世しないほうが幸せなのかもしれませんね……)