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Fragments of love

I wanted you to come back early.

作者: ちくわ。

連日投稿です。ホントすみません。まだ書きたい話がいっぱいあるんです!今よりもっと良い話を書けるように努力するので温かい目で見守ってくださると幸いです。

誤字訂正。というかタイトル間違えるとかw穴があったら入りたいです。

最近、妻の機嫌が悪い。彼女の好きなテレビ番組について話してもツーンとした態度を取られる。新作スイーツも、流行にのったファッションも全然効果が無い。何か大切なことを忘れているような気がするけど思い出せないし、一体俺が何をしたって言うんだ!


大成ひろなりさん、明日の朝、ゴミ捨て頼みますね。」

「え・・・あ、うん。」

妻は普段俺のことをさん付けで呼ばない。結婚2年目なのにまだ呼び捨てが慣れないのかたどたどしく、でもちゃんと呼び捨てで呼んでくれる。なのに今は・・・。

「大成さん、聞いてますか?」

彼女の声がイラつきを帯びているのはすぐに分かった。だから機嫌を直させようと、

舞美まみ、今度の日曜日に映画に行かないか?」

と彼女の見たがっていた映画のチケットを取り出し、誘ってみる。しかし、彼女は取り合ってくれない。

この作戦も失敗だ・・・。また次の作戦を考えよう。


次の日、仕事終わりにケーキを買ってきた。彼女の好きなショートケーキだ。しかも毎日行列が絶えない店の人気商品で3時間待ってもなかなか口にできないと会社の若い女の子が言っていた。これならいけるだろう!そう思っていていたが・・・。

いざプレゼントしてみる。妻は資源を無駄にしないためなのか、確かに食べてくれたものの嬉しそうな素振りは見せてくれなかった。

そのまた次の日。積極的に家事に参加した。皿洗い、風呂掃除、Yシャツのアイロンがけなど・・・。普段、家事は妻に任せきりのところがあった。こんなに大変だなんて想像もしていなかった。それらの仕事をさらりとこなしてくれていたなんて。

・・・ありがとう、本当に。

俺は心の中でそう思った。でも妻の表情が変わることはなかった。


とうとう日曜日を迎えた。本当は二人で映画を見に行く予定だが、まだ仲直りが出来ていないので気まずい雰囲気が漂う。とっても話しにくい。

どうしてなんだろう、ただ貴女の笑顔が見たいだけなのに。

「舞美、どうする?映画の話なんだけど。」

「そんなに行きたいなら一人で行ったらどうですか。」

妻の冷たい一言が心にグサッと刺さる。で、でもここで押されるわけにはいかないんだ!

「何でそんなに冷たくするの?何か言いたいことがあるんじゃないの?だったらさ、言ってよ。何のための夫婦なのさ。」

この一言に妻は一瞬ビックリして、しかしすぐに無表情になる。


「・・・。」

「・・・。」

話が途切れてしまった。俺がこのままだと何も変わらないとあたふたしていると、彼女は溜め息をつき、呆れたような目つきをしたまま俺の方を見て言った。

「・・・じゃあ言わせてもらいますけどね。この数日、貴方は私に何をしましたか?」

「え?」

何を言い出すかと思えばそんなことか。びっくりした、何を言い出すかビクビクしてたから。

「舞美のためにケーキを買ってきたり、家事のお手伝いに努めたりしていたよ。」

俺は嘘偽りなく素直に答える。でも妻の顔は般若のお面よりも恐ろしかった。(・・・って思ったことが本人にバレたら、俺の命はないであろう。)

「と、いうことは大成さんには私を物で釣らないと機嫌を直してもらえない、そう映っていたんですね。」

そう言った妻の声は氷とは比べ物にならないくらい冷たかった。

「ち、違うよ!そんなんじゃない。ただ俺は―――。」

妻の言葉の威力が絶大すぎた。すっかり俺はうろたえてしまう。

「何?なんなの。」

俺のことを催促する声が聞こえてくる。その勢いに負けないために、すうー、はあー。ゆっくり深呼吸を行う。ふう、大分心が落ち着いてきた。そして自分の本心を伝えた。

「―――舞美の喜ぶ顔が見たかった、それだけ。」



俺の言葉が終わると同時に舞美は泣き崩れた。うう、と必死に涙をこらえているのが分かる。そんな彼女がなんとか絞り出して言った。

「だ、だったらさあ!・・・ひっく。結婚記念日くらい。・・・早くさ、帰ってきてくれてもさ。いいんじゃないの?」

「!」

あっ!妻の機嫌が悪くなった日の前日。あの日は俺たちの結婚記念日だったのか。大事なことってこれのことだったのか!


確かあの日の朝―――。

「ひ、大成。今日は早く帰って来られないの?」

「あー、今日は無理だな。会社のお得意様と飲みに行く用事があるんだ。」

そう言うと彼女は風船のようにしぼんでいった。声もそれに比例して小さくなっていく。

「あっ、そうなの・・・。」

あの時の彼女の顔はどこか寂しそうだったが俺は全く気にする様子もなく仕事に行ってしまった。


だからか!やっと謎が解けた。・・・なら自分がしなければいけないことはただ1つ。

「ごめんなさい、俺舞美の気持ちを考えてなかった。しかもこうしたら舞美の機嫌が直るだろうって自分の意見を強引に押し通そうとしてた。ホントにごめん。・・・そして、ありがとう。」

謝罪と感謝の気持ちを誠心誠意伝えようとする。ちゃんと彼女に届いたか不安がったが、

「いいの、私も冷たい態度をとってしまったし、困らせちゃった。大成だって毎日お仕事を頑張っているのに私の我が儘を聞くなんて大変だもんね。だから私もごめんなさい。」

と言ってくれたのでひとまず仲直りができた。

許してくれたとはいえ、それだと俺の気が済まない。そうだ、悲しませたお詫びにちょっと聞いてみよう。

「何か欲しいもの、ある?」

すると彼女はふふっと笑い、

「ものはいらないわ。ただあなたが早く帰ってきて欲しいだけ。・・・まあ、出来る限りの範囲でいいからね。」

不意にそう言ってきたので「可愛いなあ、もう」と口を滑らせてしまった。それに対して彼女は、

「これからも可愛い嫁でいるからね。」

と約束してくれた。

そのあと二人で「ゆーびきりげんまん、うそついたらはりせんぼんのーます、ゆびきった!」と大声で歌った。まるで童心に帰ったようだった。



「さあ、舞美。僕と一緒に映画に行ってくれますか?」

緊張する。まるでプロポーズしているみたいだから。その結果は―――。

「どうしようかな~。」

彼女は可愛く首をかしげる・・・って、え?えええ、ダメなんですかーーーーーーーー?!!!

混乱する俺に向かって彼女は、

「うっそー!一緒に行こう!」

元気良く言うものだから、もうバカバカしくなって、でもちょっと悔しい気持ちになったので妻の頬に触れるだけのキスをした。

「え?」

今度は妻が混乱した。これでおあいこだ。

「なんだよ、行ってきますのキスくらいしていいだろ?」

拗ねたように言ってみると「不意打ちはよくないよ。」とお返しされた。


結局、玄関先でじゃれあっていたおかげで映画の上映時間が過ぎてしまっていたことに全く気が付かなかった。



連日キスネタって・・・ww

本当に変態ですねwごめんなさい!

私はただ、「私はあなたに早く帰ってきて欲しかったのです。」が書きたかったのです。どうしてこうなったw

ここまで読んでいただきありがとうございます!

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