1話
大幅な改編をいたしました。
これから全ての話もしたい思いますのでよろしくお願いします
「やった!やったぞ!ついに俺はやったんだ!!」
孝作はボロボロになりながらも、魔王ザンダクルスを倒した。
孝作は元々この世界の人間ではなく、日本のごく普通の高校生であったがいきなり異世界トリップと呼ばれる物に巻き込まれて、この世界にきてしまったのである。
だが、幸か不幸かチートと呼ばれるものによって勇者となり、今まさに魔王を倒したのである。
「これで、みんなが幸せに暮らせる世の中ができるんだ!」
孝作と魔王ザンダクルスが死闘を繰り広げた場所は何もかもが破壊されており、最も頑丈とされているアマルガム鉱石で作られた床や壁がまるでクッキーのようにバラバラにされ辺りに飛び散っている。
そして、ふらふらになりながらも孝作は魔王ザンダクルスの胸に深く刺さっている聖剣エクスカリバーを引き抜き、最後の力で転移魔法を発動し魔王城を後にした。
「みんな…俺…やったよ!
魔王を倒したよ!」
孝作は全てが終わり元の世界に帰れると歓喜した様子で仲間たちに笑顔を振りまいている。
仲間たちもこの喜びを分かち合ってくれると信じて…。
「そうかやったのか!」
孝作を魔王城の外で待っていたのは4人の仲間たち。
右から光の国出身聖母マシュリン,火の国出身魔術師ギィ,武の国出身剣士アトラス,氷の国出身魔術師アリス。
この4人と孝作を合わせて5人でパーティーを組んで様々な困難を乗り越えてきた。
時にはお互いを庇い,奮起し、力を合わせて今までを生き抜いてきた…。
しかしアトラスはゆっくりと自慢の愛刀である天叢雲剣を引き抜き、立つのがやっとである孝作に切りかかる。
「ごっ苦労さん!」
「ぐはっ!」
いつもの孝作なら軽々とよけているが、魔王ザンダクルスと戦い限界まで消耗した孝作に避けるすべは無く利き腕である右腕を斬られ鮮血を辺りに撒き散らせていた。
孝作は今起こった現状を頭の中で理解できず、とぼけた顔をしている。
どういうことなんだ?俺は何をされたんだ?え?
「な、なに、を?」
信頼していた仲間に裏切られた絶望と今までの体力の消耗により声にもならない声でアトラス問いかけた。
「な、なに、を?っだってさ。わははははははははははは!」
アトラスは孝作の絶望に満ちた顔のマネをしながらアトラスは腹をおさえて笑い始めた。
アトラスが笑っているのを呆然と見ている孝作の足元に魔法陣が構築されていった。
「わしもいっちょやらせてもらおうかな、【火地獄】」
「ぐぎゃゃゃゃゃゃゃゃゃっ!」
火地獄は対象の体を燃やし付くし術者が魔力の供給を絶つまで永遠と燃え続ける火を出す魔法であり、それによって孝作の体の一部は炭化し皮膚が焼けただれて元の面影はない。
アツイアツイアツイ…。
マシュリン治癒魔法を、君なら…。
「た、たひゅひぇえ。」
喉まで焼け、息を吐くのもままならない状態で最後の力を声をあげる。
「もちろんよ」
マシュリンは笑顔で孝作を向かいいれ孝作に向かって治癒魔法を発動した。
が、孝作の喉だけを治癒するとマシュリンは離れていった。
「さぁ、いい声を聞かして。」
「マシュリンどうして、僕たちは愛を誓い合ったじゃないか。
君は僕を愛してくれるって言ったじゃないか。」
マシュリンと孝作はお互い将来を誓い合った相手でおり、光の国の王も公認されてた。
「あぁ、そんなこともあったわね。
でもねごめんなさい。あれは嘘なの。
だいたい私には許婚がいるのよ。
でもねいいじゃない、少しの間だったけど私と付き合えるなんていい夢を見れたのだから。」
へ?嘘だろ。お互いあんなにも愛し合ったのに。
いつも不安なとき俺を支えてくれたのも嘘なのか。
初めて人を殺めた時も、村を助けれなかったときも、魔王と戦うときも。
声がでるはずなのに口をパクパクしていた
「そろそろキモイ」
「ぐふぅ!」
無常にも孝作の腹部にアリスが精製した氷のつららが突き刺さった。
つららは凹凸が目立ち明らかに孝作を苦しめるように歪な形になっている。
「そうだなそろそろ飽きたし死のうぜ」
アトラスが本気で孝作の顔面を蹴り上げた。
「じゃあな」
「ではな」
「さようなら」
「キモイ」
孝作は仲間であったものたちに嬲り殺ししされ憎悪に満ち溢れながらしんだ。
殺す殺す殺す絶対に殺すアトラスは足から体を1mmづつ斬り刻んで殺す。
ギィは10日火あぶりにして殺す。
マシュリンは治癒して殺し治癒して殺し治癒して殺し…殺し。
アリスは心臓に刺さないように細い針を全身に刺して刺して刺しくって殺す。
絶対に殺す。
孝作は憎悪を残し、暗がりの中に入っていった。
「さぁーって、これでこの世界がやっと平和になったな。」
「そうですね、これで胸を張って帰れますわ」
「王にも報告できうれしいわい」
「寝たい」
もはや肉塊となった孝作を残し4人は、談笑しながら楽しそうに帰っていった。
読んでくださりありがとうございました。