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エピローグ

あれから二日がたった。

今では再び僕らは学校生活の中で普通の日々を過ごしていた。

あんなでたらめな出来事が通り過ぎた後でも、以外に僕らは普通の日々を普通に送ることが出来ていた。

てか、僕の頭には既にあの日の記憶から消えていた。消し去っていた。

しかし、消えていた記憶なのだが、深雪が話題を再び振ってきたために嫌々ながら記憶を取り戻す。

「はっはは!私たち優勝だよ!優勝!」

深雪は笑顔で優勝の文字を連呼していた。

今は放課後で場所は、いつものように屋上である。

ちなみに、結果からして第一回学園イベントの優勝は僕と深雪になった。

故に深雪はと言うと――――。

「はっはっは!一番!一番!次は日本一をめざすわよ!」と―――――このありさまだ。日本一って桃太郎にでもなるつもりであろうか?

「ほら、白沢ももっと喜びなさい」と深雪。

「お前は喜びすぎだ。二日前の出来事を今さっきのようにはしゃぐなよ」

「何言ってるのよ!思い出は大切なのよ!思い出は体と共にって言うじゃない?」

「都合よく言い換えるな。思い出は心の中にだろ」

と僕は普通につっこみを入れる。

対して深雪はあれ?そうだっけ?と笑顔で言っている。

全く呑気なものだ。

結局、前日の出来事は死人の出た事件になっていた。しかし、警察など国から取り調べが下らなかった。

それは何故かと言うと、どうやら裏で色々と危ない組織が絡んでいたことが明らかになった。無論、これは秘密事項であり、公開されてはいない。

えっ?僕が何故、知っていのかって?さあ?なんでだろうな。―――――。

だが死んだ奴らの処理がどうなったのかは、よくわからない。

一般に公開されたのは死者はゼロとだけである。

まあ、実際には死者は五人。内一人は僕が殺している。

それなのに何事もなく優勝の肩書きを抱え上げているのが不思議なくらいに異様である。

あっ―――――。そういや、僕はイベントが終わって、表彰式が終わった後に校長と会話を行なった。


「ああ、白沢朝奈くんだね!優勝おめでとう」

「―――――」

校長は握手を求めてくる。僕は、その手を握らない。しかし、向こうから無理矢理手を取ってくる。

「ほら!おめでとう!」

「―――――」

手をぶんぶんと揺さ振るように振らされた。

「なんのつもりですか――――?」と僕。

「何のことだい?」と校長は白々しく首を傾げさせる。

「―――――。なら、何の目的でこんな馬鹿みたいなことを行なったんですか?」

「馬鹿なこと?うーん………きみには馬鹿に見えたかい?」

「少なくとも良くは見えなかったですがね」

「そうか。そうか、どうやら自分に制限をかけて生きれる人間のようだ。――――。でも、つまらない世の中で自分を押さえられ無い人もいるんだよ。きみのようにはなれない人もいるんだ。だから、こんな馬鹿でくだらない中でも輝きを欲したい。欲するあまりに周りが見えない。人を殺しても、輝きを見せる。欲望の果て――――――。きみには判らないかな?」と校長は言った。

「―――――」

僕はしばらく間を取って考えて見せて――――。

「判りかねませんね」と返す。

「では深雪が先に行って待ってるんで失礼しますね。待たせると、うるさいんで」と会釈をして横を通り過ぎる。

すると―――――。

「ふふっ、きみはこれからいそがしくなるよ」と通り過ぎる間際に校長は僕にそう言った。

僕はそのまま足を止めずに歩き去っていった。

これが僕とあのクソ校長の初めての会話であった。


「白沢?」と名を呼ばれて我に返る。

「どうかしたの?」と深雪が僕に言ってくる。

「さあな」と僕。

「何それ?おかしな白沢。まあ、おかしいのは前々からだけど」

「喧嘩うってるのか?」と僕が言うと。

「売ってるんです!」と屋上の扉が開き、橋場さんが登場。いやはや、忙しいな橋場さんも―――――。

「私はあなたに優勝は譲りましたが、勝負には負けてません!何故なら!イベント中に私は白沢さん!貴方と勝負をしてないからです!」と橋場さんは荒れている。あんまり荒れてるとスカート捲れるよ。と言いたいが言えない。

「ああ、でも作戦勝ってことで僕の勝ち」と僕。

「なっ!策とは卑怯な!おのれぇぇ!公明!」と橋場さん。

このごろ橋場さんもいろものキャラになってきたなと僕は関心。

「とにかく!またリベンジマッチをしてもらいますからね!」と橋場さんは言い捨ててどっかに消えていった。

「――――――」

「白沢もてるわね」

「そうか?」

「でも、私が一番愛情たっぷりだけどね」

「―――――」

「愛してるわ白沢」

「―――――」

と日常に再び戻っていく僕らの生活。

日常の中で恨みや、憎しみ、欲望、好奇心――――さまざまな思いが生まれては消える。

校長の言った意味はよくわからないが―――――僕らは、もうかしたら殺し合うことでしか生み出せない生きものなのかもしれない。でも――――――。

僕は―――――。

僕らは――――――。

この空の下で。

この空の果てで。


「あっ、ところで須原くんは?二日前から会ってないんだけど」と思いついたように尋ねてきた。

あれ?滝?

―――――――。

「―――――知らん」と僕は答える。

滝の心配なんて考えているだけ無駄だな。僕は少し微笑して再び空を見上げた。




「はっ!ここどこだ!」

俺は目を覚ましたときには休校舎は静かになっていた。

『あっ、滝くん。やっと目覚めましたか?』と目の前には退屈そうな顔の唯。

「今いつ?」

『あれから二日後です』

「なっ!何で誰も起こしに来てくれないんだ!」

『さあ?』

「って二日?二日後―――――ってことは今日テスト――――――!今何時ですか!」

『四時半です。もちろん夕方ですよ。追試決定ですね』と可愛くガッツポーズをとる唯。

「て!あんまりだああああああ!」

休校舎での叫び声は校内中にしばらく響き渡っていた。

『赤色の空の果て2』2巻目である赤色の空の果てももう終わり。おかげさまでアクセス数も2千近く上がりました。今からは夏休みです。僕はこの夏休み中にもう一作新連をしようと思います。よかったら、そちらな方も見てくれたら嬉しいです。あと、感想を書いて頂けると山中のやる気が3ポイントアップします。笑。。では、また。。

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