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七、やっと民間人に…表だけだけど…

 1935年8月30日付で海軍予備役(少佐に昇進)となって、二人は予てからの計画を実行に移した。このことは、海軍省も了承済みで既に準備が出来ていた。




 1936年4月・静岡県清水港付近



 清水港付近に、三階建ての事務所を持つ新興輸送船会社のビルがある。



 社名は、「遠州海上輸送株式会社」…ちなみに、社長は山口 静巴で船団長は山塚 源三郎である。社員は男性15000人・女性20000人の計35000人の大規模企業である。



 保有船舶は、輸送船三隻・貨客船一隻・油送船六隻の計10隻。業務は、海上における輸送業務と欧米・亜細亜等への旅客業務を主に、造船部門や自動車部門・航空機部門・造兵部門等々の多岐に渡る。



 だが、これは半分ダミー企業である。証拠に、男性社員15000人の内5000人が予備役海軍軍人(兵学校・大学校出身者を含む)である。女性社員も20000人の内7500人が海軍で三年間兵役に服して予備役となった者達である。余談だが、女性も源三郎と静巴が海軍兵学校へ入学した時期に、女性にも兵役(陸軍一年・海軍二年)を義務付けた。



 発注の船も、まだダミー企業のような存在である〝遠州海上輸送〟という発注元が発注と設計図・最新鋭機材を送り出して、七隻を建造した。それが貨客船一隻と油送船六隻である。



 詳細は追々説明するとして、先ずは社長・船団長室を見てみよう。




 05:50・社長船団長室



「…さて、これで何とか航海スケジュールは完成だな」


 船団長である源三郎は書類にサインをして溜め息を吐く。



「しかし、今度は三菱さんからの九六式艦戦(艦上戦闘機)の納入か…堀越さんから魔改造依頼って…親しくなったから身分を明かしたとは言え…」


 因みに、この世界の九六式艦戦は以下のスペックである。




九六式艦上戦闘機


全長7.11m×全幅11m×自重1300kg(正規全備重量1900kg)


発動機:三菱 金星三型改二空冷一四気筒×一(800PS)


最高速度:510km/h・航続距離2000km(増槽付)


乗員一名、武装:12.7ミリ機銃×二、30kg爆弾×二又60kg爆弾×二


 以上、重量・発動機馬力・最高速度・航続距離・武装が相違点となっている。



 そこからの魔改造…



「試作にある1500馬力のエンジン積むか…いや、止めとこう…只でさえ、これ小口径に固定脚だし…てかあれは三菱さんとの共同開発だし…」


 結局悩んだ末、引っ込み脚+発動機1050馬力のエンジン換装にして、書類にサインをする。



「そんで1500馬力エンジン…空冷はまだ言いとして、水冷がまだまだ改良の余地ありか…」


 船団長という肩書きだが、本職は発動機にも言える。



「どうされましたか?」


 そこへ、一人のメイド服を着た少女が源三郎の横に現れる。



「おお、天ノ川…水冷式の発動機でちょっとな…」


「船団長は船団の指揮をしていますが、これもやるとは…」


 少女の名は天ノ川。そして…



「技術畑出身だからな…それより、大和丸とか起こさないのか?」


「先輩は疲れて寝てますしね…」


 …貨客船:天ノ川丸の船魂でもある。服装がメイド服なのは、彼女が貨客船だからである。



「だな…昨日、シアトルから帰って来たばっかりだしな…」


 源三郎は苦笑して席を立つ。



「さて、静巴さんを起こさないと…」


「あ~…」


 何故か、天ノ川は自分の胸を見る。



「ありゃ忘れろ…」


「あれは忘れられません…」


「だろうな…」


 天ノ川と静巴の間に何が起こったかは、皆様の御想像に御任せします。



「まあ、ロイヤルミルクティーでも淹れてくれ」


「畏まりました」


 天ノ川は、ベットの反対側にある紅茶セットに足を運ぶ。



「静巴さ~ん、起きてくださ~い」


「う、う~ん…おお、源三郎君…おはよう…」


 静巴は片目を擦りながら、体を起こす。



「おはようございます。今、天ノ川がロイヤルミルクティーを淹れてますよ…」


「おお!天ノ川君のロイヤルミルクティーを美味だからな!!」


 源三郎の言葉に静巴は朝からテンションを上げる。




 数分後、天ノ川がロイヤルミルクティーを持って来た。



「ロイヤルミルクティー、御持ちしました」


「ありがとう…」


「ありがとう!」


 源三郎と静巴は、天ノ川からロイヤルミルクティーを受け取る。



「良い香りだな……………うん、強くもなく弱くもない甘さが良いな…」


「…美味しい…紅茶の苦さとミルクのまろやかさ…特にミルクが天ノ川の母にy」


「「はい、それ以上言わないで」」


 静巴のレッドゾーンワードに入る前に阻止する源三郎と天ノ川であった。



「………御馳走様…しかし、天ノ川君?」


「何でしょうか?静巴さん…」


「前見た時より大きくなった?胸?」


 その瞬間、静巴が天ノ川の後ろに回りこんで天ノ川の…豊胸を鷲掴みにして優しく揉み始める。



「ちょっ!?止めてください!!///」


 天ノ川は抵抗するが…



「良いね良いね…もっとやりったいな~♪」


「ひ、ひぇ~~~///」


 まあ、抵抗すればするほど弄りたくなるというお決まりがあるだけだった。



「う~ん…E?」


「わ、分かりませんよ~///ああ~ん///」


 ここまでやられて、天ノ川は息が上がる。



「静巴さん、そろそろ止めた方が良いんじゃないっすか?」


「もうちょっと…」


「止めなさい」


 源三郎が若干殺気を込めた目線を静巴に送った。



「「はい、申し訳御座いません」」


 静巴だけでなく、天ノ川も正座をしてしまった。



「………今日も仕事を頑張りましょう」


「「は、は~い」」


 今までの雰囲気は何処へやら…






 こうして、一日はこうして始まる。

 御意見・御感想、御待ちしております。

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