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四、結局海軍兵学校へ…何?横須賀にもあるですと?

 1931年…それは、大日本帝國の終焉の始まりであったとされる、十五年戦争の始まりの年であった。



 それが1931年9月18日に起こった軍事的出来事…満州事変である。



 中国東北部での軍事衝突が、抗日運動激化と欧米列強対立深刻化をさせ、後の日中戦争・大東亜戦争(太平洋戦争)の遠因にもなった。



 結局、関東軍は翌年1932年2月半ばに満州全土を占領し〝満洲帝國〟を建国するに至る。



 しかし、史実では〝満州国〟として建国してないのがこの世界観での特徴である。



 これには源三郎・静巴の暗躍が見え隠れしていた。



 二人は、大胆にも昭和天皇陛下(以降今上陛下)と会合して大日本帝國・日本国の歴史を話し、今後に予定する大まかな大胆不敵の改革の道筋を伝えた。



 今上陛下はじっくり考えた末、それらを容認して皇室自ら後ろ盾となることを決断した。まあ、納得させるのに携帯一台・PC一台で十分だったが…



 その後、今上陛下の勅命で関東軍に満州地域での軍事行動黙認と引き換えに、完全独立国家として満洲帝國の建国を命じた。



 関東軍は、今上陛下直々の勅命と有って従う他無かった。その上、密かに源三郎と静巴は海軍の一部の上層部と共同で、陸海軍の大馬鹿高級将校等の排除に活躍した。後ろ盾は勿論今上陛下である。






 1932年4月1日・横須賀海軍所属のとある施設



 源三郎と静巴は、海軍の第一種軍装に身を包んでいた。



「…どうしてこうなったんでしょうね?」


「君が海軍に行きたいと言うから私も着いて来たではないか!」


「そっちじゃありませんよ…」


「?」


 源三郎は、可愛げに首を傾げる静巴にある施設を指差す。



「海軍兵学校が横須賀にもあるということですよ…」


 この世界には、江田島だけでなく軍港の横須賀・舞鶴・呉・佐世保にも海軍兵学校が設置されていた。それに、横須賀は開校当初から少数ではあるが女性士官の登竜門として、女子の募集も熱心である。



「まあそれは兎も角、帝國海軍軍人たるものを獲得するには持って来いですけどね…」


「して、去年の四月開校だからな…私達は二期生になるのか…」


「そうなりますね…」


 そして、二人は入学式に出席する。



 因みに静巴は将校課程を、源三郎は技術課程を受講することになっている。



 だが、この二人は学生だが半分は技師として休業日や長期休暇期間を使って様々な工廠や工場へ出向き、指導や開発参画を過ごすハードスケジュールという、生活を送るのだった。



 源三郎は技術面では今にでも卒業しちゃっても良いレベルである。だが、そこは海軍軍人の資質不足なので出来ないが…



 静巴は入学前に、関った将校等と遊び程度の兵棋演習をやって連戦連勝という…海軍将校を驚かせ泣かせのえげつない(?)ことをやっていたようだが。こちらも海軍軍人の資質不足ということで、海軍兵学校で養うことに…






 ある日・横須賀海軍兵学校学生寮



「やっと浅間型巡洋艦の設計が終わった…疲れる…」


 源三郎は、個室制の学生寮で艦艇の設計を終えてPCを金庫の中に入れる。



「ふぅ~」


 そして、そのままベットへダイブする。



「幾ら日本の為とは言え…中島さんの所行ったり、三菱さんの所行ったり、愛知さんの所行ったりと…中々きつい…」


「何がきついんだ?」


 その時、多数の勲章を着けた歴戦将官の様な第一種軍装を身に纏った20歳代の金髪女性が現れた。



「ああ、これは三笠長官殿…」


「三笠で良い…源三郎、最近また外出が多くなったな…」


「あなたも横須賀のドックを見て、新しい()はまだかまだかと眺めているんじゃないんですか?」


「バレてたか…」


「バレバレです」


 お分かりの方も居るだろうが、三笠とはあの日本海海戦で連合艦隊旗艦を務めた戦艦三笠の艦魂である。



「まあ、未来から来たとは言え、改革は容易では無いぞ?」


「人事制度改革で幾分マシになりましたよ…」


「だが、相手は巨人の米国か…ん?そう言えば、浅間型巡洋艦と言ったな?」


「そうですが…」


「あやつらを新しい(からだ)に?」


「それは御想像にお任せします」






 その後も海軍兵学校での生活が続く。

 御意見・御感想、御待ちしております。

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