四一、日米戦!!~ソロモン返り討ち作戦発令!!・前哨戦~
更新が遅れてしまい、申し訳御座いません…
1942年6月5日、トラック諸島春島第一整備ドック
防御力向上及び機関出力増強の改装を施した戦艦天城がドックから出渠した。
「…これで基準5000屯追加の満載6000屯追加…ついでに2万馬力も追加か…かなり無茶したな…」
源三郎は、天城の変更要項を見て呟く。その後、第一段階終了の大本営からの通達書を一瞥する。
「さて、次の作戦は…八月からか…」
そして、軍令部及び連合艦隊司令部からの第二段階発令及び作戦書を手に取る。
「史実のウォッチタワー作戦…これを阻止しなければ…」
内容は、「南方作戦(第一段階)終了を決定し、第二段階を実行されたし。攻略地点は初期R・他は必要かつ国際法に抵触しない範囲で行うこと」と書いてある。
「…R以外に何処やれって言うんだよ…」
源三郎には策がある。だが、その策は現段階では出来ない。
「艦長!諜報局より入電!飢餓が始まった!以上です!!」
「分かった。それと受信記録と受信内容を抹消してくれ。それと、これは他言無用で」
「了解しました。失礼します」
通信士官が諜報局からの電文を源三郎に伝えて、艦長室から出て行く。
「さて…何処までやれるか…」
源三郎は、舷窓から見える海を眺める。
天城の改装が終わったのを機に、今度は第二機動艦隊全体で戦艦・巡洋艦部隊は夜戦訓練を、空母・駆逐艦は航空戦訓練を実施する。
7月2日、米軍はウォッチタワー作戦を発令した。
海軍の参加戦力は戦艦六・空母二・巡洋艦三他駆逐艦多数(本拠地はオーストラリアのシドニー港)…だが、戦艦は旧式であり…まあ、まだそれだけなら良かったかも知れないが…艦隊総員の士気はガタガタである。本当なら、新鋭戦艦のサウスダコタ・インディアナを連れて行きたかったが慣熟訓練が終了しておらず、マサチューセッツ・アラバマ又エセックス級空母一番艦エセックスすらも竣工状態ではなかった。
そして、再々編成された米海軍太平洋艦隊の第17任務部隊司令官:フランク・J・フレッチャー海軍少将は頭を悩ませていた。
ウォッチタワー作戦の布石であるガダルカナル基地建設に関して、飛行場の建設及び戦力整備完了までは第17任務部隊が予想される敵艦隊侵攻阻止を担当することとなっていたのだ。フレッチャー少将は、今の戦力では正直一回きりの侵攻阻止しか出来なさそうだと思っていた。第二機動艦隊がトラック諸島に、機動打撃艦隊がジャワ島に睨みを効かせているのだ。
まあ、距離上ガダルカナルに直接的な危険は無いのだが、ラバウルが直接危険に曝される為その後方基地若しくは代潜基地としてガダルカナルに飛行場を建設する…というのが半分本音と言ったところだ…
だが…
同日05:00、ラバウル米軍基地
先月まで噴火していた火山も鳴りを潜めて、火山灰の掃き掃除が無い日々が続いた。
「フア~マイケル…起きてるか?」
「ああ、ジョン…起きてるぞ?ジャップが来ないから、ここで戦闘機の整備して暇つぶしだよ」
「そうか…まあ、俺もだがな…」
二人は戦闘機の整備をして時間を潰していた。
その時、航空機の飛来してくる音が聞こえて来た。
「あれ?こんな朝っぱらから航空機なんて来る予定が有ったっけ?」
「ジョン…今日はB―17が来るとか言ってなかったか?」
「ああ…そうか…って、B―17ってこんな音だっけ?」
ジョンが聞いたことのあるB-17とは違うものだった。
何故なら…
「う~ん…オイッ!あれジャップだ!!」
ジョンが叫んだと同時に何かが落下しその落下物は爆発した。
「ジャップの空襲だ!!」
だが、ジョンやマイケルが状況を把握した時には、空に多数の連山が飛行していた。
そして、次々と飛行場に爆弾を落として行く。
05:30、ラバウル沖20km
「よし!揚陸開始準備!!」
海軍陸戦隊が揚陸艦から大発で一斉に上陸地点を目指していた。
戦艦天城艦橋
「上陸予定地点に艦砲射撃!陸戦隊に上陸から死なせるな!!」
〝おう!!〟
艦長である源三郎の下命に、砲術科は大声で答える。
「さて…戦闘爆撃隊は敵地上戦力の撃破に専念だな…」
数時間後、ラバウルの司令施設には星条旗ではなく旭日旗が翻っていた。
「こうもあっさりだが…中々だな!」
「油断は出来まい…既にガダルカナルには敵勢力が上陸したとか…」
「こりゃ益々進撃…まあ、ガダルカナルへは挺進部隊を派遣しましょう…交替交替で」
静巴・依子・源三郎の順でそれぞれの感想を口にする。
そして、数日後には豪州自治政府から対米協力破棄の申し出を受けた。
日本は、ソロモンから米軍を吐き出すまで待ってくれれば対米協力破棄を承諾すると回答した。
「意外に早いな…」
源三郎は報告書を見ながら関心していた。
「えっと…ほうほう、大英帝国様からの御達しで…確か、今の欧州情勢は風前の灯で英独仏が連合を組んでやっているからな…」
「源三郎君…急な話だが、艦隊全艦でガダルカナルの敵勢力を一掃しないか?」
源三郎が裏事情を理解した時に、静巴がやって来た。
「…マジっすか?」
「勿論、急とはいかない…ソロモンの戦いが始まると同時に終わらせる…」
「確かに…侵略が我々の目的ではありませんからね…」
その後、早速源三郎は作戦概要を纏めた。
それは機動打撃艦隊をも巻き込みかねない作戦だった。
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