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特別章!トラックでの休暇!!

 今章はちょっと(所じゃないけど)現実から離れます。


 新米士官さんから許可を頂き、「大逆転! 大東亜戦争を勝利せよ!!」から四名のゲストを御招きしております!!

 1942年5月1日、南方作戦完了。



 五月三日、トラック諸島春島第一整備ドック



 ここ第一整備ドックでは戦艦天城が入渠している。そこでは、若干装甲の不足が懸念された為追加装甲の取り付けと機関出力増強を行っていた。




「しかし…山本長官は手が早いな…期限切れとほぼ同じくして整備ドック作っちまうんだからな…」


 源三郎は机の上に有った「トラック諸島海軍基地能力増強工事・結果」という書類を読んでいた。



 尚、トラック諸島には整備ドックが春島に二つ、夏島に二つ、秋島に一つの五つがあり、燃料タンクは専用タンカーで直接補給となっている。



「そういや、今日は御客が来る…いや、流石に連合艦隊上層部までだろうけど…嫌な予感しかしないな…」


 他の書類も読んで、次の書類で「来訪者」という書類を見つけた。源三郎は溜め息を吐いた。天城の改装はあと一ヶ月位必要だったからだ。






 春島飛行艇桟橋




 源三郎は、「来訪者」の書類を一読して春島にある飛行艇が離発進する桟橋へ四輪車両を走らせて出迎えをする。まだ、出迎えの飛行艇が来てなかった。



「…さて…」


 その時、飛行艇が飛んで来た。



「二式飛行艇…間違いない…」


 史実と同じ名前の二式飛行艇だが、この世界の二式飛行艇は違っていた。




二式飛行艇



全長28m×全幅38m×全高9.2m・自重25000kg・全重40000kg


最高610km/h・巡航500km/h・航続距離10000km(最荷重時)


発動機:川西製 田麩発動機六二型(出力3750PS×四)


武装:20ミリ機銃六挺・12.7ミリ機銃銃四挺


250kg爆弾一六発又800kg爆弾五発又航空魚雷四発(最大搭載量4000kg)


装備:九九式多機能無線機(電話・電信・電送)・九九式電探逆探装置・九八式現在位置検出装置・九七式写真機・九九式小型電算機・九九式空中管制装置



 出力・装備共々史実を上回る二式飛行艇は、春島の飛行艇桟橋に着水した。



「さて、御客は…あれ?」


 源三郎は目を見張った。明らかに連合艦隊上層部ではない。だからと言って、雰囲気は歴戦の戦士並みである。



「うん…こりゃ物凄く大変なことが…」


 そうしている間に、飛行艇から下りてきた四人が鞄片手に源三郎の所へと歩み寄った。






「ここが、違い世界のトラックか…」


 海軍少将の肩章を着けている軍人が呟く。



「…迎えに来ました、山塚 源三郎です」



 源三郎は、四人に対して敬礼をした。



「第二機動艦隊第二戦隊司令兼次席艦隊司令の松島宮徳正王だ」



「同戦隊司令副官であります、滝崎正郎です」



「ドイツ海軍中佐、アウエンミュラー・エーディトです。よろしく」



「イタリア海軍中佐のバルロッティ・レナータよ。よろしくね〜♪」


 四人は簡単に自己紹介をした。



「え〜っと…同じ、艦隊名ですね…」


「では、貴官の役職は?」


 海軍大佐の肩章を着けている、滝崎正郎が源三郎に質問する。



「第二機動艦隊艦隊参謀兼戦艦天城艦長…階級は…滝崎大佐と同じですよ」


 源三郎は、体を横に向けて…



「ここで立ち話もなんですし…車へどうぞ」


 四人を車へと乗せる。



「皆さん、乗りましたね?それじゃあ…」


 そこへ、無線が入ったことを知らせる点滅ランプが光り、電子音が鳴る。



「ちょっと失礼…」


 源三郎は空かさず無線を入れる。



「はい!こちら山塚!」


〝あ、源三郎君!急いで来てくれたまえ!五分以内に!!〟


「……………用件は?」


〝時間が勿体無い!!依子殿と一緒にしばくぞ♪〟


「…了解しました」


 源三郎は無線を切り溜め息を吐く。



「……………え〜と…全速全開で車を吹っ飛ばします…」



「ま、待て!流石に初対面相手を乗せて吹っ飛ばすはないだろ!?」


 アウエンミュラー・エーディトは源三郎に異議を申し立てたが…



「あの…しばられ方尋常じゃないので、黙殺させて頂きます…」


 源三郎は、黙殺を決め込んでエンジンを掛ける。



「恨むのは、戦艦天城に着いてからにしてください…皆さん、つかまってください…」


 クラッチを入れて、ホイルスピンをした後に急発進をした。



「うわああああ!」


「おお!ワイルド〜♪」


 慌てるエーディト中佐に、笑顔のバルロッティ・レナータ中佐…



「「あわわわわわわ…」」


 松島宮少将と滝崎大佐は肝を冷やしていた。



「あ、ドリフトするのでヨーイングに注意してくださいね」


「ええ!?ちょっ」


 滝崎大佐はドリフトという単語を聞いて汗を出したが、もう構わずにカーブに入ってドリフトをする。



「「「うわあわあわあわあわあ!?」」」


 松島宮少将・エーディト中佐・レナータ中佐は、遠心力で偏って将棋倒しっぽくなってしまう。



「あ、こりゃ飛ぶな」


「アクセル緩めないんですか!?」


「一秒でも遅れたら、長官と主席参謀にコッテリとしばかれる…いや、マジで」


 その時、車が一瞬浮遊した。






 発進から4分42秒後…




「ふぅ…4分45秒…何とか間に合った…」


「も、もうちょっと安全運転を…」


「いや〜、しばかれるのがちょっと〜…あと、汗はオイル・心はエンジン・カーブでもアクセルは緩めないという三狂走行が働いて…」


「「「「ガル○ンか!!」」」」


「おお、分かってらっしゃる。まあ、私以上に濃厚な性格の人が居ますからどうぞ…我艦隊旗艦の戦艦天城へ…」


 車が止まっていたのは、戦艦天城が入渠している第一整備ドックの関門前だった。






 戦艦天城長官私室




「艦長の山塚です!来客が来られました!!」


〝うむ!入って良し!!〟


「失礼します!!」


 源三郎は四人を連れて長官私室に入った。



「遠路遥々ようこそ…わらわは、第二機動艦隊司令長官の旭日宮依子じゃ…」


「飛行艇の旅はどうでしたか?私は同艦隊主席参謀の山口静巴…よろしくね♪」


 依子・静巴は労いの言葉を述べて、自己紹介をする。



「第二機動艦隊第二戦隊司令兼次席艦隊司令の松島宮徳正王です」


「同戦隊司令副官の滝崎正郎です」



「ドイツ海軍中佐、アウエンミュラー・エーディトであります!」


「イタリア海軍中佐のバルロッティ・レナータよ。よろしくね〜♪」


 対して、四人も自己紹介をする。



「静巴さんには気を付けてね…筋金入りの変態だから」


 苦笑を浮かべる源三郎。



「何を言うか!私は源三郎君に対しての愛情表現として夜にベットへ〜」


 三人は、あ〜と冷や汗をかいて遠い目をする。




「…ほほう…大佐、中々のやり手と見受けるの〜…」


 依子は、少々悪意を含んだ笑顔で滝崎大佐を見詰める。



「…ノーコメントで…」


「そこを何とか聞きたいの〜」


 困る滝崎大佐を、依子は更に悪意を増した笑顔で食い下がる。



「弄るのは止めてください。それと、こっちも夜這いしないでください」


「まだ一戦越えないから良いではないか!!」


 そんな談笑が続いて夕方になる。






「おお、もうこんな時間か…では…イベントでも…」


 静巴がそう切り出した時、衣装ケースが出て来た。



「静巴さん、持って来ました」


 戦艦天城の艦魂、天城が衣装ケースを持ってやって来たのだ。



「ありがとね〜♪では、この後は宴会ですから男性陣は天城さんに一足先に会場へ連れてってもらいま〜す♪」


「二人とも、こちらへどうぞ…」


 静巴の合図(?)に天城は呼応して、源三郎と滝崎大佐を会場へと転移させる。










「さて…じゃあ、コスプレして私達も行きましょうか!」


「え?」


「…え?」


「……え?」


「「「……………えええええ!?」」」


 三人の大声は天城艦内に響き渡ったとか…






 戦艦天城第五会議室




「滝崎大佐…あなたは本当に正郎という名前なのでしょうか?」


「…何故、そう思うのですか?」


 源三郎と滝崎大佐は天城が入れてくれたアールグレイの紅茶を飲んでいた。



「私が三狂走行をした時…ドリフトをすると言って、あなただけが反応した。ドリフトはこの時代には無い…だが、あなたは反応した…違いますか?」


「ですが、到着後のツッコミはどうなるんですか?」


「あなたの入れ知恵では?まあ、雰囲気で分かりますよ…未来から来た者同志だと…」


「…どの話題にしましょうか?」


「そうですね…スト○イクウィッ○ーズとガー○ズ&パン○ァーにしましょうか?」


 源三郎と滝崎大佐は、暫く話し込んだ。






 十数分後…




 この間にも、艦魂がぞろぞろと集まって来た。中には…



「おお、ワシントンじゃないか?酒飲みに来たか?」


「それも有りますが、日本の戦艦になるのなら今の内に交流を深めたいと思いまして…」


「そりゃどうも…」


 鹵獲された戦艦ワシントンの艦魂も来ていた。



「しかし…あの五人は来ませんね?」


「そうですね?」


 その時、照明が消えて設置してあった舞台だけがサーチライトで明るくなった。



「レディー&ジェントルマン!この来訪者歓迎の宴での定番!コスプレをしてもらいましたので…」


 静巴の声が聞こえたが、マイクの音でしかない。


「…嫌な予感しかしない…」


「確かに…」


 源三郎の嘆きに、滝崎大佐は同感であった。そうこうしていると、叫び声が聞こえてきた…


「止めろ!正郎にこの姿は見せられん!!」(松島宮)


「良いではないか!良いではないか!」(静巴)


「レナータ!貴様もか!!」(エーディト)


「だって面白そうじゃない♪」(レナータ)


「松島宮…同じ皇族でビキニ&メイドを着れないとは…」(依子)


 女子陣の叫び声を聞いた男子陣は…



「…え?」


 滝崎大佐は目を点にした。



「まあ、こうなるだろうな…」


 源三郎は遠い目をして、明後日の方向を見る。



「では!Let's Show Time!」


 舞台の幕が上がって、乙女五人が姿を現した。



「「……………」」


 源三郎と滝崎大佐は言葉が出ずに目を点にした。



 静巴はバニーガールで依子はゴスロリだ。



 そして、三人は…



「俺が夢で見た…」


「え?」


 松島宮は狐耳に巫女服。エーディトは犬耳にメイド服。レナータは猫耳にシスター服。



「う、嘘だろ!?」


「そこでボロ溢したら終わりだ」


「あ…」


 滝崎大佐は源三郎の指摘に気付いたが、時既に遅しであった。



 その証拠に、三人は静巴と話し合っている。



「…滝崎大佐…あれ、このコスプレ衣装欲しいとか交渉してるぞ?」


「マジかよ…」


「まあ、頑張れ…」


 その後、静巴がコップを持ち上げて乾杯の音頭を取る。



「今日は来客者が遠路遥々来てくれた。今日は思う存分楽しんでくれ!乾杯!!」


『乾杯!』


 皆一斉に乾杯をする。






 数時間後…




 参加した艦魂の殆どが酒を飲んで酔って寝てしまった。



「あちゃー…」


「私がやります…」


 天城がそういうと、光を出して部屋の中を巡回させた。すると、瓶やら缶やらが一ヶ所に固まり出して、艦魂が自分の艦へと戻り出した。



「天城、後で好きな物やるよ…さて、俺達は戻るか…」


 源三郎がそういうと、皆はうなずいて、各々の部屋へ…



「あ、部屋…皆、長官私室じゃん…」


「まあ、あまりツッコミは無しで…」


 その後、皆は疲れたせいか直ぐに寝た。だが滝崎大佐が夜這いされたり、源三郎も夜這いされたのは別の話である…コスプレ衣装を来たままで…






 翌朝、飛行艇桟橋



 一泊した滝崎大佐以下四人は鞄片手に飛行艇を待っていた。



「昨日今日と御互いに楽しめましたね?」


「いや…そ、それは…」


 静巴の意味深な発言に松島宮は言葉を詰まらせる。



「まあ、また来てください…次回はちゃんと歓迎しましので…」


 源三郎は冷や汗を掻きいていた。



「では御達者で…」


 飛行艇がタイミング良く来て、四人は直ぐに乗り込んだ。そして、飛行艇は離水した。






 後日、滝崎大佐は松島宮・エーディト・レナータに各々のコスプレで暫く夜這いされたとか…

 新米士官さん、変な言動が有ったら申し訳ございません(汗)


 ありがとうございました!!


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