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三二、中国共産党の消滅

 その後、ソ連はポーランドの占領に満足していないのか、黒海に戦闘艦艇や揚陸挺を集結させた。これは、ルーマニア・ブルガリア・トルコが危機感を募らせる原因となった。




 一方、満洲帝國は大日本帝國と中華民国国民政府に会談を求めた。会談の内容は、共産勢力…ソ連・中国共産党の満洲侵攻の可能性についてであった。



 中国国民党は共産党と戦闘を繰り広げている為、中国国内での共産勢力排除が終わり次第、数個師団を派遣すると回答した。



 大日本帝國は、対米関係とのバランスを考慮したいと言いつつも、一個機甲師団と二個後方支援師団派遣準備を回答した。






 10月1日・中国共産党本部




 ここでは、毛沢東指揮の中国共産党が本部を設置していた。かなり奥地にあるので敵の攻撃は出来ないと考えられていた。



 だが、それはとんでもない方法で撃ち破られた。



「はあ~…夜の警戒はきついな~」


「そんなこと言ってないで、サボるなよ?西安の一件じゃあ、アヘンやら居眠りやらで強襲喰らって蒋介石を逃しちまったからな…」


「はい、分かりました」


 警備の二人は、そう言って煙草に火をつけて一服する。




 その時、煙が異様に揺れて風が起こった。




「あれ?強風?」


「馬鹿言え、こんな強風…あれ?」


 二人はその時空を見た。すると、爆撃機の様なシュルエットが幾つも映し出されていた。



「「やべぇ!」」


 その時、シュルエットから黒い粒の様な物を投下した。そして、地上に着いた瞬間、爆発音がした。爆弾だ。



「空爆だーーーーー!」


「そんなことは分かってる!!」


 直後、二人は爆弾の雨に撃たれて四散した。




 一方、爆撃で中国共産党本部の辺りが明るくなっているのをやや遠くから見ている航空機が存在した。




「機長!目標を視認!!」


「離着陸出来る所はあるか!」


「待ってください…あ!白煙を発見!!特潜隊(特殊潜入部隊)の情報通りです!」


 白煙は長方形を形取る様な感じで焚かれていた。どうやら滑走路らしい。



「よし!情報通りなら500mはある筈だ!!着陸するぞ!!」


「了解しました!!着陸準備に入ります!!」


「おう!…こちら機長!分隊長!準備は良いか?」


 機長は着陸を操縦手に任せて、機内回線を使って後ろにある輸送区画に連絡を取る。



「準備万全!怠り無し!!」


 回線から元気の良い声が聞こえて来た。



「そうか!それに一式観測機はどうだ?」


「はい!観測機と言うより、挺進機です!!」


 彼らが乗って居るのは、今年陸海軍で採用された一式観測機というものだ。



 使用目的は、戦術レベル地域での観測や艦砲射撃の観測等であるが、1500kgの輸送能力がある為挺進隊の空挺や挺進にも使えて、しかも一部改装をすれば対戦車砲を積んで対戦車攻撃にも使える多目的機だ。



 一式観測機のスペックは以下の通り。




一式観測機一一型・東海


全長13.5m×全幅12m×全高4.7m・自重3700kg・全重6700kg


最高650km/h・巡航450km/h・失速56km/h・航続距離6000km


急降下制限速度970km/h(乗員二名)


発動機:遠州航空製 田麩発動機一二型×二(出力2500PS×二)


武装:

20ミリ機銃二挺(機首)

12.7ミリ機銃四挺(機首)

60kg爆弾八発又250kg爆弾二発

(最大武装搭載量750kg)


輸送能力:

挺進隊隊員下士官一名+兵士四名

他武器

(最大輸送能力1500kg)



 外見は双発高翼機で、COIN機を連想させるかの様な機体だ。設計者は、山口静巴だからそうなるかもしれないが…


 観測機となっているが、挺進・偵察員輸送や哨戒等に使われる多目的機。そして、単発並みの運動性能有り。


 因みに、俗称は一式挺進機。まあ、挺進隊が使用したほどの汎用性があるので否定出来ない要素が有りまくりだが…





 話を戻して、この一式観測機は一〇機編隊で450km/hで巡航中である。


 尚、爆撃機は連山一一型のエンジン換装型(出力3000PS→35000PS)の連山一二型で速度を630km/hまで速度を高めた機体だ。



 そうこうしている間に、機体は着陸態勢に入っていた。着陸速度は84km/hで、失速限界速度の1.5倍だ。



「着陸します!」


「挺進隊!降機用意!!」


「用意良し!!」


 そして、タイヤが地上に着いて数十メートル位進んで停止する。



「機体停止!武運を祈る!!」


「了解!回収も頼みます!!…降機!急げ!!」


 後部ドアが左右下に移動して、外へと行ける様になった。直ぐに挺進隊の五人は爆撃し終わった中国共産党本部だった廃墟へ急襲を掛けた。




 一方、毛沢東と言えば…




「全く…日帝の奴らめ…只じゃ置かんぞ…」


 愚痴を言いつつも脱出を図っていた。



「…居たぞ!毛沢東だ!!」


 そこへ、今先の挺進隊と特潜隊が雪崩れ込んで来た。



「うわあああああ!!」


 毛沢東と周りに居た部下は、挺進隊と特潜隊の銃撃により即死した。



 この後、挺進隊五〇名が揃って中国共産党の残党狩りを行って速やかに退却した。



 これにより、中国共産党の幹部全員が死ぬことなり、来月には中国共産党の活動は無く、事実上の壊滅を意味した。






 だが、大日本帝國の戦いはまだ続く。

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