一九、え?今度は北海合同演習へ行って来いですと?
1939年10月1日・横須賀海軍基地
この日は、日英独三国合同演習を北海で行う為、帝國海軍の艦隊が集結していた。
この演習に参加するのは、第一機動艦隊と連合艦隊直属第一戦隊(長門・陸奥・白露・時雨・村雨)と新設の第一護衛戦隊(阿賀野・能代・天神山・高天神・神風・朝風・春風・松風)である。
尚、長門・陸奥の派遣は反対する者も居たが…
「これは我帝國の威光を示すのに丁度良いではないか!!」
と、山本長官が押し切って決定した。勿論、今上陛下からも許可を取った。
今上陛下が許可を出したとなれば、反対する者は静かになる他無かった。
派遣艦隊の内容は次の通り。
北海合同演習派遣艦隊(旗艦:長門)
第一戦隊
戦艦長門・陸奥
駆逐艦白露・時雨・村雨
第一護衛戦隊
軽巡洋艦阿賀野・能代
護衛空母天神山・高天神
駆逐艦神風・朝風・春風・松風
第一機動艦隊
戦艦比叡・霧島
空母翔鶴・瑞鶴・蒼鶴・紅鶴・白鶴・黒鶴
重巡高雄・愛宕・鳥海・摩耶
駆逐艦吹雪・白雪・初雪・深雪・綾波・敷波・朝霧・夕霧・暁・響・雷・電・睦月・如月・弥生・卯月
尚、長門型戦艦二隻の改装後のスペックは次の通り。
長門型戦艦(第三次近代化改装後)
同型艦:長門・陸奥
基準排水量46000屯(予備浮力36000屯・満載排水量54000屯)
全長230m×全幅35m×吃水9.5m×全高56.5m
機関ディーゼル八基四軸(200,000馬力・重油4500屯)
最大速力33ノット・航続距離20ノットで18000海里
武装:50口径九九式46cm連装砲四基八門・65口径九八式10cm高角連装砲六基
65口径九八式7.6cm速射砲八基・九八式40ミリ機銃連装六基単装八基
九六式25ミリ機銃連装一二基単装八基・12.7ミリ機銃六挺(移動可)・陸戦装備他
艦載機:搭載機数3(カタパルト一基)九五式水上偵察機三四型×三
電子装備:九九式対空電探・九八式水上電探・九七式水測・九八式射撃指揮装置・九五式多機能無線機・九六式現在位置検出装置・九六式電子計算機
ケースメイト配置を撤去して、代わりに65口径九八式10cm高角連装砲六基を設置した。尚、武装・装甲等を一回撤去して新型の武装・装甲等を取り付けて、最早新造艦並みの改装工事を二度に渡ってやった結果…46cm砲搭載の33ノット全速力航行可能という改装をやり過ぎた戦艦となってしまった。これは静巴の暴走(?)の始まりとも言えるが、それはまた別の話である。
別の所では、貨客船の天ノ川丸が陸軍の要請で一時的に陸軍船籍となって出港した。
理由は、日独英陸軍演習を行う為に陸軍一個師団を派遣することを決定した為、歩兵輸送に徴用されたからだ。
司令官は、今村 均陸軍中将である。佐官時代は、山本長官(当時少佐・中佐)とポーカーをやっていた仲だという。
「うむ…寄港地の何処かで、山本さんの言う噂の三人と一回話したいものだな…」
そして、つい最近山本長官とポーカーをやっていた。その中の会話で源三郎・静巴・依子の噂を聞いていた。
「まあ、イギリスかドイツに着けば話せるかもしれないがな…」
今村中将は海と空を眺めながら呟く。
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