一、いきなりですが…移転したようです…
…初めてで不安が一杯です。文章構成に不明な点があるかもしれません。御了承ください。
2021年12月16日・日本国
この日は酷く寒かった。特に夜は一層と寒くなっていた。
「…寒い…」
この少年、山塚 源三郎も商店街を歩いて寒いと感じていたようだ。
「ふふふふふ♪寒いね~♪」
だが、隣に居る少女、山口 静巴…何やら楽しげであった。
「…寒くなさそうに見えますが…」
「そんなことはない!見ての通り、コートを着てるぞ?そういう君はどうなのかね?」
少女は(F位はあるかと思われる)胸を張る。
「俺もコートを着てますよ…」
少年は被っている帽子を深く被る。
そして、彼等は住処に辿り着く。
「…今日は泊まって行くんですか?」
少年は鍵を取り出しながら少女に眉を寄せて訊く。
「勿論だ!」
少女はまた胸を張って答える。
「やれやれ…」
少年は呆れていた。そして鍵を挿して、回して戸をを開ける。
「ただいま…」
「ただいま!」
表札には〝山塚 源三郎〟と書いてあり、その横に紙で〝山口 静巴の愛の巣〟と書いてあった。
愛の巣もとい、山塚 源三郎宅・居間
「はい。ホットのカフェラテです、静巴さん」
「ありがとう!源三郎君」
二人は、カフェラテを味わいながら飲む。
「しかし、今日は寒かったですね…」
「だが、明日は汗滴る一日になるかもしれんぞ!」
「何を根拠に…」
時折、静巴の言動は滑稽である。だが、この時ばかりは意外な方向で当たるとは、付き合いがある源三郎でも分からなかったであろう…
それは翌朝に起こった。
「う~ん…いかん、居間で寝てしまった…」
カフェラテを飲んだ後、二人は急に眠くなってしまった。
それは今までに無い眠気で直ぐに眠りに就いてしまった。
だが、起き上がってみると…
「あれ?俺の部屋?いや、記憶が正しければ居間で寝ちゃった筈…」
源三郎は辺りを見渡すと、次々におかしな点を見つける。
先ず床が畳ではなくて、金属製であること。この時点で家ではないことに気付く。
「…あれ?窓無い…」
「う~ん…どうした~?」
その時、直ぐ隣に静巴が居た。
「あ、静巴さん大変ですよ?何か異常事態起こりましたよ」
「おお!汗滴る一日か!!当たったな?」
「何呑気なこと言ってるんですか?状況把握しに行きますよ?」
源三郎は部屋を出た。何時もの光景ではなかった。
「…こりゃ船の中だな…さっきから揺れていると思ったら…」
だが、源三郎は驚かず慎重に進む。
一方、静巴はというと…
「ここは…」
とドアノブを躊躇いも無く握り回して開ける。
「おお!コンピューター室か!!」
「何勝手に開けちゃってるんですか?」
「危険は無いから良いだろうに…」
源三郎は心の中で(根拠は何処ですか?)とツッコミを入れる。
その後、二人は手分けして一時間位船内(?)を調べ歩いた。
「…静巴さん、やはり輸送船でした…載貨重量8万トンの中型クラスです」
「うむ…こっちも資料とか引っ張り出した…これは…大和丸というらしい」
「…なるほど…確かに日本船籍の中では最大と言って良いでしょうね…」
二人が居るのは、輸送船:大和丸の船内であると判明した。
「だけど、昨日…船乗りました?」
源三郎は、眉を寄せるほどに昨日のことを思い出す。
「いや、確実に愛の巣…」
「俺の家ですよ、静巴さんの愛の巣じゃありません」
「ムムムッ…」
静巴は、源三郎に愛の巣を否定されて頬を膨らます。
「ですけど…船員が居ないんじゃあ、どうしようも有りませんね?」
「だな…最低でも10人は欲しいな…」
「ですね…」
源三郎は悩み過ぎたのか、頭部側面のツボを押す。
「出来れば可愛い娘ちゃんが居r」
「居ませんよ…」
とりあえず、非現実的なことにツッコミを入れる。
「でも、本当にどうしますか?」
「う~ん…ま、とりあえず外へ出るか!」
「そうですね」
静巴の提案に源三郎も同意して外へ目指す。
十分後…
「…あれ?港…ですよね?」
「うむ…だが、これは軍港だな…戦艦長門が見える」
「…俺、疲れているんですかね?」
その時、静巴の言う戦艦長門が〝主砲〟をこちらに向ける。同時に、艦橋と思しき所から光が変則的に点滅していた。
「いや、主砲をこちらに向けている…現実だよ…」
「〝機関ヲ停止シテ臨検ニ応ジヨ。サモナクバ、撃沈モヤムナシ〟…嫌な現実突き付けられましたね…」
これが、物語の始まりであった。
振り返って飛躍あったんじゃないか?と思いました(汗)
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