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第1話_目覚めの日

「…なにここ?」


「メイリンお嬢様が目を覚まされたわ!すぐに主治医をお呼びしてっ!」

「はいっ!」


メイリン…?何を言っているの?


私は_なのに。




眩しさと浮遊する感覚に重い瞼を持ち上げると、

目の前には知らない世界が広がっていた。


私の周りを走り回る女性たちは、

みんな黒のワンピースに白いレースエプロンという

まるでメイドのような恰好。


天井には豪華な装飾が施されたシャンデリア。


視線を少し下へと向ければ、見たこともない大きなドア。



部屋の中には次から次へと新たに人が流れ込んでくるが、

誰一人として見知った顔の人物はいない。


勿論、私が寝ているこの広いベッドも、

高そうな装飾も、一般人の私には知る由もないし…。


目が覚める前、

私は確かに自分の部屋にいたはず。


どうしてここにいるんだろう…。

病院、にしては豪華すぎるよね?


そもそもメイド服の看護師なんて聞いたこともない。



ふと、横を向くと見えた大きな鏡。


「ん…?」


そこに映る私は、

見覚えのない鮮やかなブロンドヘアと、

まるで深い海のような青い瞳。


そして、小さな体。


まさに子供そのものだ。


手だってこんなに小さく…

…子供?



「…えっ!なにこれっ!?」


ガタンッ


「いけませんっ、お嬢様っ!」


「痛っ……!?」



鏡に近付こうと飛び起きた私は、

地面に足がつくや否やド派手にベッドから転げ落ちた。


何この高いベッド…!


こんなの、子供じゃなくても落ちるでしょ…。



……ん?

「…足の感覚が…ない…?」


身を守ろうと咄嗟に床へとついた両手は

ジンジンとこんなにも痛いのに、

ぶつけた筈の右足は何も痛みを感じない。


それどころか、触っているはずなのに殆ど感覚がない。


…もしかして、事故か何かで私の足に異常が…?


そもそも鏡に映るこの女の子は誰…?



「大丈夫ですか!?」


心配そうに駆け寄るメイドによって起こされた体が、

いとも簡単にベッドへと戻される。





「すみません…足が動かなくって…」


「はい?メイリンお嬢様の足は生まれつきではありませんか」





「…えぇっ!?」


どうやら私は、メイリンと呼ばれる足の不自由な少女になったらしい。

お読みいただきありがとうございます。

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