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第0話

「メイ、誕生日おめでとう」


そう言って切れ長の目を細めて微笑む男性。



「お父様、ありがとうございます」


そんな父に、目一杯の笑顔を向ける少女。


メイリン・サイアーズ。

それが私の名前だ。


公爵家であるサイアーズ家の4兄弟の3番目として生まれ、

今日で10歳の誕生日を迎える公爵令嬢である。


ちなみに兄弟は上も下も男ばかりで、娘は私だけ。



「何か欲しいものはあるか?」


「何でもいいのよ。今日はあなたの大切な10歳の誕生日なんですもの」


「そうだぞ。ほら、言ってみなさい」



娘が1人というだけでなく、生まれつき体が弱く、

片足が不自由という境遇から、

両親からそれはそれは大切に育てられてきた。



気軽に外出も出来ないのは可哀想だと国中から一流のシェフを雇い、

街一番のブティックを呼び出しては新しいドレスを新調する日々。


欲しいと思ったものはすぐに手に入る。

我儘を言っても誰も咎める者はいない。

何不自由のない生活。


悩みなんてない、そう思っていた。



「いえ、お父様。お母様。

こんなにも素敵なパーティを開いて下さっただけで充分です」


「まぁ、この子ったら。なんて優しいのかしら」



3年前の今日、この世界が本の中の世界であることを思い出し、


「いいえ、ほんとに充分なんです」





そして、己の我儘により殺される運命だと知るまでは。

2026.1.12_投稿開始


成人の日。

成人した皆さん、おめでとうございます!


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