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空白を嫌う世界

作者: TOMMY
掲載日:2025/11/06

この世界は、広いようで狭い。

生き物たちは、空いた場所を見つけるたびに、そこを占拠する。

廃墟になった建物には、すぐに蜘蛛の巣が張る。

枯れた木には虫が、電線には鳥が、池には魚が、

そして空き家には、人が――いや、泥棒が入り込む。


どうやらこの世界には、“空っぽ”を検知するセンサーがあるらしい。

何もない場所は、たちまち埋め尽くされていく。

まるで虚無そのものを嫌う、目に見えない意思が働いているかのように。


けれど、埋め尽くされたあとの世界はどうだろう。

余白のないノートのように、居心地が悪くならないだろうか。

どこもかしこも誰かのもので、

心の片隅にさえ「立ち入り禁止」の札が立っている。


私たちは、空虚を恐れすぎてはいないか。

何かで満たさないと、落ち着かない。

モノで、情報で、あるいは人で。

だが、埋めることに夢中になるほど、

本当に必要な空間が見えなくなっていく。


もしかすると、“空っぽ”とは、最も贅沢な余白なのかもしれない。


その余白を生き物たちは本能的に探し出し、見つけるやいなや占領して、束の間の安らぎを得る。だが、その瞬間に余白は消えてしまう。


それでもまた、探し、埋め、失い、そして求める。

その無限の往復こそが、生きるということなのかもしれない。

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