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 そんな訳で冒険者に戻っちゃったスタンさんだったんだけど、ギルド側の誤算は彼が凄く有能だった事だった。


 彼がいたから王都の冒険者ギルドの事務方が全て問題なく回っていたらしいのだ。


 受付は勿論の事、お金の管理や依頼書の管理。


 冒険者の為の武具や防具店との取引。


 素材回収後の処理班との契約。


 地方都市や他国のギルドとの交渉等々・・・。



 一言で事務と言っても大きな組織だけに多岐に渡り細かい管理が必要になる。



 それを全て一人で熟していたらしいスタンさん。



 彼が居なくなった事で機能不全を起こし一時王都の冒険者ギルドが休止になったらしい・・・



『そりゃあ中間マージンをネコババしたくもなるよね~。


 スタンさん残業代も出ないんじゃまるで社畜じゃん。


 ちゃんと見直した方が後続の為にいいんじゃないの?』



 と、元社畜女子ソフィア王太子妃殿下の有難いお言葉があり、現在冒険者ギルドはシステムの見直しと後継育成に着手中だ。



『そもそも冒険者は脳筋が多いから事務は苦手なのよね。


 それが単純に元高ランクだからって天下りするのがダメなのよ~


 どっかの大企業じゃあるまいし』



 とか辛辣なことも言ってたけど、それはギルド側には伝わって無いらしい・・・




 そんな訳で現役の冒険者に戻ったスタンさんを頼って宿舎にギルド職員が度々やってくるのだが、彼自身が遠征や高額依頼に出かけるとしばらく王都に戻って来ないため、彼がギルドカウンターに依頼終了の報告をした翌日からこうやって職員やギルマス、サブマスといった人達が書類を抱えて押しかけてくる。



 苦笑いをしながら相手をしているスタンさんも満更じゃないといった顔をしてるので、自分のやっていた仕事の重要性を元職場に周知されて評価された事を喜んでいるのだと思う。



 良かった、と思う反面・・・。



 今、スタンさんの横に立ってる受付のマネージャーのソニアさん。



 この人だけは他の人と何か違うんだよね。


 何ていうか乙女の勘?


 いやいやいやいやそれだけじゃなくってさあ、この人ってば私がスタンさんに会う日には必ず邪魔しにやって来るのよッ!!



 私が『デートだ~!』って、――ホントは違うけど―― 浮かれて張り切ってる時に限って、やれ困りごとの相談だの、上司からの連絡事項だのって色んな理由を引っ提げて現れるから、何だか出鼻をくじかれるのよね。


 時にはデート――私はそう思ってる――の真っ最中に町中に現れて図々しく声を掛けてきてスタンさんと二人で話し出して、カフェに誘ったりするのよ。



 しかもそういう時は必ず



「お連れ様に悪いですから、座れる所に移動しませんか?」



 とか私の事をダシにするのよッ?!



 嫌味なの!?



 それとも、自分とスタンさんは親しいんだからお前どっか行ってろって事なの?



 ・・・そりゃーアンタとスタンさんは冒険者ギルドで上司と部下の間柄だったんですよね?


 知ってますよーだ。ふ~んだ。



 けどさデート中(違うけど)にまで割り込んでこなくても良くなく無い?



 『悪い』って言うんなら遠慮して欲しいよ!



 2週間に一回くらいしかスタンさんと私は会えないんだからねッ!


 王都に住んでるアンタと違ってさッ!!


 ねえ、ちょっと皆んなどう思うよコレ?




 お前なんか乙女ゲーム内の相手のツンデレ魔術師ノインの所にでも行っちゃえ~~ッ!!!







 くっそう腹立つわ~~~~~!





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