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1の続き。
「ああ。
スマホが欲しい・・・」
私の呟きを耳にして、目の前の最推しであるソフィアたんが首を傾げた。
まるで光沢のあるシルク糸の束のように見えるベリーピンクのサラサラの髪の毛が、その動きに合わせて優雅に動く。
ああッ!
ありがとうございますっ!!
尊いッ!!
「え? まあ、便利よね、スマホ。
持ち歩く辞書代わりにもなるし動画も写真もあれ1台でこなすし。
なんなら今度作ってみようか?」
辞書が真っ先に来る辺りが流石才女のソフィアたんッ!
「えっ! いいんですか?!」
「うん。
でも前世みたいにネットワークが発達してない世界だしスマホだと不要な部分が多すぎだよね?」
「確かに・・・」
この世界のソフィアたんは私と同じく転生者で、しかも前世は家電の開発してたらしくってちょっと頭の中で設計図を書いて術式組んだらあっという間に生成魔法っていう複合系の魔術で色んなモノを作っちゃう天才なの。
ゲームのソフィアたんは主に攻撃魔法が強かったけど、そこまで天才じゃなかったから、やっぱりゲームとは全く違う人。
でもその美少女っぷりはゲーム以上だ。
「でも、それナニに使うの?」
「え?
そりゃ勿論ソフィアたんのその可愛さを激写して、動画に納めて永久保存するんですけど?」
「それはいいな。
だが作ったとしてもお前にはやらん」
「え、殿下、酷い~ ケチ。
いっつもソフィアたんを独り占めしてるのにッ!!
写真くらい私が独占してもいいじゃないですかっ!」
「駄目だ。
ソフィが減る」
ツーンと偉そうな態度の王太子シルファ殿下は、妻であり王太子妃でもあるソフィアたんをでろでろに溺愛してる。
でもちょっとヤンデレ気味だと思うのよね~。
ゲームでもヤンデレ属性だったけどさ。
そして私がソフィアたんを崇めているのを知ってるから余計に私に対してツンだ。
顔はいいんだよな、顔はさ。
ちくしょう二人がお似合いすぎて気を許すとうっとりしちゃうのが悔しい・・・
「まあまあ、私の肖像権の話しとスマホは置いといてさその後どうなってるの?
スタンさんとは進展あったの?」
にこやかな笑顔で、今最も気がかりな話題を振って来るソフィアたん。
「・・・ソニアさんに邪魔されてます」
思わず推しの前で仏頂面になりそうです・・・。
「あらまあ。
ノインの幼馴染みだっけ?
凄く可愛いんでしょ?」
「・・・ええ、まあ。
可愛いですけど私にはメッチャ塩対応ですよあの人。
私はノインさんを狙ってるわけでもないのに・・・
どうして悪役令嬢みたいな事を私にしてくるのかが分かりませーんッ!」
意地悪されてる気がする~! ウギギ
「あらら」
「私が好きなのはスタンさんなのに!」
ついテーブルの上にお行儀悪く突っ伏してしまった。
そう、何だかんだいってもインテリメガネ系フツメンちょっといい顔寄りの彼のことがイイんだよね~・・・
だって生前は自分の家庭教師で就職後は私の先輩になって、死ぬ間際まで私の旦那さんだった広田恒樹さんにソックリなんだもんッ!!




