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82 突如街角に現れるゲームキャラ 




 「ねえ、聞いて~ッ?!」



 予備校の帰りに自転車置場で声を掛けられた。


 もう夜の9時は過ぎているけど受験をあと一ヶ月後に控えた私達にはもうあまり時間も余裕もない。


 そのせいもあって親友の郁ちゃんとも、お互いに楽しい会話なんかずっと出来てなかった。


 食べ歩きも、おしゃれな雑貨屋さんに立ち寄ることも、大好きな乙女ゲームをプレイすることも新作を買うだけに留めて積みゲーのまま部屋の祭壇に飾ってあるくらいなのだ。


 だから息を吐くと真っ白になる寒い中、彼女が急に目をキラキラさせて私に話しかけて来た時は正直驚いた。



「え、何?」


「『ドキ☆キュン魔法少女リーナ♡貴方のハート狙い撃ちしちゃうぞ☆』のさ、キャラコスしてるレイヤーさんがいたのよッ!」


「え、ホントにッ!?」


「里奈ったら、目の色が変わっちゃってさ~。


 おっかしい!」



 郁ちゃんはキャハハハと大笑いをして右手の指を立ててニンマリ笑う。



「えー、からかったの?」


「違うってぇ。


 本当に見ちゃったのよッ!


 じ・つ・ぶ・つ・をッ!」


「うきゃああッ!


 ホントにッ?」


「うん、里奈の最推し様もいたわよ~!」


「ええええええッ?


 ソフィアたんがいたの?」


「そうなのよ~。


 ヒロインのリーナたん♡はもちろん、婚約者のシルファ王子もいたし、攻略対象No.2のアジェスもね!」


「えー、いいなあ~。


 ねぇ、再現度はどうだったの?」


「スッゴイの!


 三次元ならコレ以外にないッて位美形揃いでさ。


 も~ ヨダレモンだったわ~」


「ねえ? 何処で見たの?」


「ヨ◯バシカメラで。


 昨日目撃したんだよね。


 お母さんがデジカメ見たいっていうから一緒に行ったのよ。


 そしたら4人がテレビの前に立ってパンフレット眺めてたの!


 もうびっくりしちゃってさ」


「マジ? すぐ近くじゃない!」


「最近あちこちで目撃情報が上がってるらしいわよ~ 大抵4人一組で行動してるって噂があったんだけどさ。


 ほんっとに一緒だったから感動しちゃってさ~」


「ね、ね、スマホ撮影とかは?


 させてくれたの?」


「それがさ、あんまり感動しちゃって見とれちゃってそんな事すっかり忘れててさあ。


 でも私は撮影は出来なかったけどSNSで検索したら絶対に見つかるよ」


「そっか~。残念。


 後で検索してみる。


 でもいいなあ私も見たい~


  逢いたい~ 生ソフィアたん。」



 両手で頬を抑えてると冷えた指先が冷たい。



「もう早く受験終わらないかな~。


 ゲームしたい~」


「後一ヶ月もあるもんねえ」



 思わず二人で溜息を付いた。



「でもさ、里奈はカテキョの先生がいるじゃん!」


「えー。


 でもさ、広田先生年上だしさ。全然相手にして貰えそうにないもん」


「そうかな~。


 脈ナシ?」


「あるような、無いような?」



 自転車を押しながら一緒に夜道を歩いて帰るのもすごく久しぶりだ。



「バレンタインに本番じゃないの~?」


「えー、迷惑じゃないかなあ」


「里奈結構可愛いから、イケるんじゃないの?」


「だって先生大人だよ~」




 キャッキャと笑いながら二人で家の近くまで話をした。


 周りは寒くて凍えそうな風も吹いたけど心は暖かかった。





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