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80/120

80流石はヒロイン。




 因みに『前世』というパワーワードが食堂内で当然の如く飛び交っているが、ソフィア達が婚約した時にその件については国王陛下の判断で王族及びそれに近しい者達には既に通達されている。


 ソフィアが12歳で婚約者になった時点でいずれ王家付きの間諜がもれなく付くだろうから、いずれバレるというシルファ王子の主張を彼女が受け入れ進言した結果である。



 まあ、大雑把なグレーンの王族(特に国王)がそんな細かい事を気にする事は無いだろうという確信がシルファには当然あったし、何よりソフィアの主張した乙女ゲームやWEB小説展開を予防する為でもあったのだが・・・


 しかし、その予備知識が予め周りにインプットされていたため市井でやたら人気のある王太子の学園生活がまあまあ穏便(?)に過ごせたのである。



 ここだけの話しではあるが実の所学園入学後向こう側が見えなくなる程貴族子女に(たか)られるとは彼も流石に考えていなかった。


 その数の多さに辟易として嫌になりソフィア以外の生徒に対しては塩対応と無表情というダブルコンボが成立し、学生達からは氷の王太子という異名をつけられたが。




 結局彼は王家の間諜をフルにこき使うことにして、後ろ暗いモノを隠し持つ貴族家をどんどん見つけ出しては嬉々として処罰しては、無駄に女性が自分に近寄らないようにしていった。



 ――どの辺りが穏便なのか・・・







 「そういえば、俺の得意な属性魔法って何だろうな?」



 ふと首を傾げるシルファ王子。



「何でもオールマイティだもんね。


 私もそうなんだけど・・・」



「闇魔法じゃねえの?」



 アジェスがなんてこと無いといった様子でそう宣う。



「ああ、空間魔法とか転移とかの発動が目茶苦茶早いもんね」



 ウンウンと頷き嬉しそうに婚約者の顔を見上げるソフィアの頭を当たり前のように撫でてるシルファ王子。



『違うって、ヤンデレ大魔王だからだよ・・・』



 ――多分心の中でこの場の何人かが呟いた・・・



 シルファがアジェスをチラリと見て片眉が微妙に上がる。


 見られたアジェスは明後日の方向を向いていた・・・




 ×××




 昼食後の休憩を挟んで、午後は最終戦、要は魔術師と騎士のタイマン試合である。


 勝ち負け云々よりお祭りのフィナーレを飾るものなのでパフォーマンスとしての試合だが優勝者にはちゃんと賞金も出る。


 各出場枠の優勝者と準優勝者で行なわれる為2試合行なわれるがこの準優勝者の枠に里奈が出場することになったようだ。



 闘技場の中央。



 騎士・戦士クラスの代表とお辞儀を交わす里奈。


 騎士側代表は王宮騎士団の若手ホープ騎士団長の息子で爽やかイケメン。


 笑うと白い歯がキラリと光るタイプである。



 因みに団長、副団長といった役職が付くクラスの者はこの試合には不参加だ。


 強いのは当たり前なので単純に試合に出てこられると面白くないからである。



「あ、攻略対象者だ。


 3次元だとこうなるんだ・・・」



 里奈の呟きを風魔法で拾って思わず笑ってしまうソフィア。



「初めまして。


 よろしくお願いします」



 と言いながらペコリと頭を下げるが、実は卒業パーティーで彼女を担いで連れて行ったのはこの男だったので挨拶された本人が面食らっている。



「試合はじめッ!」



 審判の合図で風魔法を纏わせたハルバードと雷で形成された大量の矢が火花を散らした。



「ウ~ン。


 やっぱり乙女ゲームのヒロインはスペックが高いわね~」



 その試合を見ながら唸るソフィア。



 しかし自分自身がその遥か彼方のレベルとは思っていない為、後日里奈に模擬戦を申し込し込み卒倒されるという体験をする事になるのは近い未来の出来事である・・・



 もちろん全力で断わられる。



 誰だって命は惜しい。







 因みに毎年恒例なのだがこの最後の試合は引き分けで終わるので、賞金は優勝者二人共受け取れる仕組みだ。


 戦士と魔法使い何方にも角は立てないようにする王家の大人な配慮である。





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