63対の魔物
「じゃあ、この状況で覚えてる事は何かない?
私がベヒモスをテイムしたことを大勢に知られないほうがいい気がするんだけど・・・
何か上手い方法ないかしら?」
額の中心に眉頭を寄せて困り顔になるソフィア。
「え?
ベヒモスをテイムしたのって、ソフィアたん?
シルファ王子じゃなかったんですか?」
「へ?」
呆然とした顔のソフィアに向かい、真剣な顔になるリーナの中の人の里奈。
「無印の最後で攻略対象者のヒーローがベヒモスをテイムするのがお決まりなんですよ。
で、魔石結晶を簡単に手に入れられるようになって、めでたしめでたし的な?
お金に困らない生活が出来て結婚生活も老後も安心的な?」
「無いわぁ~・・・
夢がないわ~
若いコ向けのゲームでしょ?」
「お金ないと愛も継続不可能ですよ」
フンスと鼻息を荒げる里奈。
「冷めてるわね~~
若い世代コワッ!」
「現実的って言って下さいよ。
で、この世界のリーナが狙っていたヒーローはシルファ王太子ですからね。
予定では彼がテイム出来たはずなんですよねえ・・・
何でソフィアたんになったのかはわかんないですよね~・・・」
「私が転生者だから?」
「「・・・・・・」」
二人で顔を見合わせた後で明後日の方向を向いた。
×××
「公式のガイドブックでの情報ですけどベヒモスとレヴィアタンは対なんですよ」
「対?
番?」
「番じゃ有りません。
対極なんですよ、あの2体の魔物は。
陸と水中に棲み分けをしてますし、周期的に現れるベヒモスと違いレヴィアタンは永遠に水中にいるだけです」
「ふんふん」
「ベヒモスは働きものですが、レヴィアタンは怠け者で魔石結晶は気が向いた時しか作りません」
「ふん・・・
うん・・・?」
「ベヒモスは人に魔石結晶を与えますが、レヴィアタンは与えるどころか盗みます。
キラキラしたものが好きなんです」
「は?」
「ベヒモスは人懐こいんですが、レヴィアタンは懐きません」
「はぁ・・・
可愛くないわね」
思わず残念そうな顔になるソフィア。
「ですね・・・
まあ、どちらかと言うとツンデレですねレヴィアタンは。
ベヒモスは口調は偉そうですけど態度が可愛い感じですかね」
「・・・そうね。
確かにチャッピーは可愛いわ。
でも何の助けにもならないわねその情報・・・」
「ですねえ・・・」
ウ~ンとまた悩む里奈。
「パッケージにあった解説では魔人ってリーナの闇落ちって設定だったんですけど、あの人って男ですよね?
どう見ても」
遠くに見える黒いマントを羽織った背の高い男性に目を向ける二人。
「アレ何か国王陛下と言い争ってませんか?」
「あらら?
ちょっと戻ろうかしら」
「あ。
私も行きます」
二人揃って転移する。
それを見て、慌てて追うようにシルファとアジェスも転移した。
×××
『だ~からサ、ベヒモスをテイムしたコを教えてくれたらいいッて言ってるでしょ?』
「駄目だッ!
ソイツになにかする気だろうがッ」
今度は陛下と魔人が言い争っている真最中だった・・・
「あの、伯父上?
何か問題でしょうか」
「あー、ソフィアか。
コイツがなベヒモスの飼い主を教えろって言ってんだよ」
「「「「・・・」」」」
帰ってきた四人が微妙な顔になった。




