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45 不快な顔ご法度。




 「でもさ、お父様の説明では他国の冒険者ばっかりだったって事でしょ? 


 その人達グレーンの王都支部の冒険者ギルドの管轄なのかしら?」



 ソフィア自身はギルドの仕組みを知らないので、単純に疑問に思ったようだ。



「ああ、ギルド所属の冒険者は国毎(くにごと)のギルドの管轄じゃねえから出身国は関係ない。


 十把一絡げで『ギルド』っていう機関が身元保証人みたいなモンだな」



 ソフィアの疑問に答えながら、テーブルの珈琲に手を伸ばすアジェス。


 彼は一時期冒険者ギルドに登録しようとした事があり、それが伯父(皇帝陛下)にバレて辺境伯領に放り込まれたという経歴の持ち主なのでギルドの仕組みには割と詳しいのだ。



「最終的には冒険者のランクアップを許可した支部が責任を負うことになる。


 彼奴等が登録したばかりの駆け出し冒険者なら別だが」



 ――おっさんばっかりだったような気が・・・


 アレが駆け出しの冒険者?



 パンイチ姿の男達を思い出して、ソフィアの顔が超渋顔になった。



「・・・」



 黙ったままソフィアの眉間の縦ジワをそっと指で伸ばすシルファ王子。



「不快なモノを思い出すんじゃない」


「だってさぁ・・・」



 口を尖らすソフィアに向かって



「やはりあの場で始末をつけたほうが良かったか・・・」



 真顔でソフィアに問いかけるシルファ王子。



「え、別にあれで良かったんじゃない?


 無害だったし・・・」



 キョトンとした顔で心底言ってる意味が分からないという表情になるソフィア。



「しかしお前が不快そうな顔になった」



 それを見ながらボソリと呟く婚約者。



 ――お願いだからパンイチのオッサンたちの寿命が尽きる前にやめたげて・・・



 引き攣った笑顔になりながら黙って珈琲カップを口に運ぶアジェスである。




 ×××




 『(あるじ)


 誰かが此方に来るぞ』



 ソフィアの足元の地面で小さな姿のままトントンと足踏をしては魔石結晶を創っていた小さなチャッピーが声を掛けてきた。



「え?」


『転移魔法だ。


 強い奴だな』



 呑気に魔石結晶をくっつけるためにトントンと地面を踏むベヒモス。



 辺境伯家の領主邸は魔石により強力な結界が張られている為転移魔法を使った所で簡単には入り込めない仕組みになっているのだ。


 それを破って入って来れるのなら、かなりな手練れである。



『もうすぐ来る』



 チャピーがそういった途端に直ぐ目の前の空間が揺らぎ金色の魔法陣が現れる。



『害意はない』



 現れたのはソフィアと同じ髪色にシルファと同じ瞳の色をした騎士のような体躯の男。



「伯父様」


「父上」


「グレーン国王陛下」



 3人がほぼ同時に声を上げ、少し離れた場所に待機していたメイド達が一斉に頭を下げた。



「よう、お前ら元気だったか~?」



 ガハハハと笑いながらいつものように王冠を人差し指に引っ掛けてクルクル回すガチムチ系イケオジ。



 チャッピーレーダー高性能である。





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