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38 世界の仕組み?




 「そう言えば、魔力量が分かるのはお前が魔物だからか?


 それとも何か方法があるとか?」



 シルファ王子が眉根を寄せて目の前の従魔(チャッピー)に質問をした。




 ×××




 ソフィアが、従魔にした『チャッピー』ことベヒモスはサイズがデカすぎるという難点があるため、普段は例の丸い魔道具の中で過ごすか? それとも厩舎を作るのか? という話の途中でチャッピー自身が体のサイズを変えることができるという申し出があった。


 サイズを聞くと最小が30センチ程度だということで、急遽そのサイズになってもらうことにしたのだが・・・



「身体が小さくなったくせに睫毛だけがなんで無駄に長いままなんだよ?」



 地面の上に頭にコブを作ったままお座りをする小さなチャッピーを囲む3人。


 妙に丸っこくなり愛らしいのだが?!



『それは我にも解らぬ。


 そもそも小さくなれるというだけであってどんな姿かは自身では見たことも無いのだが・・・』



 本人も自分の姿は知らないらしく困惑気味。


 しかしマスターであるソフィアは大喜びである。



「可愛い~~♡」



 小さくなったベヒモスをササッと両手で抱えあげてクルクル回る。



 ――子供か・・・?!



「ねえ、じゃあ大きくもなれるってこと?」

 

『大きさは先程までのサイズが限界だな。


 取り込んだ魔石結晶の量が足らぬ』



 ソフィアの腕の中で、3人を見上げるチャッピー。


 大型の象のような身体は何故か三頭身になってしまい、頭部がやたら大きく手足はやはり短いままだ。


 愛らしい黒くてクリっとした瞳は白目が無くて、瞼の上の睫毛がクルンとカールしていて長いため、まるで子鹿の瞳。


 厳つい肩のトゲも鼻先の角も丸っこくなっていて、昭和時代のソフビのオモチャを彷彿とさせる。


 まるで佐◯製薬の公認キャラクターのようだ・・・



「それって食べた魔石の量でサイズが決まるって事か?」



 アジェスが首を傾げた。



『そうだな。


 正確には取り込んで貯めているだけだが。


 我の身体は魔石結晶の貯蔵庫のようなもので一定期間この世界に目覚めて地中の魔石結晶を集めるのだ』


「「「?」」」


「ソレを最大量集めた後、我はこの世界から霧散して又眠るのだ。


 次の収穫の時期が来るまでな」


「魔石結晶を収穫してるの?」


『ああ。


 小さきものの地上の世界がそれで保たれているのだ。


 お前達は魔石を利用する。


 消費されれば無くなるだろう?


 純度の高い魔石結晶は我を介して又地上に供給されるのだ。


 それがこの世界の仕組みだ』


「「「世界の仕組み・・・?」」」



 3人が顔を見合わせた。



『そしてベヒモスという魔物は元々我しか存在しない(おらぬ)のだよ』



 何故かチャッピーの表情が笑ったように見えた。



 従魔チャッピー、絶滅危惧種どころか世界に一体の激レア希少種だった・・・




 ×××




 「先程、お前が私達を見て魔力量が云々と言っていたのを聞いたのだが、人の魔力が見えるのか?」



 シルファ王子が口を開く。



「そしてソレを確認してから従魔契約に賛同しただろう?


 何故だ?」



 ソフィアに抱えられたまま足をプラプラさせて首をひねるベヒモス。



『魔力が見えるのは我の能力でしか無い。


 他の魔獣や魔物もある程度対峙した相手の魔力の多さは分かるが、殆どは我のようにはっきりとは分かっておらぬだろう。


 恐らくだが、生き残るために相手が自分より強いか弱いかを判断するための野生の勘程度だろう。


 まあ、低能な奴はそれすら無いがな』



「野生の勘・・・」



 アジェスが半目になって従姉妹を見つめる。


 ソフィアはソレに気が付かなかったが、彼女が他人の魔力が見えるのは絶対に野生の勘だ! と従兄弟に決めつけられたようである。





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