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18/120

18テイムとは違うのよねぇ




 ベヒモスを捕まえたのはいいけれど、この後どうするのかを考えながら王太子シルファに恋人繋ぎで手を繋がれたまま上の空で森の中を歩くソフィア。



「ウ~ン。


 テイムしたわけじゃなくて問答無用で閉じ込めちゃったからなあ〜」


「さてはこの後どうするか考えてなかったな?」



 袴姿のシルファ王子が片眉を上げてそう彼女に言うと、目をあらぬ方向に泳がす婚約者。



「まあ、話を聞く限りその場はそうするしかなかったんだろう?」



 ソフィアが肩から掛けたカバンの膨らみを指差すシルファ王子。



「そうなのよね。


 ダンジョンを崩すのはいくらなんでも危険だったし。


 城に帰ったら父様に相談するか〜。


 あの山賊達のこともあるし・・・」



 数珠繋ぎにされてトボトボ歩く後続の男達を振り返る。


 紐の先はアジェスが持って意気揚々と最後尾を歩いているが、行列の周りは兵士達が囲んで警戒しながら歩いているのが目に映る。



「冒険者じゃ無くてか?」


「山賊でしょ?


 どう見たってさ〜〜」



 そう言い、パンイチでほぼ真っ裸の男達に眉根を寄せるソフィア。



「本人達はギルドの情報でここに来たと言ってたがな。


 どこのギルドかは全く分からんが」



 なんで領主の私兵しか知らない情報をギルドが把握してるんだろうと首をひねる。



 ――情報が漏れたのかしら? それにしちゃ早いよね・・・



「王宮のパーティー会場で昨日の夜、お前たち二人が大声でベヒモスとスタンピードを連呼しただろう?


 ソレが漏れたのかもしれんぞ?」


「あ~・・・


 アジェスのあれかぁ・・・」



 確かに大勢の貴族子息子女達が悲鳴を上げていたな、と思い出す。


 彼らが不安になって保護者に報告しても仕方がないだろう。


 スタンピードの恐れがあったのだから。



「脳筋は考えが足らんから仕方ない」



「ねえ、それって私も脳筋ってこと?」



 つい口を尖らすソフィアをちらりと見た後、それには答えず涼しい顔で横を歩く婚約者。


 彼はいつものクセで片眉を上げていた・・・




 ×××




 森の出口にある見張り台を備えた防衛施設は辺境伯領の森を囲むように4箇所ある。


 そのうちの1番領都寄りになる東の要塞にソフィア達一行は帰ってきた。


 門をくぐる為に兵士に彼女が手を挙げると敬礼で返され、そのまま金属の門が開けられると、てくてくと歩いて入っていく。



 後ろに続く小隊長以下兵士達も、従兄弟のアジェスも捕虜になった冒険者?達も、漏れ無く全員が入ったところで門が閉じられた。



「捕虜は牢に」



 小隊長が指示を飛ばしているため後は任せて建物にソフィア達は入ることにした。


 彼女は早朝から先行していた部隊を追ってアジェスと共に森に赴いた為、まだ太陽は真上に届いていない時間だ。



 食堂で昼食を取るために、森の探索に駆り出されていた兵士達も魔術師達も申し合わせたように入っていく。



「早く済んでよかったな」


「ベヒモスって聞いたときにはどうなるかと思ってヒヤヒヤしたぜ」



 口々に帰還を喜びながら皆移動していくが、ソフィアの肩から下げたバッグには未だにベヒモス入りのボールが存在しているのでまだ解決していないのだが・・・



 人間目に見えて分からなければ意外に気にならないのよね、と一人遠い目になったソフィアだった。





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