13過去 辺境の姫との出会い 〜王子視点①〜
出会いは彼女が6歳、俺が8歳だった。
×××
「辺境伯領にお前の従姉妹がいるんだが、会ってみるか?」
日課の王子教育が一段落した休憩時間に父が王冠を人差し指に引っ掛け、クルクル回しながらノックもせずに俺の私室に入ってきた。
「父上。
何度も言いますが、王冠を玩具にしないで下さい」
「カタイこと言うなよ〜」
「私が被る時にひん曲がってたら嫌ですから」
「力技で直せるって」
「・・・」
ガハハと豪快に笑う父は、これでもグレーン王国の国王陛下だ。
厳つい肩に厚い胸板。
鍛えられた体躯は騎士のようだ。
サファイア色の瞳は俺とそっくりだが、ベリーピンクの髪は似ていない。
髭を剃ってるからいいようなものの、無精髭が生えたときはいちご味のスプレーチョコが口周りに引っ付いてるように見えるので、本人曰くカミソリを当てる時は気が抜けないらしい・・・
「叔父上の所の?
えーとソフィア嬢でしたっけ?」
「そそ。
お前記憶力いいね。
そのソフィア・レイド・グレーンだ」
頭の上に王冠を載せて位置調整をしながら首を傾げる父。
「叔父上が連れてくるのを嫌がってるんじゃないんですか?」
「うんでも。
めちゃくちゃ可愛らしいぞー。
奥方にクリソツでなぁ」
「はぁ叔母上は確かに可憐な方ですからねえ~・・・」
帝国の末姫だった叔母は大陸三大美女の一人で非常に可憐な美しさの女性である。
因みにあとの二人は私の母でもあるグレーン国王妃と、帝国の皇后様だ。
「こうなんつーか、頭が柔らかいっていうか面白い娘でな〜。
適当にゴチャゴチャやりながら新しい魔法を構築したりするんだ」
「え?!
それって」
「そう、王宮魔術師並みに魔法の開発ができるってこったな」
「・・・ 天才ですか?」
「本人は遊びの延長らしいがなぁ。
面白いぞ見に行くか?」
「・・・ 考えておきます」
「ノリが悪いなぁお前?」
「・・・」
その頃の俺の悩みと言えば王子教育とりわけ魔法の特訓が上手く進まず、悩んでいるという程では無かったけれど思うように発動出来ない魔術に少なからずイライラしていたように思う。
魔力量は王族なので十分な量があることは魔力検査で判明していたのでなんの不安もなかったが、繊細な魔法操作が苦手で上手く出来なかったのだ。
そのせいもあって、王宮魔術師並みに魔法の構築を遊びながらやってのけるという辺境の地にいる会ったこともない従姉妹に少なからず俺は嫉妬したんだ。
ちょっと続きます(づ ̄³ ̄)づ




