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「え、ゴフッ、北の森の洞窟にゴブリンの村?」
王太子妃の執務室でお茶を優雅に飲んでいたソフィアが驚いて咽せた。
「ああ。
どうやら2個小隊では太刀打ちできない人数らしい」
「北の森は里奈さんがいる砦の管轄よ?
どうして今まで分からなかったのかしら?」
「恐らくだが、気配を消す結界を張れるゴブリンメイジが混ざってるからだろうな。
他には考えられん」
話しながら部屋をすぐ出て、騎士団長の執務室に向かってドレスをたくし上げて走ろうとしてシルファにすぐ止められた。
「転移したほうが早い。
騎士団全員を北の森に跳ばすぞ」
×××
「王領区の北の砦に急げ!」
辺境伯兵団に激が飛ぶ。
「里奈がいるのに分かんなかったのか?」
『ふん。
『魔法使い』でモ混じっテいたのダロウな』
「面倒くさそうだな。
エルフが苗床か」
『エルフ族は閉鎖的だからナ。
人族やドワーフ族と連携シタがらん。
仕方ナイ』
レヴを肩に乗せて兵団の最後尾に着くと腕組をする。
レヴの乗る反対の肩には愛弓を担ぐアジェス。
「まあ、行ってみっか」
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Ages・Raid
×××
『北の森にゴブリンの村が出来てたらしい第2警戒体制だ。
冒険者に出動要請を送れ。
特殊個体の可能性を考えてクラスS~Aに固定だ』
冒険者ギルドの執務室で魔鳥からの知らせを開いた途端にギルド長が手元の拡声機のマイクを持つと、館内放送用のスピーカーから怒鳴り声が響く。
一瞬静まり返ったギルドの建物がハチの巣を突付いたような大騒ぎになった――
『出払ってないS及びAクラスに至急連絡を取れッ!』
拡声器を手放すと壁に飾ってあった大剣を睨みながら椅子に『ドン』と音をさせて座るとギルド長は押し黙る。
「どうして今まで村が見つから無かったんだ・・・
結界か!」
『ゴブリンメイジの可能性がある。
反射の護符を持つように通達しろッ!!』
階下の騒ぎが更に大きくなった――
×××
「北の森の砦って、リナさんがいる所ですよね・・・」
パーティーメンバーの中の一人が出発の準備の済んだスタンの背中に声を掛ける。
彼はこれから北の砦に転移魔法で跳ぶのだ。
「ああ。
王領区の北の砦の勤務だ」
「俺等まだBランクだから行けねえから・・・
せめてAなら」
パーティーの内二人はまだAランクにはなっていない。
参加するのはスタンとレオナルドだけだ。
「しょうがねえよ。
じゃあ行ってくるな」
レオナルドは軽く手を振り、スタンは苦笑いをするが残る二人は不安そうだ。
スタンは昨日会ったばかりのリナの顔を思い出しながら転移魔法を展開させた――




