Day2
二日目です。
Day2
今日は昨日の予想通りに大雨が降っていた。その影響で学校は休み。『天から授かった休息日だ!』と喜びたかったがこんな日にも出かけなきゃいけなくなってしまった。
そのわけを説明するために、少し時間を戻そう。
朝、目が覚めると、いつもは目覚まし時計を止める。だが今日は鳴っていない。時計を見ると、いつも起きる数分前だ。どうやら今日は陰人が早寝をしたらしい。こんなに清々しく、寝不足じゃない状態で起きれるのは珍しい。あまりの珍しさでこの分だと明日は台風か季節外れの雪だろう。(いや、南海トラフ巨大地震が起きるかもしれない。)
机には置手紙が置いてある。それと、ところどころに丸のついた地図も。とりあえず置手紙を読む。
『おはよう陽人君。早速なんだが君には小平霊園に行ってもらいたい。』
藪から棒に変なことを書かれた。今日親戚のお葬式だっけ?
『忘れるなんてことは無いと思うが、一応書いておくと昨日話してもらったあの事件の現場だ。』
ああ、そういえばそんな場所だった気がしなくもない。
『無理を言って、二重作警部補の名前を出せば、そこに入れてもらえる手筈になっている。そこで事件のより詳しい事情を調べてもらいたい。』
なんだ?昨日の話だけでは遺体の場所が見つからなかったのか?
『それが終わり次第、机の上に置かれた地図に丸が書かれているところを、片っ端から当たって遺体を探してほしい。』
……どうやら遺体があるところが分からなかったらしい。だが、だからといって、こうやって人に仕事を押し付けてほしくはない。
「自分で探せ。」
『不満もいろいろあるだろうが、すべては事件解決のためだ。我慢してやってほしい。』
「断る。」
何が悲しくてこんな雨の日に、最悪見つからなくても問題無い遺体を探しに、外をうろつかなくちゃならない。
『君の働き次第では、学校をハッキングして、次の試験の答えを教えてあげてもいいのだが。』
「他にも何かやることはあるか?」
『とりあえず今日はこれをやってほしい。後日また何か頼むかもしれないが、それもよろしく頼む。』
「いいぞ、全部やってやる。」
全ては試験の答えのためだ。
「あ、でもこの借りは高くつくからな。」
『くれぐれもよろしく頼む。』
手紙はここで終わった。もしかしたら僕が協力を拒むかもしれないのに、よろしく頼んで来るのは大丈夫なのか?まあ、いつものように僕の行動を読んでいるだけかもしれないが。
「さて、頼まれたからにはしっかりやるとするか。」
……そんなこんなで僕は今、小平霊園に向かっている。小学2年生の時に親戚のお墓参りに来て以来か。ぼんやりと覚えている道のりと同じように進んでいく。ただ、
ザーーーーーー
横殴りの雨でずぶぬれになるとは思わなかった。
はぁ、合羽にすればよかった。
電車を乗り継ぎ、横殴りの雨に遭いながら、何とか小平霊園に着いた。入り口では刑事ドラマでよく見る、あの黄色いテープが張られている。
とかいう観察をしていたら余計冷えてきたので慌てて中に入ろうとする。
「すみません、今日はちょっと入れないんですよ。」
当たり前かのように警察官に止められた。(当たり前か。)
「あ、いえ、二重作警部補に呼ばれて来ていて。」
「そうなんですか?」
「はい。」
こっちが行きたいって言ったらしいが、些細な違いだ。
「えっと、今確認するので少し待ってください。」
警察官は慌てて奥の方に走って行った。こっちは横殴りの雨でずぶぬれになってるんだけどなぁ。
1分くらい雨に打たれ続けて、(こんなに傘が役に立たない雨は珍しい。だから学校が休みになったわけだが。)ようやく中に入れてもらえた。
霊園の事務所みたいな場所に着く。入ろうとすると、人が出てきて止められた。
「陽人、」
「え?父さん⁉」
なんかいた。なぜかいた。
「かくかくしかじかで、お前にはいらないお世話だろうけど、一応現場監督として付き添うことになった。」
「りょ、了解。」
いくら警部補の息子でも、少年を一人で事件現場に入れるわけには行かないだろうけどさぁ、あらかじめ言っといてよ。
「現場はこっちだ。」
「ちょっと待って。」
「なんだ?」
「その前にタオルない?」
なんで扉をギリギリくぐらせずに、わざわざ雨が降っている外で話すのかな。
数分後、体を拭き終わって合羽を着た僕と父さんは一緒に歩いていく。雨もだいぶ弱まり、いい頃合いだ。今さっき気づいたが、この辺りは木が多い。(雨で気づかなかった。)林というほど木々がある訳ではないが、霊園という割には多めだ。
「しかし、考えてみると陽人が事件現場に来るのは初めてなんだよな。」
「そ、う、だね。うん。」
いつも陰人が家の中で話を聞くだけで、解いちゃうからな。(アームチェアディテクティブってやつだ。)
「じゃあ、一つだけ注意、決して現場にあるものを勝手に動かしたりするなよ。」
「了解。」
「じゃあ行こう。」
注意事項少なくない?これは日ごろの(陰人の)行いのおかげかな。
「そういえば、」
歩きながら父さんが話しかけてくる。正確には話しかけようとしていた。
「警部補、お疲れ様です。」
「お、おう、お疲れ。」
父さんよりも若々しい感じの警察官が出てきた。
「そちらは?」
「ああ、前に話した私の息子だよ。」
「え?」
「ああ、噂の息子さんですか。難事件を解決している天才中学生と会えるなんて、喜ばしい限りです。」
「は、はぁ。」
父さん、僕のこと人に話していたんだ。てっきり自分が解いたことにしていると思ってた。
「自己紹介がまだでしたね。二重作さんの部下の山口晴弘です。巡査部長です。」
「あ、二重作陽人です。えっと、……」
こういうときって何を言えばいいんだ?「ちょっと事件を解きに来ました。」でないことは確かだけど……
「じゃあ、とりあえず現場検証だ。」
「そうですね。」
言葉に詰まっている僕をさておき、二人は現場に歩いていく。慌てて追いかけた。
「このトラックです。」
山口巡査部長(だっけ?)は目の前のトラックを指さした。ぱっと見ただのコンテナ車だ。横には大きく浜野植木と印刷されている。
「もちろん実際にはこんな店はないですが、なかなかのクオリティですよね。」
「ああ、確か印刷された紙を貼ってあるんだよな。」
「はい。下はこんな感じです。」
そう言うと、山口巡査部長はスマホを操作して画像を見せた。雨にぬれてもいいのかな?
「福田、輸送?……聞いたことのない名前ですね。」
二人の会話に首を突っ込む。
「今探しています。遅くとも明日には分かるでしょう。」
僕に対してそっけなさすぎじゃないですか?山口巡査部長。
「では中に行きましょう。」
そう言うとスタスタと山口巡査部長はコンテナの中に入って行く。(巡査部長って長いな。頭文字をとってJBでいいや。)
中に入ると少し肌寒く感じる。まあ、外にいても肌寒く感じるけど。
ふと床を見ると、一面の血、血、血。見たことを後悔した。
少しクールダウンのために周りを見る。幅は2メートルより少し長い。奥幅も2メートル強、(見た目よりも、かなり短い。)高さは、やっぱり2メートル強だ。ただ、こんなに広い、(がばがば計算で8立方メートルの空間に)何も置かれておらず、ただただ血が床に付いている。不気味だ。
「容疑者はそこで倒れていました。」
そういって山口JBはちょうど父さんが立っている辺り、入り口付近を指した。父さんはその場所から少しずれた。
「しかし、なんでこんなにトラック全体が血塗れなんだ?ここで殺人をしたわけでもあるまいし。」
「おそらく、死んでからすぐ運び入れたのでしょう。ですが一応、この場で殺された可能性もなくはありません。まあ、こんなところに案内されて、素直に殺される人がいるとは思えませんが。」
黙ってコンテナから降りる父さん。こんなに憶病でよく警察やれたもんだ。
「加害者の様子はどうだったんですか?」
「特に縛られた形跡も睡眠薬を服用した形跡もありませんでしたよ。ただ、その壁に向かって、うつぶせに倒れていただけです。」
そう言うとまたスマホを取り出し、画像を見せる山口JB。よくある、白い線で模られてある、死体の位置が示されたやつが出てくる。(チョーク・アウトラインって言うんだってさ。もっとも、これは白いテープを上から貼っただけっぽいが。)
確かに何も特徴的なところはない。表現しにくい地味な倒れ方だ。
「ちなみに実際にはこんな感じです。」
山口JBがスマホをスワイプすると、その白線に沿って人が倒れている画像が出てきた。
「だ、誰ですか⁉この人⁉」
まさか本人?本人なのか?
「同僚の野田です。」
「何やってんだ、あいつ。」
本当に何やっているんだろう。
「おい、野田―!」
「呼びましたー?」
「ちょっと来ーい!」
父さんが写真の刑事を呼び出し、叱りだす。
「では話を続けましょうか。」
それを傍目に山口JBは話を続ける。傍から見ていると非常にシュールだ。
「父さんがいないのに、話を進めて大丈夫ですか?」
山口JBは腕を組んで少し考える。
「では、待ちましょうか。」
「すまん、続けてくれ。」
ほぼ同時に父さんが戻ってきた。
「……戻るのなら早く戻ってください。」
「……今後は気を付けるよ。」
気まずい。
「次に、中にあったものですが、ナイフ、やすり、モップ、あとは服ですね。」
「やすりやモップは、汚れを落とすのに使ったのか?」
「おそらく、そうです。」
それくらいは僕にも分かる。だからお願いだから、こんなことで鼻高々としないでほしい。
「ちなみに、服はなんで、そこにあったんですか?」
「おそらく、返り血のついた服を、そこに置いたのだと思います。実際、すべての服が血塗れでしたし。見ますか?」
「結構です。」
つい先ほど、世の中には見ない方が良い物もあるって分かった所だからな。
…ん、待てよ。『すべての服』?
「ちなみに、服は何着あったんですか?」
「3着ですね。全部違う人物の遺伝子がついていたので、犯行の度に着替えたのでしょう。」
少し意外そうな顔をして山口JBが言う。僕、なめられてるなぁ。
「ちなみに、3着とも赤系統の色をした服でした。血が目立ちにくいようにこういった色にしたのでしょう。」
「で、凶器のナイフも3人分の血が付いてたのか?」
「はい。」
「ナイフってどんなのですか?」
流石にサバイバルナイフをそのままポケットに入れていた、なんてことは無いだろうけど。
「こんな形状ですね。」
またスマホを取り出す山口JB。
「やっぱ、結構で……」
「はい、どうぞ。」
言い終わる前にもう画像が出されてしまったので、腹をくくって見る。
茶色いカバーのついたナイフだ。これだけなら良いのだが、もちろん柄には血がべったり。何ならカバーにも少し血が付いている。
「ちなみに、刃の部分はこうなっています。刃渡りは、20cmくらいですね。」
そういうと山口JBは画像をスワイプする。しっかり血がべったり付いた刃が出てくる。この人、どんだけ画像を持っているんだ?
「ちなみに言っておくとだ、その画像を外部に流出するのは禁止だからな。」
「そんなこと、するわけ無いじゃないですか。」
父さんに特大の釘を刺される山口JB。一応ああ言ってはいるが、口元がほころんでいる。大丈夫なのか?
「コンテナの中はこのくらいか?」
「あと一つ、気になる事があります。このコンテナは二重構造になっているのですが、」
「最近はそんな車もあるのか。ジェネレーションギャップってやつか。」
「昔もありましたよ。」
こうやって上司にずかずかと意見を言える山口JB。もはや山口JBが上司でいいんじゃないかな?
でも、そうか、だから見た目の割に奥行きが短かったのか。奥の壁を注目してみると、確かに扉があった。大きくて扉だと思わなかった。
「話を戻しますと、その奥側の扉付近に容疑者の指紋が大量に付いているんです。」
「シンプルにその奥側に行って寒さを凌ごうとした訳じゃないんですか?」
「それが、奥側の設定温度もこちらと何ら変わっていないんです。なので、行ったところで何も変わらないんですよ。」
僕の瞬時に出た思いつきは一瞬で否定された。
「まあ、壁は断熱性の素材ですし、一縷の望みに賭けただけかもしれないですが。もっとも、この扉にもしっかり鍵があって、入れなかったわけですが。」
この状況を聞いていると、あまりにも運の無い容疑者が可哀そうに思えてくる。(まあ、人を殺している時点で、因果応報ってやつかもしれないが。)
「コンテナとその内部については、これくらいです。次は運転席ですね。」
そう言う山口JBに連れられ、今度は運転席に向かう。
「相変わらず暗いな。」
「まあ、この近くには光源になりうるものが無いですからね。」
確かにこの辺りは暗い。深夜なら懐中電灯が必須になるだろう。
「で、内部の様子ですが、」
ガチャ
「こんな感じです。」
心の準備をさせてくれ、山口JB。
中はまあまあ普通だ。車内中に付いている血を除けば、の話だが。
「あちこちに血が付いているな。」
トラックの運転席には割とスペースがある。だが、その車内のそこかしこに、血が擦り付けられたかの様な跡が残っている。
「おそらく、着替える際にこの中だけで着替えたのでしょう。なので、あちこちに血の跡があるのだと思われます。」
なるほど。
「ちなみに、奥の休憩スペースには、本来、車に付けられていたと思われる物が置いてありました。」
「なんだ?その休憩スペースってのは?」
「こういうトラックには仮眠などの休憩を取るスペースがあるのです。大体運転席の奥の方で見えにくい所にあります。」
「「そうなんだ。」」
「あなたには説明しましたよね。」
父さんがまた山口JBに怒られる。
「すまんすまん。それはそうと、何があったんだ?」
強引に話を逸らす父さん。
「ああ、そうでしたね。」
あっさり逸らされる山口JB。微妙に抜けてるんだな。
「そこには、車内テレビに扇風機、それにドライブレコーダーとスコップがありました。」
「もう一回、言ってくれないか。」
「車内テレビに扇風機、ドライブレコーダーとスコップ、です。」
英語のリスニングテストか?
「その内、スコップには泥が付いていました。」
「泥?」
「おそらく、遺体を埋めた際に着いたのだと考えられます。」
あぁー、そういや、その遺体がどこにあるのかを、探しに来たんだった。
「それで、遺体がどこにあるのか、分かりましたか?」
「えぇーっと、」
僕、使い走りとして来ているから分かんないなぁ。
思わずポケットに手を突っ込む。紙の感覚がした。…えっ?
「そのー」
とっさにその紙を出し、読むふりが出来た僕に、誰か拍手をしてほしい。ただ、肝心の内容は一切、思いついてないけど。
……よく見ると、何か書いてある。
『木の上や屋根裏などの、上の方にある場所を探すように言ってくれ。』
うん確実に陰人だ。あらかじめ知らせておけよ……
「とりあえず、上の方を探してください。」
「上の方?つまり、どこだ?」
「木の上とか屋根裏、トイレの屋根裏なんかを調べてみて下さい。」
屋根裏ってこういう事で合ってるんだよな、多分。
「何故そんな所を探すのですか?」
その疑問はもっともだ、山口JB。それはそれとして、僕に聞くな。
なんか無いのか?紙をじっくり見る。字が透けて見えた。紙は普通に2枚にたたまれていたらしい。
「えー」
慌てて紙を広げて読む。雨で少し、いやだいぶにじんでいる部分もあるが、読めるところを読む。
『警察が調べなさそうな場所だからだ。』
「警察が調べなさそうな場所だからです。」
もはや語尾を買えただけになってるけど、まあ仕方ない。
「そうか、こういった墓地では自然と埋められたと考えてしまうから、そこで上に隠すことで見つからないようにしているのか。」
「そうそう、そういう事です。」
とりあえず便乗。
「つまり、そこに死体がある可能性が高い、という事だな。」
こっちの大人は分かっている風に言っているが、本当に分かっているんだか……
「じゃあ、とりあえず探してきます。」
「分かった、頑張れよ!」
「いや、あなたも行きますよ。」
「え?いや、今、雨が降っているし、さっさと屋根のある場所に行きたいのだが。」
「ダメです。」
父さんが山口JBに引きずられていく様子を見送る。
さて、やることも終わったし、帰るか。
ん?やること?なんか、あったような…………
あ、地図!
その後、僕は慌てて地図に書いてある場所を探しまわった。主に街路樹やトイレなど、父さんたちが探した場所と一緒だったから、結局途中から付いていく形になった。
だが、遺体は見つからなかった。
「結局、無駄骨でしたね。」
山口JBが冷ややかな目をしながら僕を見る。文句は陰人に言ってほしい。(知らないだろうけど。)
「まあ、数ある可能性のうちの一つを潰せたってことで良いだろ。」
父さんナイスフォロー!
「……まあ、そうですね。墓を掘る許可が出るまで暇な時間を有効活用出来たってことで。」
どうやら山口JBも納得したらしい。よかった。
「じゃあまた、新情報が手に入ったら伝えますので。」
「ありがとうございます。」
今日のところは解散ってところか。
「じゃあ陽人、母さんによろしく。」
「はーい。」
こうして、ようやく家路につくことが出来た。時刻は5時32分、せっかくの休みは完璧に壊されていた。
家に帰って風呂に入る。雨に降られていたおかげで、お湯の温かみが身に染みる。
「これで熱出して学校休めないかなー。」
ふと、こんな独り言も出る。明日休めれば、そのまま土日に突入するから、4連休なんだけどな。
でも現実は非情なり、僕はよほどの事が無い限り風邪をひかない。おそらく明日も元気だろう。(前に風邪を引いたのは、小3の時、雪が降っているのに半袖半ズボンで出た時だったはず。)悲しいなぁ。
風呂を上がり、机に課題を広げる。あんな探偵じみた事をやってはいるが、実は試験2週間前だったりする。(試験もう大嫌い。)唯一の救いは、これを乗り越えれば輝かしい夏休み、って事くらいか。
ふと鉛筆が落ちているのが見える。拾う、ついでにポケットから紙が落ちる。再び拾う。
その紙は、例の指示の書かれた紙だった。今は乾いていて、滲んで読めなかった部分も読める。
『容疑者の素性と第一発見者の話を聞くように。』
…………や、ら、か、し、た。今さら読んでも意味ないぞ。どうする?
プ プ プ プルルルル プルルルル
こんなに慌てているのに電話が来た。
「もしもし?」
「陽人か?」
父さんからだった。
「そうだよ。」
「この事件について、何か聞きたい事とか分かった事はあるか?」
いきなりだねぇ。
「えっとね、」
でもこれは、さっきのミスをフォローするチャンス!
「容疑者の詳しい情報、あと第一発見者の話した事についての情報が欲しい、かな?」
多分。
「分かった。今日中にメールで送る。」
今日はあと3時間ちょっとで終わりそうだけど、間に合うかな?
「ちなみに、第一発見者と直に話したかったりするか?」
「あ、じゃあ一応。」
「分かった、上にお願いしとく。」
咄嗟に言ってしまった……まあ、中学2年生がそんな話に参加できるとは思えないけど、言うに越した事はない、はず。
「それで、遺体の場所はどこか分かったか?」
「えー」
知らん。
「明日の朝までに考えをまとめてメールで送るよ。」
「そうか、じゃあよろしくな。」
ガチャッ ツーツーツー
ダイジョブカナコレ?適当なこと言っちゃったよ。……ま、いっか。陰人が何とかしてくれるだろう。
今日のところは課題を終わらせるだけだ。
よいこのみんなは陽人おにいさんみたいに豪雨のなかでそとにでないでね。




